焼酎蔵 薩摩金山蔵

その他の工場見学/実演

トロッコで坑洞の奥深くへ! 探検気分で焼酎造りを知る

江戸時代からの歴史をもつ金鉱山を利用した焼酎蔵。トロッコに乗って坑洞内に入れば、そこは別世界。かつて金の採掘に使われていた道具が残るほか、独自の「黄金麹」を使った焼酎造りや焼酎の貯蔵・熟成が行われている。

江戸時代の最盛期には約7000人が働いていたという巨大な金鉱山の一部を見ることができる} 江戸時代の最盛期には約7000人が働いていたという巨大な金鉱山の一部を見ることができる

薩摩の金山と焼酎の歴史を伝える施設

鹿児島県西部のいちき串木野(くしきの)市は、東シナ海に面した遠洋マグロ漁が盛んな場所。江戸時代に発見された金の鉱脈があることでも知られ、それを掘り出すための串木野金山では、350年余にわたり総延長120kmの坑洞が掘られ、薩摩藩の繁栄を支えた。大正時代には金の産出量が日本一を誇ったというその金山跡地で、2005年(平成17)にオープンしたのが「焼酎蔵 薩摩金山蔵」だ。いちき串木野市に本社がある焼酎メーカー・濱田酒造の蔵のひとつで、焼酎の貯蔵・熟成に適した環境の坑洞内で、唯一無二の焼酎造りを行っている。

薩摩金山蔵の敷地入り口に立つ焼酎甕のオブジェ} 薩摩金山蔵の敷地入り口に立つ焼酎甕のオブジェ

トロッコに乗ってワクワクの出発

「焼酎蔵 薩摩金山蔵」には、金山の歴史や技術を紹介する「金山資料館」もあるが、金山坑洞内や焼酎貯蔵庫を見学する所要約1時間のツアー「坑洞焼酎蔵見学」ははずせない。資料館奥の乗り場でトロッコに乗り込み、ガタゴトと揺られながらトンネルに入る。走行距離は約700m、約8分間の旅だ。最初はコンクリート製だった坑洞の壁が、奥に進むにつれ所どころ赤茶けた鉄の枠で補強されていたり、ゴツゴツと荒々しいものになったりして、まるで時代をさかのぼっているかのようでワクワクする。エントランスに降り立つと、辺りの空気はひんやりしていて湿度も高い。坑洞内の気温は年間を通じて19℃前後と一定しており紫外線も届かない。この環境が焼酎造りと貯蔵に適しているのだ。

スタッフの説明を聞きながらトロッコで坑洞内に入っていく} スタッフの説明を聞きながらトロッコで坑洞内に入っていく

2023年(令和5)11月現在、坑洞焼酎蔵見学は土・日曜、祝日のみの1日2回(11:00~、14:00~)行われており、参加には予約が必要。変更される可能性があるので、最新の運行状況を公式サイトで確認しよう。なお、季節や期間限定の企画ツアーが催行されることもある。

金の採掘風景から焼酎の仕込み蔵まで

高低差400m、16層に分かれているという串木野金山。実はその大半が水没しているという。トロッコが到着するのはその2番坑だ。スタッフの案内で「金山の採掘跡」「焼酎仕込み蔵」「焼酎貯蔵庫」の順に見学していく。1日に使う分の火薬を保管した火薬類取扱所や、鉱石を運び出しながら掘り進んだ掘進機械、作業員用の人車(じんしゃ)と鉱石運搬車を高圧モーターで巻き上げた巻揚機(まきあげき)などが、当時のまま残され茶色くさび付いている。この金鉱山には、江戸時代に7000人もの坑夫が働いていたという。1t掘って採れる金は5~10gだったというから、その過酷さが容易に想像できる。さらに先へ進むと焼酎仕込み蔵がある。ここでは芋、米麹、水、酵母を一度に仕込み発酵させるという、江戸時代まで行われていた「どんぶり仕込み」によって焼酎造りが行われており、ジオラマや案内板でその工程の説明がされている。運がよければ、蔵人(くらびと)が仕込み作業をしているところを見られるかもしれない。

