蚶満寺

寺院

かつて松尾芭蕉や菅江真澄(すがえますみ)も訪れた853年(仁寿3)開創の古刹(こさつ)

松尾芭蕉が『奥の細道』で訪れた最北の地。江戸の大地震以前は「日本三景松島」と並び称された象潟にある古刹(こさつ)。853年(仁寿3)開創という古い歴史で伝説や言い伝えも多く、蚶満寺の七不思議として残っている。

1689年(元禄2)にこの地を訪れた松尾芭蕉の像。芭蕉が訪れた頃の象潟(きさかた)は松島と並び称される景勝地であった} 1689年(元禄2)にこの地を訪れた松尾芭蕉の像。芭蕉が訪れた頃の象潟(きさかた)は松島と並び称される景勝地であった

松尾芭蕉を魅了した象潟と現在の九十九島

秋田県にかほ市象潟、JR象潟駅から車で5分ほどの線路沿い。蚶満寺(かんまんじ)がある象潟はかつて入り江に大小の小島が浮かぶ美しさから「東の松島、西の象潟」と並び称された景勝地であった。しかし1804年(文化元)に起こった大地震によって土地が隆起して干潟に。大地震が来る115年前、1689年(元禄2)には俳人の松尾芭蕉が象潟を訪れており、その景観の美しさを読んだ『象潟や 雨に西施が ねぶの花』という句が残されている。ここに登場する「西施(せいし)」とは「中国四大美女」のひとりのこと。句の意味は「雨に濡れる象潟のねむの花を見ていると、世にいう西施の美しさとはこれほどのものだったのかと思う」という内容で、象潟の景観は芭蕉の胸を打つ美しさであったことが読みとれる。かつて小島だった部分は小さな山状となって田園風景に溶けこみ「九十九島(くじゅうくしま)」と呼ばれ、象潟の観光名所になっている。

境内の脇には30台ほど駐車できる無料駐車場がある。拝観料は300円} 境内の脇には30台ほど駐車できる無料駐車場がある。拝観料は300円

蚶満寺の北側に広がる庭園の向こうに見える九十九島(くじゅうくしま)のひとつ「駒留島(こまどめじま)」} 蚶満寺の北側に広がる庭園の向こうに見える九十九島(くじゅうくしま)のひとつ「駒留島(こまどめじま)」

平安時代に創建された由緒ある古刹を散策

蚶満寺の開創は古く平安時代までさかのぼる。その後正嘉(しょうか)年間に北条時頼(ほうじょうときより)が東北地方を巡った際に寺領を与えたことから、今も寺門には北条家の三つ鱗(みつうろこ)が掲げられている。古い歴史をもつ寺院の敷地内には、数多くの言い伝えや伝説を裏付ける遺構が点在しており見どころ満載だ。駐車場からすぐ見えてくるのがハスの花で彩られる美しい池。周囲には松尾芭蕉の句に登場する西施の像が建てられ、すぐ近くに松尾芭蕉の像も置かれている。境内の北側には美しい庭園が広がっており、敷地の外側には田んぼのなかにポツンとたたずむ九十九島も眺めることができる。江戸中期に建造されたという山門をくぐって奥に進むと、地震供養地蔵尊(じしんくようじぞうそん)が出迎えてくれる。先に進むと江戸中期以前の建造とされる立派な本堂が見えてくる。中に入ることはできないが、参拝したあとに本堂の中をのぞき込むと見事な天井絵を垣間見ることができる。

大地震により土地が隆起する前はこの辺りが日本海の波打ち際だったという} 大地震により土地が隆起する前はこの辺りが日本海の波打ち際だったという

山門の中には迫力のある仁王像が。山門の正面からは見えず内側で向かい合っている} 山門の中には迫力のある仁王像が。山門の正面からは見えず内側で向かい合っている

1804年(文化元)にこの地を襲った象潟地震の被害者を供養する六地蔵} 1804年(文化元)にこの地を襲った象潟地震の被害者を供養する六地蔵

境内に点在する「蚶満寺七不思議」を巡る

山門から本堂の間には樹齢700年を超える立派なツバキが立っており「夜泣きの椿」と呼ばれている。このツバキには〈ある夜にツバキが声をあげて鳴き、数日後に寺に異変があった〉という言い伝えが残されており、「蚶満寺七不思議」のひとつに数えられる。本堂の裏手にまわっていくと、タブの大木の枝にちょこんと座っている小さなお地蔵さんが見つかる。このお地蔵様は「木登り地蔵」と呼ばれ〈お地蔵さまを木の下におろした翌朝にまた元の場所に戻っていた〉という言い伝えがあり「七不思議」のひとつとされる。さらに奥に進むと浄土真宗の開祖とされる親鸞(しんらん)が腰かけた伝説が残る「親鸞聖人腰掛け石(しんらんしょうにんこしかけいし)」も発見できる。その先には寺院が海沿いに立っていた時代に、拝観者の小舟をつなぎ止めていたという「舟つなぎの石」もある。蚶満寺では座禅の体験ができたり、御朱印をいただくこともできたりする。また最近では猫好きな住職が境内で飼育している猫たちが人気を集めており、猫寺としても有名になっている。

「猫寺」としても人気の本堂周辺でのんびりお散歩する猫に出合えるかも} 「猫寺」としても人気の本堂周辺でのんびりお散歩する猫に出合えるかも

寒中の夜中に花を咲かせ、寺の周辺で凶事が起きる前後に夜泣きするという言い伝えの「夜泣きの椿」} 寒中の夜中に花を咲かせ、寺の周辺で凶事が起きる前後に夜泣きするという言い伝えの「夜泣きの椿」

スポット詳細

住所
秋田県にかほ市象潟町象潟島2 map map 地図
電話番号
0184433153
時間
8:00-17:00
[冬季]8:00-日没まで
休業日
無休
料金
[拝観料]300円
駐車場
あり(30台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 無料でも十分楽しめる
    4.0 投稿日 : 2022.05.15
    人気の観光スポットなだけあって、広い駐車場があるのが便利。トイレは古いので、使いたくない人もいると思う。境内は大人1人300円で入れる。有料区域内には、芭蕉句碑や出世稲荷、木登り地蔵などがある。木登り地蔵は、出世稲荷の参道から覗くと見ることができる。舟つなぎ石があることからも、昔は海であったことがわかる。有料区域と駐車場にある立ち入り禁止の階段は八島神社に繋がっている。境内北側には、無料で楽しめる...
  • 必見!
    5.0 投稿日 : 2022.01.30
    何気に初めてお訪問です、北海道から友人が来秋したので行ってみました。境内は思いのほか広い。入口にいらっしゃった方がボランティアで案内してくださいゆっくりと見て回ることができました。松尾芭蕉が訪れたことでも有名なお寺ですがあの時はまだ周りを海で囲まれていた島だったとのこと。今の状況を松尾芭蕉が見たらどんな句を詠むのか興味津々です。
  • 山門が歴史を感じさせてくれます。
    5.0 投稿日 : 2020.12.18
    蚶満寺は道路沿いにあるファミリ-マ-トの向かって右横から奥にある踏切を渡った所に位置します。象潟駅からは徒歩で15分。松尾芭蕉が「象潟や雨に西施がねぶの花」と言う句を詠んだ寺としても知られています。木造の山門が立派で歴史を感じさせてくれる蚶満寺です。ここから九十九島コ-スの一部を回る事も出来ます。

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アクセス

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