絵金蔵
暗闇に浮かび上がるおどろおどろしい幽玄の世界
地元の人々に愛される異端の町絵師
絵師・金蔵から「絵金」という呼び名で親しまれた弘瀬金蔵。幼い頃から画才のあった金蔵は、18歳で江戸に出て狩野派を学び、弱冠21歳で土佐藩家老の御用絵師に抜擢される。しかし狩野探幽贋作事件に巻き込まれ33歳で城下追放となり、その後、赤岡町にいたおばの元に身を寄せ、酒蔵をアトリエにして町絵師として絵を描いた。2つ折りの大きな屏風に芝居絵を描いた「芝居絵屏風」は絶大な人気を博し、土佐の祭礼を彩る独特の文化を生み出した。みずから調合した絵の具の極彩色、ダイナミックな構図、異なる場面を1枚の絵で表す「異時同図法」と呼ばれる構成、登場人物たちの鬼気迫る表情など、迫力のある斬新な画風の芝居絵屏風は熱狂的な支持を集め、「絵金派」の弟子たちに受け継がれ高知県各地で流行した。160年を経た今でも地元の人々には「絵金さん」の愛称で親しまれており、赤岡町に伝わる芝居絵屏風23点は、2009年(平成21)に高知県保護有形文化財に指定され、絵金蔵で大切に保存されている。
提灯を持って鑑賞する展示室
高知市内から車で約40分、土佐湾に面した香南市赤岡町は、かつては高知県東部の商都として栄えた宿場町。絵金が暮らしていたことで、芝居絵屏風の代表的なものが数多く残されており、絵金蔵では、各家で保管されていた屏風を集めて収蔵、レプリカと2点の本物を常時展示している。提灯を手に暗い展示室に入ると、蝋燭風の灯に照らされた血しぶきの飛び散るおどろおどろしい絵が浮かび上がり、その大きさと鮮烈な色彩に圧倒される。絵金の生涯や制作風景などがわかる展示もあり、ハンドルを回したり、壁の穴をのぞいたり、趣向を凝らした仕掛けも楽しめる。
年に2回の屋外鑑賞
赤岡町では年に2度、屋外で蝋燭を灯して芝居絵屏風を飾るお祭りがある。ひとつは毎年7月14、15日に行われる須留田(するだ)八幡宮神祭の宵宮(よいみや)で、神社から約1.5km離れた商店街の氏子たちの家の軒先に、ロウソクの明かりに照らされた芝居絵屏風が点々と飾られる。この日は街路灯も消され、軒下に吊るされた提灯とロウソクの灯りだけで絵を鑑賞するおごそかで静かな祭りだ。7月の第3土・日曜の夜に行われる「土佐赤岡絵金祭り」は、1977年(昭和52)に地域おこしとして始められた賑やかなお祭りで、芝居絵屏風がロウソクの明かりで展示されるほか、子どもから大人まで楽しめるイベントも盛りだくさん。絵金蔵の向かいにある「弁天座」で地元有志による土佐絵金歌舞伎伝承会による歌舞伎公演も行われる。
スポット詳細
- 住所
- 高知県香南市赤岡町538 地図
- エリア
- 香美・香南エリア
- 電話番号
- 0887577117
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 月(祝の場合は翌平日)、年末年始
- 料金
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[入館料]大人520円、高校生300円、小・中学生150円
※15名様以上の団体は通常料金より50円引き - 駐車場
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あり
※香南市商工会駐車場をご利用ください(バス2台・一般車10台)
※絵金蔵敷地内に障がい者用駐車場あり - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay、LINE Pay)
- Wi-Fi
- あり(EkinFree)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可(屋外)
- 英語メニュー
- あり(施設パンフレット/英語・繁体字・簡体字・韓国語)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分(15分間の開設映像あり※多言語化済み)
- 車椅子での入店
- 可(家庭用サイズのエレベーターもあり)
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 土佐の田舎の“国宝もの”、たしかに“恐ろしく美しい”。
- 期待通りの屛風絵です。本物は覗き見で見ること可能な2点だが、複製展示の絵も迫力満点、たしかに“恐ろしく美しい”。2020の絵金祭りは中止と聞きましたが、次回の祭りが楽しみです。
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- おどろおどろしい絵金の絵が展示されている
- 歩いて行くと、絵金蔵(えきんぐら)に到着だ。おどろおどろしい絵金の絵が展示されている。 その向かいが弁天座(べんてんざ)こちらは新型コロナウイルスのせいで閉館中。 庄屋の屋敷跡だ。
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- 赤岡町民
- 赤岡生まれなので子供の時から絵金はよく見ていましたが、改めて説明歴史など詳しく紹介されていて勉強になりました。見せ方も工夫されてますが、興味のあるなしで評価が別れるかも。残念なのはバリアフリーでないところ。赤岡町民の親が足が悪いからいかれないと言ってました。
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