千如寺大悲王院
自然の美しさに心洗われる名刹
感動的な樹齢400年の「大楓(かえで)」
糸島市の南部、標高955mの雷山(らいざん)の中腹にある古寺(紅葉シーズンに限り見学には入山料100円が必要)。境内は山の斜面に広がり、仁王門や書院、本堂、御本尊の木造十一面千手千眼観音を祀る観音堂、江戸時代に建立された聖天堂、開山堂などがある。紅葉の名所として知られ、なかでも山門を入ってすぐのところにある樹齢約400年の「大楓」は圧巻だ。福岡県の天然記念物に指定されており、最盛期ともなれば左右に大きく張り出した枝が真っ赤に燃え、砂紋の施された枯山水の地面に散る葉も赤い絨毯を敷き詰めたように映る。「大楓」は書院の座敷からも望め、その光景はまるで一枚の絵のような美しさを見せる。書院の後方には、樹齢約600年の柏槙(びゃくしん)の木のある心字池庭園が広がり、さまざまに色づいた山の木々と調和した姿に心が落ち着く。
豊臣秀吉ら戦国武将も崇敬
寺伝によると178年(成務天皇48)、インドから渡来した僧、清賀上人(せいがしょうにん)が開創した。奈良時代になると聖武天皇の勅願道場として七堂伽藍(しちどうがらん)が建立され、鎌倉時代の元寇の際には幕府の祈祷寺院として重要な役割を果たした。最盛時には雷山山中に300もの僧坊が造られ、豊臣秀吉ら名だたる戦国武将が崇敬したという。1753年(宝暦3)、福岡藩主・黒田継高(つぐたか)によって現在の大悲王院が建立され、雷山千如寺大悲王院と名付けられた。「開運厄除」「安産・子育て」の祈願所として、また、「悪を転じて善と化す、邪を転じて正と化す、愚を転じて賢となす……」と説かれた、10の転化の功徳がある「サムハラ(お守り)」の授け所にもなっている。
間近に拝める御本尊、十一面千手千眼観音像
観音堂では僧侶から寺の歴史や開祖の説明を聞くことができ、御本尊である木造十一面千手千眼観音像も間近に拝観できる。高さ463.6cmの観音像は鎌倉時代の作と伝わる国の重要文化財で、その大きさもさることながら、柔和なお顔や優美な全体像に癒やされる。観音像背後には福岡県指定文化財の「木造多目天像」「木造持国天像」や二十八部衆と呼ばれる仏像も安置されこちらも見ごたえがある。1990年(平成2)に再建された開山堂(かいざんどう)は大分県国東市にある国宝・富貴寺大堂の様式を参考に再建された杉造りのお堂で、寺の開祖・木造清賀上人坐像を安置。壁面や柱、天井には豊かな色彩で四季の花々や仏の姿が描かれており、華やかな世界が広がっている。貴重な文化財に出会え、四季折々の美しさを見せる雷山千如寺大悲王院。紅葉の時期のみならず訪れたい名刹である。
スポット詳細
- 住所
- 福岡県糸島市雷山626 地図
- エリア
- 福岡市北西部・糸島エリア
- 電話番号
- 0923233547
- 時間
- 9:00-16:30
- 料金
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[拝観料]400円
[入山料(11月のみ)]100円
※中学生以下無料 - 駐車場
- あり(120台)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 拝観料400円のみで有難く思える
- 新緑の庭園「心字庭園」と「雷山観音」と呼ばれる「十一面千手千眼観世音菩薩」拝観へ糸島市・雷山の麓にある真言宗大覚寺派別格本山の寺院・雷山千如寺へ。雷山千如寺は雷山の麓にある為かなり登って行く事になります。標高は342.7mで冬になると積雪で一帯は雪で真っ白になる時があります。コロナウイルスの影響であまり参拝客は居ないだろうと思っていたら意外と参拝客で賑わっている。駐車場にはかなりの車が停まっていま...
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- 紅葉が
- 紅葉を見に行きました。少し散ってましたので1週間ぐらい遅かったので11月上旬が良いと思います。土曜日で駐車場が混雑しており麓から1時間ぐらいかかりました。手前にも駐車場がありますが結構歩きますので足に不安がある場合は第一駐車場が良いと思います。
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- パワーをいただきました
- 紅葉のシーズンはたくさんの人が訪れると聞いた。今回はまだまだ紅葉には早い時期なのでいたって静か。だがその静かな感じがゆっくり見られてよかった。寺の中に入り、廊下、階段をゆっくり進み、五百羅漢も見てと全体を落ち着いてみられた。そのあとに観音様の御開帳と進む。こんなまじかで見られ、感激感激。寺内を見た後、周りを散策。静けさの中で何かパワーをいただけた感じがした。
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