三原山
約1700年前の噴火が今の姿を形成、ダイナミックな島のシンボル
山頂まで約40分の気軽さと絶景が見どころ
まずは山を一望する見晴台へ。そこから山頂まで舗装された道を使い大人の足で約40分、山頂からグルリとお鉢巡りをすると一周約50分見当。登山初級者、子どもでも山頂を極められる気軽さとダイナミックな中央火口や、伊豆諸島の眺望が魅力だ。春にはオオシマザクラ、オオシマツツジ、梅雨明けから夏にはヤマユリを母種とした伊豆諸島固有の花、サクユリがカルデラ内を中心に咲き出す。秋にはススキが山肌を埋めるように広がり、これも見事だ。見晴台まではレンタカー、公共バス(運行時間は日、季節により異なる)で行くことができ、三原山に加え、晴れていれば富士山、伊豆半島を望む絶景スポットとしても知られる。
大迫力の姿は「安永の大噴火」で出現
所どころ山肌から噴気を上げる様子は、伊豆大島が活火山であることを認識させる三原山。現在、見ることのできる三原山の原型は今から約250年前、1777-1778年に起きた「安永の大噴火」によるもの。山頂はカルデラと呼ばれる割れ目噴火でマグマが噴き出したことで地表が陥没したくぼ地状になっていて、直径約4-4.5km。山頂のふちを一周するお鉢巡りでは深さ200mの中央火口をのぞくことができる。1986年(昭和61)に中規模噴火が発生し、565年ぶりに中央火口と別の場所で割れ目噴火が発生、全島民が島外避難したことは記憶に新しい。粘り気の弱い溶岩が冷えてできた「パホイホイ溶岩」や、マグマのしぶきでできた巨岩など激しい噴火の形跡を見ることができる。
多彩なルートでジオサイトを体感
三原山の楽しみ方は多彩だ。山頂を目指すルートも見晴台からアプローチする最も手軽なコースに加え、大島温泉ホテル横からアプローチし、「こもれびトンネル」「いつか森になる道」「ジオロックガーデン」と噴火後の自然環境が再生される様子を歩いて楽しむことができるルート、最も長距離で健脚向きのテキサスコースと体力、興味にあわせて選ぶことが可能。また、2010年(平成22)に日本ジオパークに認定されたことで伊豆大島ではジオガイドの育成に積極的に取り組み、現在は公式ジオガイドがジオツアーのガイドを行っている(詳細は観光協会へ)。単純に歩くだけでもいいが、地形、土壌、植生、生息する動物などについて感じた不思議や驚きを一緒に楽しくひも解いていくジオガイド同行のツアーは三原山をより楽しめる貴重なネイチャー体験。また、隠れた人気体験が星空観察ツアー。ジオガイドとともに夜の裏砂漠など観察に最も適したスポットへ行き、用意された寝袋等に寝転がって満天の星空を観察する。都内とは思えないこぼれるほどの星々、天の川、流れ星など圧巻の天体ショーには感動する。
幻の池が出没!?知られざる表砂漠コースから赤ダレへ
国土地理院の地図上で唯一、「砂漠」の地名が付いているのが三原山の裏砂漠だ。裏があるからには表がある。あまり知られていないが、三原山のすそ野に広がる一帯がそれにあたる。見晴台の横から山頂を目指すルート途中、「表砂漠」の小さな標識を見逃さないでその先へ。ヤシャブシの藪を通り、さらさらとした黒い砂の斜面を抜けると三原山の雄姿と東京とは思えない異次元の荒涼とした大地が広がってくる。一部、土壌の性質により雨が降った直後に水がたまることで出現する「幻の池」があることも。さらに先に進むと山肌が荒々しくえぐれ、酸化して赤さび色となったスコリアの丘が浸食され、むき出しとなった通称「赤ダレ」と呼ばれる場所に到達する。ここまで大人の足で50分ほど。高低差もなく、風景の変化を楽しめるルートだが、整備された道も標識などいっさいない状況なのでジオガイド同行がおすすめだ。特に赤ダレは柵などないので落下にくれぐれも注意してほしい。
スポット詳細
- 住所
- 東京都大島町 地図
- エリア
- 伊豆大島・利島エリア
- 駐車場
- あり
情報提供: ナビタイムジャパン