机浜番屋群
漁村の原風景を復元した机浜漁港の木造番屋で塩作り体験
22棟の番屋が地域の暮らしを今に伝える
「机浜」の地名はアイヌ語でツク・エツ(小山の岬)が由来。磯漁業の拠点として利用されていた場所だ。机浜には、漁具の収納や昆布の乾燥作業をする建物として、また、作業が忙しい時期は宿泊場所として25棟の番屋群があったが、舗装路整備と自動車の普及により、半分ほどの番屋が使われず廃屋化していたため、地域の宝として机浜番屋群の保存が行われていた。朽ちたトタンや壁の修復、大きな倉庫を接収して魚さばき体験やイベントが実施できる施設に改修したり、昔行われていた製塩文化を復活させようと番屋の新設も進められていた。しかし、あと2~3か月で完成というときに東日本大震災で25棟の番屋群すべてが流失してしまったという。その後、官民一体で「机浜番屋群再生プロジェクト」が始動。2015年(平成27)に塩作り体験や番屋料理体験ができる漁業と観光が融合した新しい施設として再建された。塩作り体験ができるのは「塩づくり番屋」。まずは、机浜の塩作りの歴史についてスタッフから説明があり、その後「薪割り→海水を薪で煮詰める→塩を乾燥」というのが大まかな流れだ。
海水を煮詰めて作る昔ながらの製法を体験
薪を割るところから、塩作り体験は始まる。自分で割った薪をかまどにくべて、釜に入った海水を煮詰めていくと塩の結晶が現れてくる。そこから塩を汲み、さらに水分を抜くのだが、そこで使うのは洗濯機の脱水機。にがりを取るため、塩水を布袋に入れて脱水機にかけるのだ。脱水機にこんな使い方があったのかと驚く。仕上げにフライパンで炒って乾燥させる。サラサラになるまで約10分。ずっと混ぜ続けるのは大変だが、徐々に塩っぽくなっていくのはおもしろい。粗熱を取ったら最後に袋詰め。ちなみに、スタッフが作った塩は田野畑村内の売店や道の駅で100g 500円で販売している。ミネラル豊富できれいな海水から自分で作った「番屋の塩」は、三陸の海の幸をより引き立たせてくれるだろう。
番屋エコツーリズムは体験メニューも豊富
机浜で塩作りが始まったのは1854年(寛永7)より前で、1905年(明治38)の塩の専売法施行まで生産されていたという。かつては陸の孤島と呼ばれ、やませの影響で稲作が難しかったこの地域では、古くから県内陸部と塩と米を物々交換して暮らしていたそうだ。番屋群では塩作り体験以外にも、地元の漁師のお母さんたちから魚介類のさばき方を教わり、近海で水揚げされた新鮮な旬の魚を自分で料理して食べる「番屋料理体験」90分1名2500円(2名から)や、地元漁師が漁師の暮らしや知恵などを交えつつ番屋を案内してくれる「番屋漁師ガイド」60分1名3000円(2名から)といった体験メニューも用意されている。海沿いの少し高くなった場所にある番屋は、目の前に三陸の海が広がりロケーションは最高。静かな漁村は、初めてなのにどこか懐かしくピュアな気持ちを取り戻させてくれる場所だ。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県下閉伊郡田野畑村机142-3 地図
- エリア
- 三陸海岸エリア
- 電話番号
- 0194371211
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
-
年末年始(12/29-1/3)
※事前予約で12/29・12/30は対応可能 - 料金
-
[施設]無料
[塩作り体験等]有料 - 駐車場
- あり(20台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、auPAY)
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- あり(4口)
- 喫煙
- 可
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円, 1,001-3,000円
- 滞在目安時間
- 30-120分
情報提供: ナビタイムジャパン