壱岐市立一支国博物館
古代、国際交流の拠点だった「一支国」の歴史に触れる
一面に書かれた魏志倭人伝の文字
博物館のエントランスホールから階段を上がると、青く光るスペースに出た。壁一面に『魏志倭人伝』に記された漢字が並んでいる。そのなかの一部が白く浮かび上がっていた。「南に一海を渡ること千余里、名づけて瀚海(かんかい)と曰(い)う。一大国に到る」という内容で始まるその部分は、対馬に続き壱岐に関して記されている。「瀚海」とは対馬海峡東水道のこと。「一大国」は「一支国」の誤写という説がある。続いて、竹や木が群生していて、3000戸ほどの家があり、田があるものの十分ではなく、島民は南北に渡り交易を行っていると描写されている。古代、「一支国」と呼ばれた壱岐は、朝鮮半島と九州を結ぶ国際交流の拠点として重要な島国だった。その先のビューシアターでは、今度は映像で古代の様子が紹介される。そして、映像が終わるとスクリーンが下がり、遠くまで広がる平野が見渡せる。そこは一支国の王都「原(はる)の辻」だ。
楽しそうなジオラマの人形たち
一支国博物館は2010年(平成22)に開館した。「原の辻」を眺める同館は、前述のようにとても印象的な展示で壱岐の歴史へと誘ってくれる。稲作、鉄、占い、仏教などは朝鮮半島から壱岐を経て九州に上陸し、のちに「日本」と呼ばれる列島各地に伝わっていった。また壱岐には279基の古墳が存在する。それらの歴史展示を眺めながら進んでいくと、「原の辻」関連の展示スペースへと出る。画家ムンクの油彩画『叫び』に似ていることでも知られ、人の顔を模した石として日本唯一の資料である「人面石」は、弥生時代の一支国を代表する出土品で国指定重要文化財となっている。「原の辻」の様子を再現した大きなジオラマもおもしろい。165体の人形たちがいるが、その表情がみんな楽しそうでとてもユニークなのだ。豊かで多彩な表情を見ていると、ついつい微笑んでしまうに違いない。
長崎県埋蔵文化財センターも
一支国博物館には高さ27mの展望室もあり360度の風景を眺めることができる。ビューシアターの映像後にも「原の辻」の風景は一望できたが、展望室からは「原の辻」とその周囲の風景がよりよく見えるだけではなく、天気がよければ福岡県や佐賀県の山影までも眺望できる。同館には長崎県埋蔵文化財センターも開館時から併設されている。1階では、同センターの「オープン収蔵展示」がガラス越しに見られるので、こちらにも立ち寄りたい。その手前には「キッズこうこがく研究所」というスペースがあり、子どもたちが考古学に関するさまざまな体験をできるようになっている。さらにその奥の廊下は、発掘調査で出土した遺物の整理作業などを見られる「観察路」と呼ばれるエリアになっている。一支国博物館は展示だけではなく、多彩な楽しみ方が待っている博物館なので、時間をかけてじっくりと巡りたい。
スポット詳細
- 住所
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長崎県壱岐市芦辺町深江鶴亀触515-1
地図
- エリア
- 壱岐・対馬エリア
- 電話番号
- 0920452731
- 時間
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8:45-17:30(最終入館17:00)
※変更することもございます - 休業日
-
月(祝の場合は翌日)
※GWおよび夏休み期間中は無休
※12/29-12/31は休館 - 料金
- [常設展示室観覧料]一般410円、高校生310円、小・中学生210円
- 駐車場
- あり(101台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、DISCOVER、DinersClub)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(楽天ペイ)
- Wi-Fi
- あり(freespot)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 一支国博物館
- 先に一支国王都跡に行ったので、ここで歴史の成り立ちを見て遺跡に向かった方がいいと思います。ジオラマがあり当時と風景が再現されていました。壱岐事典という壱岐の神社の本が手に入りました。また展望台もあります。
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- 邪馬台国
- 壱岐の歴史がわかる施設です。かなり昔の時代の設定が多いため、余りよくわかりません。邪馬台国時代は殆ど何もわかっていないので神秘的でもあります。
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- 思ってたより中身が濃い
- 壱岐の国は歴史が長いため、規模が大きくないこの博物館も中身は割と充実したものになっている。新しいため中もきれいだし、展示内容もコンパクトにまとめられわかりやすい。また当時を再現したジオラマも遊び心があって楽しい。地方によくあるただ単にものを並べましたという博物館とはひと味違います。訪れる価値アリだと思います。
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