東京都水道歴史館

博物館/科学館

水道からひも解く東京の歴史

江戸時代から現代までの水道の歴史を紹介する無料の施設。実物の展示や館外の復元展示も含め見ごたえ十分。都市にはなくてはならない水道の歴史をたどれば、江戸・東京の新しい姿が見えてくる。

直径2m90cmある鋳鉄製で日本最大級の水道管} 直径2m90cmある鋳鉄製で日本最大級の水道管

水道から見えてくる東京の歴史

東京都水道歴史館は、東京・本郷にある東京都水道局が運営する無料の施設。江戸時代から現代まで約400年にわたる水道の歴史と、水道技術・設備の展示を行っている。江戸時代の水道管である「木樋(もくひ)」の実物や、実物大の江戸時代の長屋の再現、ジオラマやアニメーションも使った展示のほか、4か国語に対応する音声ガイダンスや長屋エリアで江戸時代当時の様子が体験できるARガイドツアーの無料貸し出し、江戸時代や水道にまつわる図書を扱ったライブラリーなど無料とは思えない充実ぶりだ。調べ学習をする子どもや、水道に興味がある人はもちろん、歴史ファンにもおすすめだ。

1995年(平成7)に東京都水道局本郷庁舎の一角に開館} 1995年(平成7)に東京都水道局本郷庁舎の一角に開館

向かって右にあるのは村山貯水池にある取水塔を実物大で再現したもの} 向かって右にあるのは村山貯水池にある取水塔を実物大で再現したもの

江戸時代に地下水道があった?

まずは2階の江戸上水フロアから見学しよう。江戸時代といえば井戸のイメージがあるが、江戸の街では一部地域をのぞき地下水をそのまま汲みあげていた訳ではない。海が近く地下水に塩水や泥水が混じってしまう場所では、遠くから水を運ぶ必要があったのだ。いくつかの取水先のうち、設置に困難を極めたのが玉川上水だ。その苦労をアニメーションと人形劇で紹介している。こうした上水の整備は、江戸発展の礎になったといえる。また、それぞれの井戸まで水を運ぶための水道管となったのが木樋で、地下に張り巡らされていた。2階フロアでは発掘された木樋の実物を展示。構造や組み方などがよくわかり、当時の技術力の高さに感心させられる。実物大で再現した長屋では、江戸時代の庶民の暮らしや水との関わりを実感できる。

木樋の実物展示。桝や駒の頭(こまのかしら)と呼ばれる継ぎ手を使い、巧みに配水されていた} 木樋の実物展示。桝や駒の頭(こまのかしら)と呼ばれる継ぎ手を使い、巧みに配水されていた

江戸時代の長屋を実物大で再現した展示。狭さに驚くかも} 江戸時代の長屋を実物大で再現した展示。狭さに驚くかも

世界有数のレベルの高さを誇る、東京水道に迫る

1階フロアでは明治時代以降の近代水道の歴史を紹介している。明治時代、コレラの流行とその対策のため水道の整備が進み、従来の井戸は共用栓に変わっていった。ここでは共用栓や消火栓の実物が展示されている。なかには、ロンドンから贈られた牛馬用・犬猫用・人間用の3つの水飲み場が1つになった珍しい馬水槽(レプリカ)も。木製だった水道管は、鋳鉄製へと移行。巨大な鋳鉄管(レプリカ)の展示は大迫力だ。また、3階には水道や江戸時代に関する資料を集めたライブラリーがある。子ども向けイベントや、歴史講座、落語会などを行うレクチャーホールも。歴史館裏にある本郷給水所公苑では、江戸時代に木樋とともに水道の役割を果たした神田上水石樋(かんだじょうすいせきひ)など、貴重な遺跡を見ることができる。世界有数の安全な水道水となった東京の水。そこにいたるには多くの人の努力があったことが展示を通して実感できるだろう。東京の水道水が飲めるウォーターサーバーもあるので、そのおいしさを確かめてみよう。

向かって右端の共用栓は水の出口が竜をかたどっていて、「蛇口」の語源になったともいわれている} 向かって右端の共用栓は水の出口が竜をかたどっていて、「蛇口」の語源になったともいわれている

歴史館に隣接する本郷給水所公苑内の神田上水石樋。神田上水遺跡の一部を移築、復元したもの} 歴史館に隣接する本郷給水所公苑内の神田上水石樋。神田上水遺跡の一部を移築、復元したもの

スポット詳細

住所
東京都文京区本郷2-7-1 map map 地図
電話番号
0358029040
時間
9:30-17:00(入館は16:30まで)
休業日
第4月(祝の場合は翌日)、年末年始(12/28-1/4)
料金
[入館料]無料
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(SUIDOREKISHIKAN)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
備考
※設備改修工事のため2024/4/1(月)から半年の期間休館(休館期間は9月末までを予定)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 興味深く有意義でした!
    4.0 投稿日 : 2022.09.03
    こちらは、東京都水局本郷庁舎の隣にあります。入場は無料で、入り口ではおねーさんが声をかけてくれました。1階・2階のフロアに分けられており、2階は、江戸上水のしくみや昔の生活と水文化を展示していました。1階は、震災や戦争、渇水など様々な困難を乗り越え、規模・水質ともに世界有数のレベルに達した東京水道の歴史や技術を、迫力の実物大模型などがありました。展示内容はいずれも興味深く有意義でした。
  • 無料で見学できます。
    4.0 投稿日 : 2019.12.22
    御茶ノ水駅から歩いて7-8分の所にある水道歴史館。無料で見学ができて,水道の歴史をしっかり知ることができます。是非訪れたい場所です。
  • 水道の歴史
    4.0 投稿日 : 2019.07.13
    東京都水道歴史館は、JR御茶ノ水駅から徒歩8分くらいのところにある博物館です。7月に近辺に行った時に見学しました。江戸時代から現代までの江戸・東京の水道・水の歴史について紹介されています。1Fは現在水道、2Fは江戸時代の上水について資料が展示されています。子供から大人まで楽しめる施設です。入館は無料です。夏休みに親子で見学されては如何でしょうか。

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アクセス

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