日光市霧降高原キスゲ平園地

季節の草花が彩る雄大な草原から絶景を堪能！

赤薙山(あかなぎさん)中腹、標高1300-1600mの高地に広がるキスゲ平。100種以上の草花が咲き誇るなか、初夏に咲くニッコウキスゲの群落は特に見ごたえがある。天空回廊という階段や遊歩道からは関東平野を一望する大パノラマを楽しめる。歩きやすい格好で向かおう。

天空回廊の展望台。運が良ければ富士山が見えることも

高山の草原に群生する黄色の花、ニッコウキスゲ。全国で見られる花であるが、日光にたくさん自生していたことからこの名がついた。一つひとつの花は咲いた翌日にはしぼんでしまうが、一日にひとつずつ次々に花を咲かせることで、昆虫が花粉を運び、実を結ぶ。その実が芽を出して数を増やしていき、草原一面に広がっていくのだそう。見頃は6月下旬-7月中旬。低い位置から次第に高い場所へと咲いていく。
ニッコウキスゲだけでなく、そのほかの季節でもさまざまな植物を観察できるキスゲ平。春のシンボルであるアカヤシオにシロヤシオ、トウゴクミツバツツジ、サラサドウダン、コメツツジにホツツジなど、4月から8月にかけては「ツツジのリレー」といえるほど多くのツツジが咲き誇る。1445段の階段が整備された天空回廊や遊歩道を歩きながら、のんびり植物観察を楽しめる。

朝に咲いて夕方にしぼむ一日花

キスゲ平からは、運が良ければ雲海を見られることもある。空気が澄んでいれば東京スカイツリーや富士山までをも遠望する。「天空の草原」と呼ぶにふさわしい場所だ。日光市街からここまでは車でおよそ30分。周辺にはリゾート牧場の「大笹牧場」やレジャースポットの「チロリン村」、日光三名瀑に数えられる「霧降ノ滝」といった見どころも。時間に余裕をもって絶景の高原ドライブを満喫しよう。霧降高原というその名のとおり、濃霧が広がることも多いので、車の運転は十分に気をつけて。防寒も忘れずに！

気象条件によってはこのように神秘的な光景を見られることもある

キスゲ平園地の入り口前に建つ「霧降高原レストハウス」には、自然情報の展示スペースや売店があり、休憩に最適。2階では「日光霧降珈琲」というレストランを営んでおり、霧降高原牛を使用した「とちぎ霧降高原牛カレー(1000円)」や温かいそば、うどんなどを提供している。レストハウスの食事処だろうと侮ってはいけない。コーヒーにもしっかりこだわっており、日光を中心に栃木県内に数店舗を構える名店「日光珈琲」からオリジナルのブレンドを仕入れているのだ。鮮度を損なわぬよう、豆はオーダー後に挽き、フレンチプレスで抽出。香り豊かでほどよい苦味を残した上品な味わいのコーヒーは、身も心もほっとさせてくれる。ほかにはスタッフ手作りのシフォンケーキや和スイーツなども。営業は10:00-16:30(12-3月は16:00)、ラストオーダーは食事が閉館1時間前、ドリンクやケーキ類は閉館30分前。年末年始以外は無休。高原ドライブのリスタートに向けて元気になるひとときを。

1階展示スペースでは常駐スタッフから自然情報を得られる