鹿屋航空基地史料館(鹿屋スカイミュージアム)

資料/郷土/展示/文学館

かつて特攻隊員が飛び立った場所に立つ航空史料館

海上自衛隊基地の一角にある航空史料館で、復元されたゼロ戦や特別攻撃隊の遺品など、旧海軍航空隊の創設から太平洋戦争、現在にいたるまでの貴重な史料を展示。屋外には航空機が展示され、見ごたえがある。

屋外に展示されている二式大型飛行艇。現存する世界唯一の二式大艇で、2004年(平成16)に東京の「船の科学館」から移設された} 屋外に展示されている二式大型飛行艇。現存する世界唯一の二式大艇で、2004年(平成16)に東京の「船の科学館」から移設された

鹿屋航空基地の敷地内にある史料館

1936年(昭和11)に旧海軍の鹿屋航空隊が創設された旧鹿屋基地は、現在海上自衛隊の鹿屋航空基地になっている。その敷地の一角にある「鹿屋航空基地史料館」は「鹿屋スカイミュージアム」の愛称でも知られる史料館で、1973年(昭和48)に開館し、1993年(平成5)にリニューアルされた。

海上自衛隊鹿屋航空基地の敷地内にある鹿屋航空基地史料館。左に見えるのは旧海軍の戦艦「比叡」の錨} 海上自衛隊鹿屋航空基地の敷地内にある鹿屋航空基地史料館。左に見えるのは旧海軍の戦艦「比叡」の錨

史料館に着くと、まず建物の周りに展示されている数多くの飛行機やヘリコプターが目をひく。これらは「P-2J哨戒機」や、「うみばと」の愛称をもつ「B-65クインエア練習機」など、海上自衛隊で実際に活躍していた航空機だ。また、これらよりもさらに大きいのが、道路を挟んだ向かいにある全長28m、全幅38mの「二式大型飛行艇」。1940年(昭和15)に初飛行した大型飛行艇で、当時世界一の性能を誇っていた。1942年(昭和17)に正式採用されると、偵察や哨戒(敵の襲撃を警戒して見張りをすること)、輸送などの任務で活躍した。この飛行艇は戦後米軍に接収されたが、1979年(昭和54)に日本に里帰り。一時期は東京の「船の科学館」に展示されていたが、2004年(平成16)に海上自衛隊へ寄贈され、以降この場所で公開されている。現存する世界で唯一の二式大艇として、たいへん貴重なものだ。

屋外には海上自衛隊で活躍した飛行機10機とヘリコプター4機が展示されている} 屋外には海上自衛隊で活躍した飛行機10機とヘリコプター4機が展示されている

海軍航空隊の戦いの歴史と、平和への願い

史料館の中に入ってみよう。2階は「海軍航空隊の歴史」というテーマで、鹿屋航空隊の創設から太平洋戦争にいたるまでの貴重な史料が展示されている。なかでも最も目立つのが、百田(ひゃくた)尚樹氏の小説『永遠の0』にも登場した「零式(れいしき)艦上戦闘機五二型」、いわゆるゼロ戦だ。1992年(平成4)に2機のゼロ戦の残骸が、1機は錦江湾、もう1機は吹上浜沖の東シナ海の海底から引き揚げられ、ともに補う形で1機のゼロ戦として約1年かけて復元された。機体を眺めていると、組み立てに携わった人たちの熱意が伝わってくるかのようだ。

最初の部屋には、太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃と、その計画が練られた鹿屋会談に関する史料が展示されている} 最初の部屋には、太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃と、その計画が練られた鹿屋会談に関する史料が展示されている

日露戦争終結後の連合艦隊解散式で読み上げた訓示など、東郷平八郎ゆかりの品々が展示されている} 日露戦争終結後の連合艦隊解散式で読み上げた訓示など、東郷平八郎ゆかりの品々が展示されている

1992年(平成4)に海底から引き揚げられ、復元されたゼロ戦「零式艦上戦闘機五二型」。タラップを上ると、操縦席の中を見学できる} 1992年(平成4)に海底から引き揚げられ、復元されたゼロ戦「零式艦上戦闘機五二型」。タラップを上ると、操縦席の中を見学できる

また、2階にあるもう1つのおもな展示は特別攻撃隊に関連するもの。鹿屋基地は日本で最も多くの特攻隊員が飛び立った場所であり、1945年(昭和20)3月11日から終戦まで908名もの若者たちが出撃し、尊い命が失われた。館内には飛び立った彼らの遺影や遺書などが展示され、国のために我が身を犠牲にした若者たちを追悼している。

海上自衛隊航空部隊の現在と未来

階段を下りた1階では「海上自衛隊の活躍」というテーマで、災害派遣や周辺海域の警戒監視、海外派遣任務など、現在の海上自衛隊航空部隊の活動が紹介されている。航空機「P-2J哨戒機」のコクピットと操縦席や、全長22m、全幅19mの大型ヘリコプター「S-61A救難機」などが展示されており、航空機や装備品の変遷や、航空技術の進化を知ることができる。また、現在の自衛隊員たちの国内外での活躍ぶりを通じて、日本の防衛について考えさせられる内容となっている。

大型ヘリコプター「S-61A救難機」や自衛隊員の制服が展示されている} 大型ヘリコプター「S-61A救難機」や自衛隊員の制服が展示されている

1階のロビーには日本画の大家・平山郁夫氏が原画を担当し、108枚のステンドグラスを使って作られた『夕映桜島』が飾られている} 1階のロビーには日本画の大家・平山郁夫氏が原画を担当し、108枚のステンドグラスを使って作られた『夕映桜島』が飾られている

スポット詳細

住所
鹿児島県鹿屋市西原3-11-2 map map 地図
エリア
大隅エリア
電話番号
0994420233
時間
9:00-17:00(入館は16:30まで)
休業日
12/29-1/3
料金
無料
駐車場
あり(普通車22台、大型バス10台、身体障害者用2台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
可(指定場所)
滞在目安時間
120分以上
車椅子での入店
入館可
乳幼児の入店
入館可
備考
※電話番号はFAX兼用です。
※滞在時間は現在は時間指定されています。

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 特攻隊出撃地
    4.0 投稿日 : 2023.03.26
    航空自衛隊の基地の施設内にあり、外には古い航空機が展示してあります。資料館には2階に第2次大戦の資料を中心に展示されており、1階には哨戒機や救難機関連の資料が展示されています。売店では地元のお土産と自衛隊関連のグッズが売られており、Tシャツなど一部基地独自の商品も販売されていました。食堂は営業時間が限定的です。なお、鹿屋基地は哨戒機の訓練が中心で戦闘機などは配備されていません。
  • 第七二一海軍航空隊 神雷部隊
    5.0 投稿日 : 2022.02.02
    敷地は広く史料館や航空機の展示スペース以外にも池や東屋があり芝が植えていて公園的な造りになっている。航空機展示スペースには海自で使用されていた対潜哨戒機・練習機・救難飛行艇やヘリコプターが置かれている。航空機以外にも紫電改の誉エンジン・零戦の栄エンジンや93式魚雷が展示されている。しかしながら雨ざらしの屋外展示の為に保存状態は芳しくなく塗装が日に焼け錆が浮き出ている。基地への道を挟んで船の科学館か...
  • 自衛隊の近くですね^^
    4.0 投稿日 : 2021.06.12
    知覧に比べれば、小さいですがここもやはり過去の特攻の歴史がつづられてるのでやはり行くべき場所だと思います。今の時代 人とのふれあいや優しや 関心が本当にない時代です。 今の若者は、自分しか関心がない・・・・本当に親兄弟を大事にしてた時代に戻ってほしいぐらいですね。 ですからコロナがきたんかな・・・。さて、ここにもゼロ戦が飾ってあって、ゼロ戦のみ写真OKです^^。 ですが、読むもの...

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