大神山神社 奥宮神門
自然石の参道を歩いてお参りする大山中腹の古社
大山中腹にたたずむ山岳信仰の古社
大神山神社は、米子市尾高にある「本社」と大山の中腹にある「奥宮」の2社がある。祭神は、本社が大穴牟遅神(おおなむぢのかみ)、奥宮が大己貴神(おおなむちのかみ)で、ともに大国主命の若いときの名前である。奥宮は大山を神体山とする山岳信仰の古社でもある。もともとは、僧が修行のために大山に登り、その道場として簡単な遥拝所を設けるようになったのが始まり。神仏習合で勢力を拡大してきた大山寺と奥宮だが、祭事はすべて神職が執り行ってきた。明治初頭の神仏分離令により大智明権現社から大神山神社と改称、大智明大権現の社殿を大山寺から分離して現在の「大神山神社奥宮」になったという歴史をもっている。車の場合も、駐車場から約20~30分歩いていくことになるが、社殿までの道のりも貴重な経験だと感じられるので、ぜひ参拝しよう。
700mの苔むす石畳の参道
大山情報館(観光案内所)の近くにある駐車場から、御幸参道本通りを上り、大山寺宝物館を過ぎたところで左に折れ、石畳の参道を進んで行く。700mあるこの参道は「日本一長い石畳の道」と書かれた看板を掲げている。江戸時代の寛政年間(1789~1800年)に原形ができたとされ、苔むす石畳の両脇にはうっそうとした杉木立が続く。途中、右側に江戸中期の磨崖「吉持地蔵」が鎮座する。銅鳥居を抜け少し進むと石段の上に「神門」(鳥取県指定有形文化財)が見えてくる。「神門」は通常の門とは逆向きに扉が開くので「逆さ門」ともいわれるそうだ。そして、さらに石段を進むと、社殿が目に飛び込んでくる。
壮大な権現造の社殿がすばらしい
奥宮の社殿は全国最大級の壮大な権現造で国の重要文化財に指定されている。両脇に長廊が延び、その長さは約50m。内部の柱などの金色は、銀箔を貼った上に生漆を塗ってその化学変化により金色を出す技法「白檀塗り」で、これだけ大規模なものは珍しいという。大神山神社の左手にある下山神社も権現造で、津和野藩主・亀井矩賢(かめいのりかた)が寄進したものだ。2022年(令和4)に、奥宮は下山神社への遷宮が行われた。現在、社殿の修復や屋根の吹き替えなどの工事を進めており、2024年(令和6)秋の完成を予定している。その間は下山神社にお参りすることになる。境内では工事のため一部立ち入りを制限している場所があるので注意したい。
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情報提供: ナビタイムジャパン