会津田島祇園会館

資料/郷土/展示/文学館

手作りの家庭料理バイキングと祇園祭の醍醐味を堪能

古きよき伝統が今もあちこちに残る会津。こちらは、800余年の伝統を誇る「会津田島祇園祭」をテーマにした観光施設だ。リアルで迫力満点のジオラマのほか、地元の人にも人気の家庭料理バイキングが楽しめる。

手作りの家庭料理が食べ放題(里山バイキング)} 手作りの家庭料理が食べ放題(里山バイキング)

古くからの南会津の要衝

古代から交通の要衝として重要視されて来た南会津町田島。中世以降は長沼氏の居城である鴫山城(しぎやまじょう)の城下町として栄えた。一時は南会津一帯を領するまで勢力を広げたが、戦国時代に大大名の伊達氏に従属。1643年(寛永20)に天領となり、幕府の陣屋が置かれるなど、領内の政治、経済、軍事の中心地となった。特に江戸時代前期、会津藩主・保科正之(ほしなまさゆき)によって会津西街道(下野街道)が開削されると、沼田街道との分岐点だったことから宿場町として発展。明治時代初期には著名なイギリス人女性紀行家・イザベラ・バードも訪れ、著書『日本奥地紀行』に「私たちは田島で馬をかえた。ここは、昔、大名が住んでいたところで、日本の町としてはたいそう美しい」と記している。現在も南会津町役場が置かれるなど、南会津の中心地、田島のランドマークが国道289号線沿いにある「会津田島祇園会館」だ。

国道沿いにある「会津田島祇園会館」。駐車場も広いので小休止にぴったり} 国道沿いにある「会津田島祇園会館」。駐車場も広いので小休止にぴったり

地元民にも人気の家庭料理バイキング

こちらは、地元で800年以上続く「田島祇園祭」をテーマにした観光施設。しかし、もう1つの顔がある。それが郷土料理レストランだ。季節の地元食材を生かした手作りの家庭料理約20品が食べ放題の「里山バイキング」が990円(税込み)。その安さとおいしさから、観光客だけでなく地元の人にも大人気。しかも食事をした人は展示の入館料が大人500円から150円に割引になるのだから、これはお昼どきにあわせて訪ねるのが賢明だ。取材時のメニューは、卵焼きに茶碗蒸し、地元野菜の天ぷら、きんぴらごぼう、青菜の和え物、煮しめなど、文字どおりの家庭料理。どれも素朴な味わいで、旅でご馳走続きの舌と胃袋にはうれしい限り。基本の里山バイキングだけでも十分お得だが、欲張りな人には、会津郷土料理のつゆじとニシンの山椒漬けが付く「ぎおん」(1380円)、さらに棒たら煮が付く「みなみやま」(1780円)もオススメだ。

手作りの家庭料理がずらりと並ぶ} 手作りの家庭料理がずらりと並ぶ

華やかな祭りの行列を再現

お腹がいっぱいになったら、いよいよ展示スペースへ。「会津田島祇園祭」は、1185年頃(文治年間)に、当時の領主・長沼宗政(ながぬまむねまさ)が信仰していた祇園の神・牛頭天王須佐之男命(ごずてんのうすさのおのみこと)を居城の鴨山城(しぎやまじょう)の鎮護として祀り、それ以前からあった田出宇賀神社(たでうがじんじゃ)の祭りとともに行われたのが起源。古くから「西の祇園社、中の津島社、東の田出宇賀社」といわれ、「日本三大祇園祭」のひとつに数えられている。この祭りの特徴は、一族の主だった者たちが1年交代で居宅を祭場とし、自ら神主を務めたという、古い祭りの形態を現在も「お党屋(とうや)制度」という形で維持していること。この伝統が評価され、1981年(昭和56)に国の重要無形文化財に指定された。祭りの華である「七行器行列(ななほかいぎょうれつ)」は、若い男女が神様に供物を捧げるためのもので、それぞれ精一杯の正装で参加する。その様子を再現したジオラマや、女性が着た豪華絢爛な打ち掛けなどが展示されている。

七行器行列のジオラマ} 七行器行列のジオラマ

30年ほど前に復活した「屋台子供歌舞伎」も再現

館内には、ほかにも祇園祭に関する行事のいくつかが等身大の人形ジオラマで再現されている。たとえば、祭りの日の食事の風景は羽織袴姿で随分かしこまって見えるが、厳粛な神事であると解説書に書かれており、なるほどと思わせる。祇園祭は食事の献立にフキを多く使うことから、ふきまつり、転じて「富貴(ふき)祭」とも呼ばれる。ジオラマにはないが、御神酒に獨酒(どぶろく)を使用することから「どぶろく祭り」、屋台の運行が激しいことから「けんか祭り」とも。七行器行列と並ぶ見どころが「屋台子供歌舞伎」だ。江戸時代末から始まったが、1872年(明治5)に制定された「学制」などの影響で廃止。以降、地元青年会などによって細々と演じられてきた。しかし、屋台歌舞伎の伝統継承と子供歌舞伎の希少性から復活の機運が徐々に高まり、1994年(平成6)、122年ぶりに再開された。その屋台や上演の様子も館内に等身大で再現されている。屋台の豪奢な飾りや、本格的な子どもたちの衣装は一見の価値ありだ。(「会津田島祇園祭」は例年7月22-24日の開催)。

「屋台子供歌舞伎」を忠実に再現} 「屋台子供歌舞伎」を忠実に再現

スポット詳細

住所
福島県南会津郡南会津町大坪30-1 map map 地図
電話番号
0241625557
時間
9:00-16:30
休業日
[12-3月]火(祝の場合は翌日)
料金
[入館料]大人500円、小人300円
駐車場
あり(50台、バス6台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
あり(2口)
喫煙
可(玄関外にて)
ベジタリアンセレクション
あり
ハラル対応
あり(要予約)
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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