浦安市郷土博物館
浦安のドラマチックな歴史を体感できる博物館
昭和の町並みを再現する屋外展示
浦安市郷土博物館の目玉の展示ともいえるのが、1952年(昭和27)の町並みをそっくり再現した屋外展示「浦安のまち」。三軒長屋や漁師の家、魚屋、たばこ屋を移築、再現している。博物館から橋を渡った左前にあるのが、博物館ボランティア「もやいの会」会員が案内を行ってくれる船宿「江戸川」。まずはここに立ち寄り、町のイラストマップをもらってから見学するといい。家の中に入って見学できる建物もある。県の文化財に指定されている「三軒長屋」は江戸時代末期の建築で、九尺二間(間口が九尺、奥行が二間。メートル法に換算すると、約273cm×364cm)のサイズ。時代劇で見る六畳一間に土間という間取りの家を見ることができる。すぐ近くの共同便所も実際に使われていたものを移築したものだ。
歴史に翻弄された漁業の町
浦安は古くから漁業で栄えていた。明治時代に入ると海苔の養殖も行うようになり、「ベカ舟」と呼ばれる海苔の採取に最適な形の小型船も登場した。淡水と海水が交じり合う浦安の海は海苔の生育に最適な場所で、1960年(昭和30年)代には作業の機械化も進み、一大産業となった。海苔の養殖と並び貝の養殖も盛んに行われていた。一方、浦安はたびたび危機に見舞われている。戦後まもなくの1949年(昭和24)8月31日に暴風をともなって関東を直撃した「キティ台風」は、当時の町の予算が4000万円強だったところ、4億円を超える被害をもたらした。次の大きな危機は、海の汚染による漁業の不振だ。漁業の将来性に不安を抱くようになった漁師たちは、漁場の埋め立てを決意。1962年(昭和37)に一部の漁業権を放棄し、1971年(昭和46)についに漁業権の全面放棄にいたった。これらの歴史は、「浦安亭」の2本のビデオ映像で見ることができる。1本あたり10分ほどの上映時間だ。2本とも視聴することをおすすめする。
今に伝えられる伝統の技
独特の進化を遂げていたベカ舟も、漁業権放棄により消えていったが、1995年(平成7)に市内の元舟大工が集まり、「浦安舟大工技術保存会」を結成。翌年から残っていた船の修理を始め、2000年(平成12)には、現在博物館の屋外展示場に展示している打瀬船(うたせぶね)を新造した。博物館の1階には、舟を建造するために作られる作業小屋「仮屋」と、建造中の舟、大工道具などが展示され、動画による解説も見ることができる。大工道具にはさまざまな種類の工具があるが、ガラスケース下の引き出しにも収納されているので、興味をもった工具があったら引き出しも開けてみるといい。ほかにおすすめしたい展示は、見事な手さばきの貝むきの様子を映した動画と、浦安弁で当時の暮らしぶりを紹介する動画「ことばの収蔵庫」。浦安弁での会話を聞くと、浦安が独特の文化を育み、活気に満ちた生活を送っていたことがよくわかる。
スポット詳細
- 住所
- 千葉県浦安市猫実1-2-7 地図
- エリア
- ベイエリア
- 電話番号
- 0473054300
- 時間
- 9:30-17:00
- 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、祝の翌日、館内整理日、年末年始
- 料金
- [入館]無料
- 駐車場
- あり(市役所と共用)
- クレジットカード
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 博物館でもあり、子供の遊び場でもあります
- 市役所や郵便局、健康センターや小学校、図書館など行政が密集する区域にあります。近所の子にとっては良い遊び場。私も子供の頃よく遊んでました。大人にとっては、浦安の歴史を知ることができる貴重な博物館です。併設のレストランで食べられるあさり御膳がおすすめ!今はコロナの影響で食べられませんが、収まったら食べに行きたい美味しさ。コロナ禍の今でも食べられるあさりメニューもありますので、足を運んで...
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- 無料でも家族で楽しめる博物館
- 浦安公園に隣接した施設です。昔の海苔や漁業を営んでいた頃を再現、解説しています。昔の街並みを再現した区画があり、小舟に乗ったり、べーごまや昔懐かしい遊びを体験することが出来ました。
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- 素晴らしい施設
- 友人が見つけてくれて一緒に行ってきました。まずは併設のカフェでランチ。カフェの奥のドアから直接郷土博物館へ繋がっていました。外では昔の浦安の町並みが再現されていて、昭和初期の建物を移築したそうでリアルな町並みを体験できました。またタイミングがよくベカ船といって昔の漁の船にも乗せてもらえました。その時もスタッフさんが記念写真を撮ってくれたりと本当に親切にしてくれました。これだけの規模ですべて無...
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