左上から時計回りに、走るトロッコから見る坑洞、巻揚機、爆破の跡や金の鉱脈が見られる坑洞、「どんぶり仕込み」が行われる仕込み蔵の一角} 左上から時計回りに、走るトロッコから見る坑洞、巻揚機、爆破の跡や金の鉱脈が見られる坑洞、「どんぶり仕込み」が行われる仕込み蔵の一角

続く「焼酎貯蔵庫」には、伝統の製法と「黄金麹」で手造りした本格芋焼酎を、購入後5年まで坑洞内で保管し、指定日に届けてくれる「熟成と共に福来たり」(1本1万1000円、追加料金で延長可)の瓶が並んでいる。芸能人のボトルもあるので名前を見てみよう。「黄金麹」は100年ほど前に自然変異して生まれた薩摩金山蔵オリジナルの麹で、栗のような甘みと清涼感のある香りが特徴だ。続いて訪れるのが、約1000ℓ入りの巨大な甕がずらりと並ぶ長期熟成貯蔵庫。ここでの熟成期間は3年以上で上限はなく、なかには15年を超えるものもあるという。

長期熟成貯蔵庫は人の背丈以上の大きな甕が200以上、約300mにわたって並ぶ、貯蔵庫エリアのハイライト} 長期熟成貯蔵庫は人の背丈以上の大きな甕が200以上、約300mにわたって並ぶ、貯蔵庫エリアのハイライト

左上:「熟成と共に福来たり」の貯蔵庫 左下:薩摩開運神社では金鉱石に触ることができる 右:作業員の安全を願って作られた黄金の観音像} 左上:「熟成と共に福来たり」の貯蔵庫 左下:薩摩開運神社では金鉱石に触ることができる 右:作業員の安全を願って作られた黄金の観音像

蔵見学のあとは品ぞろえ充実のショップへ

坑洞焼酎蔵見学から戻ったあとは「お買物処 蔵乃仲見世」に立ち寄ってみよう。ここには焼酎や酒器のほか、いちき串木野市の特産品などを販売している。せっかくなら、黄金麹仕込み・坑洞内長期貯蔵の芋焼酎「薩摩焼酎 金山蔵」を入手して自宅で楽しみたい。坑洞の独特な雰囲気を感じ、焼酎の醸造方法を知ったあとは、ひときわ味わい深く感じられるはずだ。そのほか、薩摩金山蔵では10年ほど前から清酒も醸造している。鹿児島県で清酒を造っているところは少なく、県内唯一だったときもあるという。国産米を使用し、冠岳の伏流水などを使用した鹿児島の希少な清酒もチェックしてみよう。

「お買物処 蔵乃仲見世」は2023年(令和5)11月現在、土・日曜、祝日のみ営業している} 「お買物処 蔵乃仲見世」は2023年(令和5)11月現在、土・日曜、祝日のみ営業している

黄金麹で仕込み、坑洞内で3年間貯蔵した「薩摩焼酎 金山蔵」(3389円)は、フルーティーかつ華やかで飲みやすい。5年ものはさらにまろやかになるという} 黄金麹で仕込み、坑洞内で3年間貯蔵した「薩摩焼酎 金山蔵」(3389円)は、フルーティーかつ華やかで飲みやすい。5年ものはさらにまろやかになるという

スポット詳細

住所
鹿児島県いちき串木野市野下13665 map map 地図
電話番号
0996212110
時間
[売店]10:00-17:00
※トロッコ運行は完全予約制
休業日
平日休業、土日祝日営業
駐車場
あり(300台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、au WALLET、Apple Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
なし
コンセント口
あり(1口)
喫煙
不可
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
備考
※コロナの状況次第で休業日変更の可能性あり

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

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