神奈川県立金沢文庫
2万点を超える貴重な文化財から中世日本の姿を探る
現存するものとしては日本最古の武家文庫
創始者は鎌倉幕府で要職を歴任した北条実時(ほうじょうさねとき)。文化人としても知られた彼は歴史、宗教、文学、政治など多くの書物を収集しており、晩年、現在の金沢(当時はかねさわと読んだ)文庫付近に隠居すると、蔵書を収める書庫を建てた。1275年(建治元)頃のことだ。収集は実時の死後も続けられたが、鎌倉幕府とともに北条氏も滅亡。蔵書は菩提寺である称名寺で管理されたが、やがて徳川家康などに持ち出されて多くが失われた。明治になって伊藤博文らが称名寺境内に復興。関東大震災で損壊後、1930年(昭和5)に神奈川県初の県立図書館として再建された。博物館として現在地に建てられたのは1990年(平成2)のことだ。
中世日本の姿を詳らかにする宝物の数々
現在、金沢文庫では称名寺所蔵の国宝や重要文化財を中心に収蔵しており、これらを整理し、読み解く作業が続けられている。研究が進むにつれて中世の政治や人々の暮らし、風俗までも知ることができる貴重な史料群であることが明らかとなり、2016年(平成28)には金沢文庫文書(もんじょ)4149通と称名寺聖教(しょうぎょう)1万6692点が国宝に指定された。金沢文庫文書には称名寺の僧侶や金沢北条氏一族の筆になる書状などが含まれ、当時の人々がどのような生活を送っていたのかが垣間見える。
仏像や中国から伝わった工芸品なども多数
金沢文庫にはほかにも歴代金沢北条氏の肖像画(国宝)、平安時代に書写された文選集注(もんぜんしっちゅう。国宝)、水晶をあしらった調度品である玉華鬘(たまけまん。国重文)、釈迦如来立像(国重文)、厨子入金銅製愛染明王坐像(国重文)、青磁壺(国重文)、中国・宋の時代の木版印刷である宋版一切経(国重文)など数多くの古書、古文書、仏像、絵画、工芸品などがあり、これらのなかから厳選したものをテーマごとに展示している。ちなみに鎌倉幕府滅亡後、各地に散逸した蔵書は「金沢文庫本」と呼ばれ、現在は宮内庁書陵部や国立公文書館、各地の美術館などに保管され、それらの一部もまた国宝または国重文となっている。
自宅で心ゆくまで国宝鑑賞
金沢文庫では毎月テーマ別の講座が行われている(予約制)。歴史や仏教、美術など、日頃の調査研究の成果を還元したさまざまなテーマが用意されている。学芸員らから詳しい解説を聞くことができる貴重な機会だ。またデジタルアーカイブ化も進んでおり、県内の美術館・博物館が参加する「おうちでミュージアム&ライブラリー」に「国宝 金沢文庫文書データベース」として1000点以上の史料が公開されている。高精細画像で観ることができるだけでなく、毛筆で書かれたものを活字にした翻刻(ほんこく)も合わせて公開され、理解を助けてくれる。金沢文庫を訪れる前の予習にもおすすめ。
「おうちでミュージアム&ライブラリー」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/gt2/outidemyu-ziamu.html
スポット詳細
- 住所
-
神奈川県横浜市金沢区金沢町142
地図
- エリア
- 横浜市南部エリア
- 電話番号
- 0457019069
- 時間
- 9:00-16:30(入館は16:00まで)
- 休業日
- 月、祝の翌日、展示替え日、年末年始(12/28-1/4)
- 料金
-
【観覧料】
[一般]250円(団体150円)
[20歳未満・学生]150円(団体100円)
[65歳以上・高校生]100円
※中学生以下・障がい者の方は無料
※特別展は別料金 - 駐車場
-
なし
※障がい者用として3台あり - クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、PayPay、d払い)
- Wi-Fi
- あり(au、softbank)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 国宝の古書籍、古文書
- 鎌倉時代北条氏の一族が集積を始めた書籍、文書、経文等の博物館です。大きくはありませんが国宝の古文書等があり普通の博物館とは趣を異にします。鎌倉幕府の連署まで務めた一族ですが幕府滅亡と共に滅び、その後は隣接する称名寺が文書等を管理したとか。しかしながら、上杉謙信、徳川家康などが書籍などを持ち出し荒廃したがお寺等が何とか維持し現代に貴重な資料を残して目にすることができます。京急金沢文庫駅東口を出て通り...
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- 政治、歴史、文学、仏教などに関わる書籍が収められていたそうです。
- 称名寺公園の中には、”金沢文庫”があります。”金沢文庫”とは、北条実時が病で没する直前の1275年ころ、居館内に文庫を設けたのが起源とされる。文庫には、実時が収集した政治、歴史、文学、仏教などに関わる書籍が収められていたそうです。この日は、”拓本で知る武州かねさは”の企画展を開催していました。”拓本”とは、木や石に紙を当て墨を使って、刻まれた文字を写し取ったものです。”武州かなさは”とは、この辺...
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- 聖徳太子の特別展開催中
- 称名寺公園を散策した後、トンネルをくぐって金沢文庫に来ました。「聖徳太子信仰」という特別展が開催中、鎌倉時代に聖徳太子を崇拝して造られた数々の聖徳太子像や関連する資料が展示されており、なかなか興味深かったです。
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