紺屋川美観地区
高梁川の支流紺屋川沿いは桜と柳並木が続き歴史スポットも点在
水辺の散歩が楽しめる紺屋川
国道180号沿いにある観光駐車場から東へ入ると紺屋川沿いに美しい桜と柳の風情ある並木道が続く。「日本の道100選」にも選ばれ、四季を通して観光客の姿が絶えない紺屋川美観地区である。紺屋川は、かつて備中松山城の外堀の役目を果たしていた。明治頃までは周囲に染め物屋が多くあり、紺屋川と呼ばれるようになったという。水量は多くなく、川辺には石が敷き詰められた遊歩道があり、水を間近にして、ゆっくり散策が楽しめる。
高梁基督教会堂は岡山県下最古の教会
高梁基督教会堂は、現存する岡山県下最古の教会だ。高梁市史によれば、高梁でのキリスト教の布教は1879年(明治12)に始まり、(現在の)同志社大の創設者である新島襄(にいじまじょう)が高梁を訪れて伝道したことで、信仰が広がったという。新島は備中松山藩の漢学者川田甕江(かわだおうこう)に師事した縁で、幕末に米国へ密出国する際、同藩の船で江戸から函館へ向かったゆかりがある。高梁キリスト教会は木造2階建て、19世紀のプロテスタント教会を模した洋風建築(県指定史跡)。ゴシック窓に2階建ての車寄せ、屋根には旧札幌農学校の時計台を模した鐘楼がある。内部も、正面に十字架を掲げた祭壇、四方のグレーの漆喰壁が落ち着いた雰囲気だ。この教会では、順正女学校を立ち上げた福西志計子(ふくにししげこ)や、非行少年を受け入れる「家庭学校」を設けて少年の更生に生涯をかけた社会事業家の留岡幸助(とめおかこうすけ)らが洗礼を受けた。また、岡山市に日本初となる岡山孤児院を開いた石井十次の生涯を描いた2004年(平成16)公開の映画『石井のおとうさんありがとう』のロケが行われた。
高梁の歴史を学ぶスポットを巡ろう
紺屋川の北には、備中松山藩が藩士の子弟に文武を教えるために作った藩校「有終館跡(ゆうしゅうかんあと)」がある。ここは、同藩の儒学者で藩政改革を行った山田方谷(やまだほうこく)が学頭(校長)を務めたことで知られる。現在、当時の建物はなく、敷地内は高梁幼稚園になっているが、方谷のお手植えとされるクロマツと記念碑が立つ。そして、少し離れているが、紺屋川の南にある「高梁市郷土資料館」には江戸時代から昭和初期にかけての生活用具など、約3000点を展示している。1904年(明治37)に建築された旧高梁尋常高等小学校の本館を転用して1978年(昭和53)に開館したもので、2階にある講堂は、桃山風の豪快な二重折上格天井になっている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン