回向院

寺院

あらゆる生命を供養する、両国を代表する寺院

隅田川西岸の本所にある回向院は、貴賤の別なく多くの無縁仏や動物を供養してきた寺院。開創以来の歴史を物語る、さまざまな史跡や遺物に囲まれている。見どころ多い境内をひと巡りしてみよう。

赤い山門が目印。左右の仁王像は2019年(令和元)に安置されたもの 赤い山門が目印。左右の仁王像は2019年(令和元)に安置されたもの

大火災の直後に誕生した寺院

ことのほか火災が多く、「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉すら生まれた江戸。なかでも最悪のものが、俗に「振袖火事」と呼ばれる明暦の大火だ。この火事で江戸の6割以上が焼け、10万人以上もの命が失われたという。惨状を目にした将軍徳川家綱は、犠牲者を葬る「万人塚」を設けて大法要を行うよう命じた。その際、念仏を唱えるために建てられたお堂が回向院の始まりという。

中央が3階建ての本堂。右側は念仏堂で、毎月法話会が開催される(飲み物付き、要予約) 中央が3階建ての本堂。右側は念仏堂で、毎月法話会が開催される(飲み物付き、要予約)

両国駅から南に徒歩約4分。国技館通りが京葉道路に突き当たる場所に回向院はある。山門をくぐり参道を進むと、奥まった場所にモダンな本堂が建つ。正式名称は諸宗山無縁寺回向院。「宗派や縁のあるなしに関わらずに一心に供養を行うお寺」という意味を込めて、開山の遵誉(じゅんよ)上人が命名した。のみならず「生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」という理念を、現在まで守り続けている。

江戸時代から伝わる本尊阿弥陀如来

本堂では、入り口ホールの天井を見上げてみよう。見事な龍が描かれており、下で手を叩くと音が響く「鳴き龍」となっている。奥の部屋に安置された本尊は、銅製の阿弥陀如来坐像。深川の有名な鋳物師の作で、慈悲に満ちたふくよかなお顔が印象的だ。

かつては屋外にあったという本尊の阿弥陀如来坐像 かつては屋外にあったという本尊の阿弥陀如来坐像

明暦の大火後に両国橋ができると、両国は江戸有数の繁華街となった。橋の前の広場には出店が並び、回向院にも多くの人が参拝に訪れた。そんななか、庶民の娯楽の場としての傾向が強くなり、境内で「出開帳」が行われるようになる。出開帳とは、寺院の本尊などを別の場所で開帳すること。全国の有名寺院からの仏像見たさに回向院は大いに賑わい、その回数は江戸時代を通じて166回にも及んだという。

大相撲発祥の地

回向院は相撲との関わりが深いことでも知られる。現在は両国国技館で開催される大相撲だが、その起源は回向院にある。境内で初めて勧進相撲が行われたのは、江戸時代後期の1768年(明和5)。勧進相撲とは募金を集めるための相撲興行のことで、江戸時代の相撲はおもにこの形で行われた。天保年間には、回向院は春秋2回の興行の定場所となる。当時の相撲は境内に仮設小屋を建てて開催されており、1909年(明治42)に旧両国国技館が建つまで続いた。

回向院境内での取り組みを描いた歌川国輝の『勧進帳大相撲取組ノ図』 回向院境内での取り組みを描いた歌川国輝の『勧進帳大相撲取組ノ図』

旧両国国技館はドーム型鉄骨の建造物で、明治末から昭和の末にかけて回向院の境内北にあった。当時最大規模の相撲常設館で、1万3000人もの観客を収容できたという。なお、回向院と相撲とのつながりを感じられるものに、境内の「力塚」がある。1936年(昭和11)、相撲協会が歴代年寄を慰霊するために建てたものだ。

力塚。新入り力士がお参りする姿も見かける 力塚。新入り力士がお参りする姿も見かける

さまざまな動物の慰霊塔と鼠小僧の墓

境内にはほかにも見どころが多い。本堂を出ると、白く細長い馬頭観音堂が目に入る。徳川家綱の愛馬が死んだとき、その亡骸を回向院に葬り、馬頭観世音像が安置された。以来、現在にいたるまで諸動物の供養が行われ、境内には犬や猫、オットセイなどの動物の慰霊碑がある。

受験生が合格祈願に訪れるという鼠小僧次郎吉の墓。隣に猫塚がある 受験生が合格祈願に訪れるという鼠小僧次郎吉の墓。隣に猫塚がある

回向院は鼠小僧次郎吉の墓があることでも有名だ。大名屋敷から金を盗んでは町民に施したとされる人物で、処刑後に何者かがその首を、罪人も受け入れていた回向院に持ち込んだという。墓が建てられると、長年捕まらなかったその幸運にあやかろうと、人々が墓石を削ってお守りにするようになった。現在は墓石の前にある御前立ちを削るようになっており、寺務所で専用のお守り袋を入手できる。御利益を求めて参拝してみてはいかがだろう。

本尊阿弥陀如来の御朱印は、夏と冬でスタンプの色が変わる。うしろは国技館通りの力士像 本尊阿弥陀如来の御朱印は、夏と冬でスタンプの色が変わる。うしろは国技館通りの力士像

スポット詳細

住所
東京都墨田区両国2-8-10
電話番号
0336347776
時間
9:00-17:00
休業日
無休
料金
境内自由
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 動物供養
    5.0 投稿日:2021.02.20
    白文鳥の供養をお願いしました。由緒あるお寺ですが動物供養の歴史も長く、丁寧なご案内で飼い主の心も慰められました。
  • 回向院
    3.0 投稿日:2020.04.10
    両国の旧安田庭園を訪ねたついでにと言っては何ですが、お参りさせて頂きました。江戸時代の明暦の大火(振袖火事)の際の無縁仏を弔うために建立され、関東大震災の供養塔もあります。江戸末期から明治にかけては勧進相撲も取り行われていたそうです。お堂そのものは新しく、大きな阿弥陀様が安置されています。また、境内にあるねずみ小僧次郎吉のお墓を削り取って持っているとお金が貯まるそうで、墓石の前に別の石が置かれてい...
  • ありとあらゆる「生命」を供養している、庶民派「回向院」だと思われます。とても興味深かったでした。
    5.0 投稿日:2020.01.03
    ありとあらゆる「生命」を供養している、庶民派「回向院」だと思われます。とても興味深かったでした。「有縁・無縁に関わらず、人・動物に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説くもの」が、この「回向院」の理念らしいです。実際、「回向院」には、水子の霊を供養する「水子塚」、関東大震災で亡くなられた「関東大震災供養塔」、ペット供養する「猫、犬、小鳥、オットセイなどの動物たちの供養塔、供養塚」、江戸時...

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