北上市立鬼の館
悪か善か、神か妖怪か。日本と世界の鬼をたどる博物館
始まりの問いは「鬼とは何だろうか」
常設展示室の前にそびえ立つのは、異世界へ誘うような大きな門。上から鬼が見下ろしており、何かを試されているような心地から始まる。おそるおそる中に入ると、そこは鬼が現れるという夕暮れ「逢魔が時(おうまがとき)」の空間。正面の大きなビジョンでは「鬼を見たか」というフレーズをきっかけに、鬼をイメージした映像が流れ出す。どこかから鬼に見られているような感覚に、背中がゾクゾクする。「鬼とは一体何だろうか」という疑問が湧いてくるような映像を見たあとで、メインの展示室へと続いていく。
人の心が生み出した数々の鬼たち
メインの展示室の最初に登場するのは「鬼曼荼羅(おにまんだら)」。過去から現代までのさまざまな鬼を「大人(おおひと)」「鬼神(きしん)」「妖怪」「餓鬼」の4つの要素に区分。これを仏教の曼陀羅にちなんで「鬼曼荼羅」と名づけて紹介している。展示によれば、数々の鬼は人の心が生み出したものだという。人間の喜怒哀楽を、鬼という形で表現してきたからこそ、日本での鬼は善もあれば、悪もあり、ひとつの型にはまりきらないという解説に、なるほどと納得。「あなたの中に鬼がすむ」という装置で、執念深さや劣等感、将来への不安などをテストしたら、スイッチを押してみよう。鏡に映った自分の顔に、鬼がぼんやりと重なる様子にまたゾクゾクする。
「鬼剣舞」発祥の地から人々の平穏を願う
1994年(平成6)に開館した「鬼の館」。これまでに約70万人の来館者を数え、最近では鬼をテーマにした漫画やアニメの影響もあり、さらに注目を集めている。同館がある北上市岩崎地区は、民俗芸能「鬼剣舞」の発祥の地。その始まりは、大宝年間(701~704年)に修験山伏の祖が念仏を唱えながら踊ったものとも、大同年間(806~810年)に羽黒山で悪霊退散・衆生済度の念仏踊りとして舞ったものともいわれている。いずれにしても、人々を守り救いたいという願いの込められた鬼剣舞は、見ているだけで心が清らかになる。同館でも鬼剣舞の公演イベントがあるので、機会があれば勇壮な舞を生で見よう。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県北上市和賀町岩崎16-131 地図
- エリア
- 花巻・遠野エリア
- 電話番号
- 0197738488
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 12-3月の月(祝の場合は開館)、祝日の翌日(土-月は開館)、11/27-11/30、12/1-12/7、12/28-1/4
- 料金
-
【入館料】
[一般]500円
[高校生]240円
[小中学生]170円 - 駐車場
- あり(75台)
- クレジットカード
- 不可
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン