塩浸温泉龍馬公園

公園/緑地

日本で最初の新婚旅行で坂本龍馬が浸かった温泉

坂本龍馬が妻のお龍(りょう)とともに18日間滞在したという、石坂川のほとりの温泉地。温泉のほかにも、資料館や龍馬が歩いた石段が残る。龍馬ファンならぜひ訪れたい場所だ。

川辺の広場に龍馬資料館や足湯などの施設が集まる。「龍の背坂門」と記された通路は背後の坂道に通じている} 川辺の広場に龍馬資料館や足湯などの施設が集まる。「龍の背坂門」と記された通路は背後の坂道に通じている

日本で最初のハネムーン先となった塩浸温泉

「塩浸(しおひたし)温泉龍馬公園」があるのは、霧島市の中心から15kmほど北の国道223号線沿い。小規模な温泉が点在する天降川(あもりがわ)から分かれた清流・石坂川のほとりだ。温泉といっても宿泊施設はなく、温泉を中心に整備された公園となっている。ここは1866年(慶応2)、幕末の志士・坂本龍馬が妻のお龍とともに訪れ、旅行中で最も長く逗留したことで知られる場所。龍馬が寺田屋事件で負った刀傷を治すためだったが、この旅はのちに「日本で最初の新婚旅行」といわれるようになった。

1989年(平成元)に建てられた「坂本龍馬・お龍 新婚湯治碑」。彼らは塩浸温泉に11日間滞在してから高千穂峰へ行き、戻ってさらに7日間滞在した} 1989年(平成元)に建てられた「坂本龍馬・お龍 新婚湯治碑」。彼らは塩浸温泉に11日間滞在してから高千穂峰へ行き、戻ってさらに7日間滞在した

1806年(文化3)頃にこの地で発見された温泉は、鶴が傷を癒やしていたことから切り傷や胃腸に効くとされ、「鶴の湯」と呼ばれた。のちに塩浸温泉となったのは、近くの河岸に白い固形物が付くことから。龍馬は西郷隆盛や小松帯刀(たてわき)のすすめにより、この地を訪れた。その滞在は楽しいものだったようで、姉の乙女に宛てた龍馬の手紙には、「実(じつに)此世の外(そと)かとおもわれ候(そうろう)ほどのめづらしき所ナリ。此所に十日計も止りあそび、谷川の流にてうおゝつり、短筒(ピストヲル)をもちて鳥をうちなど、まことにおもしろかりし。」とある。彼らはここから高千穂峰まで足を延ばし、山頂に突き立った「天の逆鉾(あめのさかほこ)」の柄の部分を見て「天狗の面だ」と大笑いしたという。

資料館で龍馬の足跡をたどろう

塩浸温泉龍馬公園には小粒ながらもたくさんの見どころがあるので、時間を取ってゆっくりとまわりたい。国道223号線の駐車場から石坂川を見下ろすと、そのほとりに小さな浴槽が見える。これは江戸時代から残る塩浸温泉最古の浴槽で、龍馬とお龍もここに浸かったと考えられる。橋を渡って公園内に入ると、左側の広場の奥に龍馬とお龍の「新婚湯治碑」が、右側に龍馬グッズなどを販売する受付の建物が立つ。受付のある建物の一部は龍馬資料館「この世の外」となっているのでぜひ見学したい。龍馬の手紙の複製が展示され、龍馬たちの旅の足跡や、新婚旅行秘話などが紹介されており興味深い。

石垣の下に「龍馬風呂」と名付けられた江戸時代の浴槽がある} 石垣の下に「龍馬風呂」と名付けられた江戸時代の浴槽がある

龍馬資料館「この世の外」。資料を見るだけでなく、羽織や着物をまとっての記念撮影も可能だ} 龍馬資料館「この世の外」。資料を見るだけでなく、羽織や着物をまとっての記念撮影も可能だ

龍馬たちも入った温泉に浸かる

資料館の建物の前には、源泉「塩浸の湯」を引いた「縁結びの足湯」がある。無料なので、龍馬も入った温泉を気軽に体験できるのがうれしい。この湯で茹でた温泉卵は、のんびりと足湯に浸かりながら食べるのにうってつけだ。その奥には入浴施設があり、男女それぞれ2つの浴槽に「塩浸の湯」と「鶴の湯」の2つの源泉が引かれている。泉質はどちらも美肌の湯として名高い炭酸水素塩泉で、茶色く濁った色とわずかな鉄臭が特徴。加温なしの源泉かけ流しという贅沢な温泉で、神経痛や切り傷、皮膚病、胃腸病の改善に効果があるという。

川のせせらぎを聞きながらくつろげる「縁結びの足湯」} 川のせせらぎを聞きながらくつろげる「縁結びの足湯」

温泉水で茹でた温泉卵は1個100円。温泉の風味が食欲をそそる} 温泉水で茹でた温泉卵は1個100円。温泉の風味が食欲をそそる

男湯の「龍馬の湯」と女湯の「お龍の湯」からなる「龍馬とお龍の湯」。石けんやシャンプーは受付で購入できる} 男湯の「龍馬の湯」と女湯の「お龍の湯」からなる「龍馬とお龍の湯」。石けんやシャンプーは受付で購入できる

龍馬が歩いた石段で当時をしのぶ

資料館の建物の裏には、「龍の背坂」と呼ばれる石段が延びている。国道233号線ができるまで使われていた旧道で、龍馬たちが訪れた頃からあったものだ。古くて危険になり、近年整備されてはいるが、昔の面影をよく伝えている。途中の分岐を右へ行くと、苔むしてすり減った未整備の石段が、塩浸温泉神社の小さなお社まで続いている。塩浸温泉と石坂川を一望にできるこの石段を、龍馬とお龍はどんな気持ちで歩いたのだろうか。彼らにとってつかの間の、平和な日々に思いを巡らせつつ散策してみよう。

龍馬とお龍も歩いた「龍の背坂」。かつてはこの道を下って塩浸温泉に向かった} 龍馬とお龍も歩いた「龍の背坂」。かつてはこの道を下って塩浸温泉に向かった

スポット詳細

住所
鹿児島県霧島市牧園町宿窪田3606 map map 地図
エリア
霧島エリア
電話番号
0995760007
時間
9:00-18:00(温泉は17:30最終受付)
休業日
月(祝日の場合翌火)
料金
【資料館】
[大人]300円
[小人]150円

【温泉】
[大人]420円
[小人]150円
駐車場
あり(30台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
コンセント口
なし
喫煙
不可(駐車場のみ)
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 月曜日は休園していました
    3.0 投稿日 : 2022.11.17
    38年前、塩浸温泉には共同浴場ではなくホテルがあり、1カ月ほど滞在しました。当時はホテルの外に龍馬やお龍も入ったという鶴の湯という小さな浴場がありました。共同浴場や公園になって1度訪れたことがあります。月曜日に霧島方向から鹿児島空港へ向かう途中に寄ってみると、休園日とのことで駐車場から公園へ渡る天降川の橋から渡れませんでした。川の反対側から龍馬とお龍像の写真だけは撮りましたが、せめて公園だけでも渡...
  • 坂本龍馬とお龍さんの像もあります
    4.0 投稿日 : 2022.03.18
    鹿児島空港の方から霧島温泉郷へと向かう国道沿いに、塩浸温泉龍馬公園がありました。 国道の横には川が流れていて、渓谷のようになっている場所を間借りながら進んでいった先に、駐車場があります。駐車場から橋を渡ると、そこが公園です。坂本龍馬が新婚旅行で訪れたという塩浸温泉。公園内には「龍馬資料館」や「龍馬とお龍の縁結びの足湯」などがあり、龍馬が入ったとされる湯舟もありました。
  • 龍馬とお龍が新婚旅行で立ち寄った温泉
    4.0 投稿日 : 2022.02.28
    霧島温泉郷とその周辺を1泊2日で巡った私たち。何カ所か、坂本龍馬とお龍さんが新婚旅行で立ち寄ったという場所がありました。そのひとつが、こちらの公園でした。 私たちは鹿児島空港の方から霧島温泉郷に向かって走っていました。山間を走るその道路沿いに、こちらの公園の駐車場がありました。駐車場から橋を渡った先には、「龍馬とお龍の縁結びの足湯」という無料の足湯があったり、龍馬資料館もありました。龍馬とお龍...

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アクセス

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