対馬野生生物保護センター
希少な野生動物ツシマヤマネコの凛々しい姿と感激の対面
4代目の「かなた」君と対面
池の水をなめると、庭を悠々と歩き、奥の棚に飛び乗る。そんな動きを繰り返している「かなた」君を見て、「今日は珍しいですね」と係員の方がほほ笑んだ。ネコは夜行性なので、昼間はじっと動かないことがほとんどだという。「かなた」君は福岡市動物園で生まれたツシマヤマネコ。2019年(令和元)11月から対馬野生生物保護センターで一般公開されている。1997年(平成9)にオープンした同センターでは、2003年(平成15)からツシマヤマネコの一般公開を開始している。実際にツシマヤマネコの姿を見て、よりその存在を身近に感じ、さまざまな問題に関心をもってもらうために始められた。「かなた」君は公開されたツシマヤマネコの4代目だ。センターの奥にある部屋で、人数が制限されながらの見学となる。フラッシュをたかないなどいくつかのマナーを守りながら、今では希少となったツシマヤマネコの姿を観察したい。
現在の生息数は100頭ほど
ツシマヤマネコは対馬だけに生息する野生のネコ。約10万年前に、当時陸続きだった大陸から渡ってきたと考えられている。イエネコに比べると、胴長短足で尾は太くて長く、耳の先が丸くて額に縦縞が入っている。ヤマネコのいちばんの特徴は、耳のうしろに白い斑点があることだという。1960年代には、対馬には300頭ほどのツシマヤマネコが生息していたが、その数は徐々に減少し、現在では100頭ほどと推定されている。生息地である森林の減少や交通事故などが数が減ってきた原因だと考えられている。1971年(昭和46)、ツシマヤマネコは国の天然記念物に指定され、1994年(平成6)には、絶滅のおそれのある種として、種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定された。
保護活動についての展示も
対馬野生生物保護センター内では、ツシマヤマネコの生態などについても詳しく展示されている。目撃情報もあり、生息地域はほぼ対馬北部の上島に限られているものと考えられていたが、最近は南の下島でも発見されているという。数は減少しているが、エサを求めて行動範囲が広がっているのだろうか。対馬ではツシマヤマネコの保護活動に市民も参加して熱心に取り組んでいる。森林環境の改善など生息環境などのほか、イエネコの適正飼育の推進も行われている。イエネコ由来の感染症もツシマヤマネコの減少の一因と考えられているためだ。また、生物多様性保全の推進に関する基本協定に基づき、全国9つの動物園で飼育下繁殖事業にも取り組んでいる。「かなた」君もこの事業のもとで生まれたツシマヤマネコだ。対馬の固有種についてもさまざまな展示がされている。生物多様性という言葉はよく耳にするが、同センターではそのことをしっかり考えることができる。
スポット詳細
- 住所
- 長崎県対馬市上県町佐護西里2956-5 地図
- エリア
- 壱岐・対馬エリア
- 電話番号
- 0920845577
- 時間
- 10:00-16:30(最終入館16:00)
- 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、年末年始
- 料金
- [入場料]無料
- 駐車場
- あり(25台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 環境保護の必要性を再認識できる
- 絶滅危惧種の野生ネコとしてイリオモテヤマネコと共に貴重なツシマヤマネコを保護する施設で、「かなた君」と云うツシマヤマネコの生態を見学できます。朝一番で訪れたので、活発に動き回る姿を見ることができました。(午後は寝ていることが多いそうです。)。丸く小さめで白斑のある耳や額の縞、柔和な顔がなんとも愛らしく、残された100頭足らずを残し増やしていく人間の責任を感じました。
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- ヤマネコは死亡してしまいましたが
- 保護していたヤマネコは死亡してしまいましたが、展示があるので、ヤマネコの生態や状態を勉強できます。車で行くには、細めの道を結構行くので、頑張って下さい。
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- ★台風の影響で休業してました。
- 対馬に大雨が降った台風の2日後に訪れました。分岐の道路の入り口に休業の紙が貼られいました。大雨のため、崖崩れがおきたと後でわかりました。どれくらいで復旧できるのでしょうか。行けずに残念でしたが、ツシマヤマネコの保護を願ってなりません。
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