都城島津邸

資料/郷土/展示/文学館

島津発祥の地・都城の歴史と昭和天皇のご足跡に触れる

14世紀の中頃に島津本家から分家して誕生し、約660年の歴史をもつ都城島津家。明治以降にその住まいとなった本宅に昭和天皇ご宿泊の様子が再現され、また伝承館では貴重な歴史資料の数々を見学できる。

国登録有形文化財となっている本宅。玄関に都城島津家の家紋が飾られている} 国登録有形文化財となっている本宅。玄関に都城島津家の家紋が飾られている

平安時代から続く「島津」の歴史をたどる

宮崎県の南西端に位置し、鹿児島県と接する都城市。JR都城駅から車で7分ほど、市街地の中心部近くに都城島津邸はある。「島津」というと鹿児島をイメージするが、ここ都城は「島津発祥の地」といわれている。歴史をひもとくと、平安時代、この地には島津荘(しまづのしょう)と呼ばれる国内最大級の荘園がおかれていた。鎌倉時代に入ると、源頼朝の命を受けた武将・惟宗忠久(これむねただひさ)が荘園の地頭(管理人)となり、島津忠久と名乗るようになった。忠久は、のちに南九州の覇者・島津氏の祖となる人物で、そのため「島津」の歴史は都城から始まったとされる。その後、島津氏は鹿児島の出水に拠点を移すが、分家の北郷(ほんごう)氏がこの地を支配。江戸時代になると、北郷家は本家の命により島津姓に復し、約4万石という大名並みの国力で都城領内を治め多くの功績を残した。

庭に立つ大きなクスノキは、28代当主久厚氏が結婚記念に植樹したもの} 庭に立つ大きなクスノキは、28代当主久厚氏が結婚記念に植樹したもの

昭和天皇のご足跡が今なお残された本宅

幕末まで都城の領主であった都城島津家。その明治以降の邸宅が、この都城島津邸だ。約16500平方メートル(約5000坪)の敷地の中央に立つ本宅は、1879年(明治12)に建てられ、1935年(昭和10)の陸軍大演習の際に宮家のご宿泊所として使われたのを機に大改築された。さらに1973年(昭和48)には全国植樹祭に来県された昭和天皇皇后両陛下のご宿泊所となり、その前年に改築が行われ現在の形となった。本宅では両陛下が滞在された当時の様子が再現されており、また都城島津家の暮らしぶりもしのぶことができる。

両陛下がお泊まりになった寝室。ベッドなど家具は当時のまま保存されている} 両陛下がお泊まりになった寝室。ベッドなど家具は当時のまま保存されている

玄関を上がってまず目に入るのが、郷土出身の画家・山内多門によるついたて『富嶽遠望』(複製)。正月などの祝事の際に飾られたもので、両陛下がご宿泊されたときもここに置かれていたそうだ。奥へ進むと、両陛下がお食事をとられた部屋があり、テーブルの上には夕食の献立が料理のレプリカで再現されている。また両陛下がご使用になられた寝室や浴室、家具なども保存されており、当時の様子が目に浮かぶようだ。離れの建物は、28代当主島津久厚氏の母、恭子氏の帰郷にともない1953年(昭和28)に増築されたもの。和室にしつらえられたかわいらしい欄間などに、久厚氏の母に対する心遣いが感じられる。

夕食には島津家の血を引く香淳(こうじゅん)皇后のために薩摩の郷土料理も} 夕食には島津家の血を引く香淳(こうじゅん)皇后のために薩摩の郷土料理も

恭子氏が使用していた和室の欄間は、都城出身の画家・大野重幸がデザイン} 恭子氏が使用していた和室の欄間は、都城出身の画家・大野重幸がデザイン

伝承館をはじめ見どころが満載の邸内

都城島津邸では、本宅のほか御門、外蔵、石蔵、剣道場が国登録有形文化財となっている。御門を入ってすぐ右側にある建物は、古文書や武具、絵図など、都城島津家から寄贈されたもののほか、2万点を超える史料を収蔵展示する「都城島津伝承館」。約3か月ごとに展示品の入れ替えがあり、さまざまなテーマで企画展を開催している。また庭の北側には、剣道場と石蔵が並んで建っている。剣道場は1867年(慶応3)の建造といわれ、床が低く、釘が上から打たれていないのが特徴。また石蔵はカフェとして利用されており、新鮮な野菜をたっぷり使ったランチやこだわりのスイーツを楽しむことができる。より詳しく見学したい人や時間に余裕のある人は、ボランティアスタッフによる無料ガイドをお願いするのもおすすめ。都城の歴史や文化についての解説を交えながら、本邸と伝承館などをおもしろ楽しく案内してくれる(所要60~90分程度、原則予約制)。

都城島津家660年の歴史を伝える貴重な史料を収蔵展示する「都城島津伝承館」} 都城島津家660年の歴史を伝える貴重な史料を収蔵展示する「都城島津伝承館」

石蔵を利用した「Cafe MIYABI」。本宅と都城島津伝承館以外は無料で見学できる} 石蔵を利用した「Cafe MIYABI」。本宅と都城島津伝承館以外は無料で見学できる

スポット詳細

住所
宮崎県都城市早鈴町18-5 map map 地図
エリア
都城エリア
電話番号
0986232116
時間
9:00-17:00(最終入館は16:30まで)
休業日
月(祝の場合はその翌日)、年末年始
料金
[都城島津伝承館]一般220円、高校生・大学生160円、小・中学生110円
[団体料金(20人以上)]一般160円、高校生・大学生110円、小・中学生50円
[都城島津邸(本宅)]小学生以上110円
駐車場
あり(45台、障がい者用3台、大型バス5台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay、楽天ペイ、d払い、auPAY、Famipay、Unionpay)
Wi-Fi
あり(みやざきFREE Wi-Fi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(本宅の入場は不可)
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい
備考
※都城島津伝承館は、特別展及び企画展開催期間中、観覧料が変更になります。

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 落ち着いた武家屋敷と茶店
    5.0 投稿日 : 2021.03.26
    島津藩の歴史や様々な武器、文書が展示してあり、武家屋敷の中を興味深く見学しました。茶店も併設されていてゆっくり喫食できました
  • 昭和天皇もお泊まりになった!
    3.0 投稿日 : 2020.03.30
    島津氏といえば鹿児島のイメージですが、宮崎県都城もゆかりの地だそうです。なぜかというと、鹿児島にあった島津家が、都城に移ったからです。邸宅敷地内には、伝承館という博物館のような建物や、カフェもあります。
  • ランチおすすめです
    4.0 投稿日 : 2019.06.30
    敷地内のCafé MIYABI 都城島津邸店のランチを利用しました。石蔵カフェで雰囲気も良くゆっくりできます。1500円のランチを頂きました。野菜多め女性好みのランチ。おすすめです。

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アクセス

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