大瀬埼灯台
断崖絶壁に立つ白亜の灯台と東シナ海の絶景
絶景ドライブを楽しみながら灯台を望む展望台へ
福江島南西部の玉之浦(たまのうら)地区に位置する大瀬崎へは、福江港から車で1時間半ほど。途中の県道50号線からは、リアス式海岸と玉之浦湾の美しい風景が広がる。井持浦(いもちうら)教会を過ぎて1kmほどで、県道50号線から分岐する山道へ。曲がりくねった坂道を上って行くと、左手にウッドデッキを備えた「大瀬埼灯台展望台」が見えてくる。ここからの眺めは、五島を紹介する雑誌やポスターなどでもおなじみの、福江島を代表する風景のひとつ。東シナ海の荒波に削られた岬の先端に、真っ白な灯台がぽつんと立っている。海に突き出た断崖絶壁の高さは100mから150mほど。断崖の岩肌には、横方向に縞模様が見える。これは「五島層群」と呼ばれる地層の模様で、約2200~1700万年前に日本列島がユーラシア大陸から離れるときに大地が割れ、そのくぼみが湖や川となり砂や泥がたまって岩石になったものだ。
太平洋戦争の慰霊碑と「祈りの女神像」が立つ展望所
「大瀬埼灯台展望台」で引き返してしまう人も多いが、さらにその先へと進んでみよう。大瀬山の山頂付近にある駐車場に車を停めたら、5分ほど歩いて「祈りの女神像」が立つ展望所へ。息を弾ませながら山の頂に上ると、待っているのは360度の絶景。西側を見れば、断崖の上に立つ灯台と、水平線まで続く大海原。振り返ると、幾重にも入り組んだ緑の岬と青い湾とのコントラストが美しい。海を見下ろすようにして立つ「祈りの女神像」は、長崎平和祈念像の作者として知られる長崎県出身の彫刻家、北村西望(きたむらせいぼう)の作品。太平洋戦争中に大瀬崎を日本の見納めとして船で南方へ出征し、再び祖国の地を踏むことが叶わなかった多くの将兵たちの霊をなぐさめるため、1978年(昭和53)に建立された。この場所に立って遙か東シナ海を望めば、最果ての地にやってきたという感動が湧き上がってくるだろう。
映画『悪人』のラストシーンの舞台にもなった灯台
1879年(明治12)に初点灯した大瀬埼灯台は、1971年(昭和46)に現在の白い円塔に改築され、現在も近海を航行する船の道しるべとなっている。灯台へは遊歩道が整備されており、駐車場から1時間ほどで往復できる。9~10月には遊歩道にキキョウ科のシマシャジンが釣り鐘形の小さな紫色の花を咲かせる。世界でも五島市と平戸市、韓国の済州島でしか見られないとされ、環境省の絶滅危惧種に指定されている珍しい花だ。また秋には渡り鳥のハチクマがここから中国大陸に向けて飛び立つ。地の果てに立つ灯台は、2010年(平成22)公開の日本映画『悪人』の舞台となったことでも知られている。
五島列島の最西端に位置する大瀬崎は、「九州で最後に夕日が沈むところ」として知られる。展望台から望む断崖絶壁と灯台、東シナ海に沈む太陽、空から海まで一面がオレンジ色に染まるサンセットの風景は、言葉にできないほどの美しさ。12月31日にはその年の最後の夕日を見る「夕陽鑑賞会」が開催され、年越しそばが振る舞われる。
スポット詳細
- 住所
- 長崎県五島市玉之浦町玉之浦 地図
- エリア
- 五島列島エリア
- 電話番号
- 0959872216
- 時間
- 24時間
- 休業日
- なし
- 駐車場
- あり(普通車15台、大型バス可)
- クレジットカード
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン