京王百草園
多くの文人に愛された日本庭園で、四季の草花を愛でる
江戸時代の趣を今に伝える日本庭園
武蔵国府(むさしこくふ)と多摩川の渡しを一望する要衝であったこの地には、平安末期から鎌倉時代にかけて大寺院があったと推定されている。江戸時代になると松連寺(しょうれんじ)が建立され、それにともない庭園が造営された。天保年間(1830~1843年)に作られた『江戸名所図会』に紹介されるなど、当時から人々に知られ、文人や茶人が訪れて句会や茶会を開いたといわれる。しかし明治初期に廃寺となり、地元出身の生糸商人・青木角蔵が土地を買い取り百草園として開園。その後、1957年(昭和32)に京王電鉄株式会社の所有となり、現在にいたっている。
撮影スポットとしても人気の花の名所
正門から石段を上ると、茅葺き屋根の古民家「松連庵(しょうれんあん)」がある。その前に立っているのが、樹齢300年以上ともいわれる、園内の梅のなかでもひときわ見事な「寿昌梅」だ。江戸時代の享保年間(1716~36年)、松連寺を建立した小田原城主大久保候の室であった寿昌院慈岳元長尼が、徳川家康の長男信康追悼のため、みずから植樹したと伝えられる。
季節ごとに花々が咲き乱れ、多彩な表情を見せる百草園は、撮影スポットとして写真愛好家にも人気がある。初春はロウバイや梅、福寿草、初夏はツツジ、フジ、シャクナゲやアジサイ、夏はスイレンやサルスベリ、ハギやキンモクセイ、冬はサザンカや日本水仙など、花の種類は30以上にも及ぶ。特に梅は約50種500本が植えられ、園の華やかさが最高潮に達する2月から3月にかけて「梅まつり」が開催される。
季節の花々を探しながら園内を散策する
散策路に沿って、園内を一周してみよう。「松連庵」に向かって左側へ進むと「三檪庵(さんれきあん)」がある。秋田杉をふんだんに使った茶室や竹垣が、カエデや竹など周囲の木々と調和している。「心字池」を渡ったら、松尾芭蕉句碑の脇から上り道へ。いただきには見晴台があり、天候に恵まれれば富士山からスカイツリーまで望むことができる。また野鳥も多く、ウグイスやホトトギスをはじめ、美しい鳴き声が心を癒やしてくれるだろう。
明治から大正にかけて百草園には、徳冨蘆花(とくとみろか)、田山花袋(たやまかたい)、若山牧水(わかやまぼくすい)などの小説家や歌人たちも多く訪れた。特に、自然を愛し旅に生きた歌人若山牧水は、学生だった1907年(明治40)前後に何度かこの地の茶屋に滞在し、武蔵野の自然を歌に詠んだ。1908年(明治41)年には恋人を連れて泊まったが悲恋に終わり、翌年ひとりで百草園を訪れた牧水は静かに思いにふけり歌集『独り歌へる』を作ったという。園内には牧水の長男、若山旅人が設計した歌碑が立っている。
スポット詳細
- 住所
- 東京都日野市百草560 地図
- エリア
- 多摩南部エリア
- 電話番号
- 0425913478
- 時間
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9:00-17:00
[11月・12月]9:00-16:30 - 休業日
- 水(祝の場合は翌日)、年末年始(12/30-1/3)
- 料金
- [入園料]大人300円、小人100円
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 日本庭園
- 四季折々の風景を楽しめます。園内にベンチが多くありますので、お気に入りの場所でお弁当(持ち込み可)を食べられます。もみじ祭り期間中の紅葉は、太陽の光にかざされきれいでした。また、多摩丘陵にあるため、展望がききます。場所は京王線の百草駅から15分くらい、急な坂道を上ったところです。
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- 事前に交通機関の時刻表チェックは必須
- 午後になって急に思い立ち、電車の時間なども調べず家を出たので、着いたのは閉園30分前でした。急な坂を上ってきた疲れもあり、ベンチに腰掛けてぼーっと過ごし、園内はほとんど回れなかったので残念でした。晴れた昼間だったら、筑波山まで見えるのだそうです。まだ紅葉の時期にも早くて、返す返すも残念な一日でした。(園のせいでなく、単なる自業自得です)
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- 梅園
- 京王電鉄百草園駅から徒歩15分です。入口に着く直前に手すりが設置されているくらいの急な坂を上ります。園内も石段や坂があるので足が悪い方は辛いかも。梅が有名ということで行きましたが、まさにその通りです。ピンクの梅は燃えるように、白い梅は雪のように咲き誇っていました。梅の木1つ1つの近くに行って見上げるよりは、心字池周辺、松連庵周辺、松連庵前の階段から入口方面を見下ろす地点、見晴台で梅の木全...
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