黒木の大藤

その他の花の名所

600年の時を超え圧巻の花景色を見せる国天然記念物

樹齢が600年を超え、国の天然記念物に指定されている黒木の大藤。4月中旬から下旬にかけて神社を抱くように薄紫の藤の花が咲き競い、見事な光景を見せる。

豊かな香りを漂わせる九州屈指の大きさを誇る藤} 豊かな香りを漂わせる九州屈指の大きさを誇る藤

2度の災禍を生き延び今も壮観な姿を見せる

福岡県筑後地方の南東部に位置する八女市黒木町は、中世に築かれた城下を起源とする。江戸時代、久留米藩が治めるようになり、1714年(正徳4)に黒木廻水路が整備され、現在の水路網と町並みの原型がつくられた。久留米と豊後を結ぶ旧往還道(旧豊後別路)沿いに「居蔵(いぐら)づくり」と呼ばれる漆喰壁瓦葺きの町家が建ち並び風情ある景観をつくっており、2009年(平成21)、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

枝は四方に広がり素盞嗚神社の鳥居も藤棚の下に} 枝は四方に広がり素盞嗚神社の鳥居も藤棚の下に

黒木の大藤があるのは、保存地区の東部に鎮座する素盞嗚(すさのお)神社境内だ。藤は14世紀の南北朝時代、南朝の皇族だった良成親王(りょうせいしんのう)が植えたと伝えられている。そののち、1584年(天正12)の戦火で焼損し、さらに1821年(文政4)には黒木大火に遭うなど災いに見舞われたが、地元の手厚い保護のおかげもありたくましく生き続け、1928年(昭和3年)、国の天然記念物に指定されている。

素盞嗚神社拝殿。境内には淡嶋神社、恵比寿神社も鎮座} 素盞嗚神社拝殿。境内には淡嶋神社、恵比寿神社も鎮座

神社前の国道上にも藤棚が広がっている} 神社前の国道上にも藤棚が広がっている

神社前の国道まで広がる3000平方メートルもの藤棚

社殿に向かって左手にある株を見てみよう。すると、根元付近からたくましく根あがりしている姿がわかる。幹は2本の太い枝に分かれて横に広がり、無数の枝を伸ばしている。ほかにも支枝があって複雑にからみ合っており、藤を支える棚は神社前の国道にも広がり、その面積は3000平方メートルにも及ぶ。

太い幹から枝が無数に伸び、生命力の強さに感動を覚える} 太い幹から枝が無数に伸び、生命力の強さに感動を覚える

そこが4月中旬から下旬にかけて、あでやかな紫色の花で一面に彩られるから壮観だ。花房は長いもので1.7mほど垂れ、特に、そばを流れる矢部川(やべがわ)から吹き上がる川風に揺られる様は幻想的だ。そのなかをそぞろ歩くと藤の放つ香りに包まれて、異空を彷徨(さまよ)っているような心地になるだろう。

藤棚の下を歩くと豊かな香りにも癒やされる} 藤棚の下を歩くと豊かな香りにも癒やされる

実は黒木まで旧国鉄が走っていた歴史が

神社から歩いて6分ほどのところに黒木体育センターがあり、見学者はここの広い駐車場を利用できるが、ここは旧・国鉄黒木駅跡で、駅ホームが再現されC11型蒸気機関車が静態保存されている。戦後、鹿児島本線羽犬塚駅と黒木駅間に矢部線が通され、黒木駅の先にある矢部村、さらに大分県の小国まで鉄道を通す計画があったが実現せず、建設は黒木駅止まりとなった。矢部線自体も1985年(昭和60)廃線になっている。大藤の見学のみならず、そういった歴史を知るのも楽しい。

塗り直され手入れの行き届いたC11型蒸気機関車。左手のホームに駅名標も見える} 塗り直され手入れの行き届いたC11型蒸気機関車。左手のホームに駅名標も見える

近くには江戸時代に造られた水路があり、鯉が放流されている。1916年(大正5)創業の酒造場もあるので立ち寄ってみよう。

酒造場脇を流れる水路。清らかな水の中を大型の鯉が元気に泳ぐ} 酒造場脇を流れる水路。清らかな水の中を大型の鯉が元気に泳ぐ

スポット詳細

住所
福岡県八女市黒木町黒木5-2 map map 地図
電話番号
0943421112
休業日
期間中無休
料金
[見学料]無料
駐車場
あり(300台)
クレジットカード
不可
Wi-Fi
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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最寄り

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