道の駅 大坂城残石記念公園 みなとオアシス
かつて大坂城築城のために切り出された石が今も残る公園
古くから採石業が栄えてきた備讃諸島
本州と四国の間に広がる瀬戸内海に浮かぶ備讃諸島では古くから良質な石が多く産出され、それらは日本銀行本店本館をはじめ日本を代表する近代洋風建築のほか、古くは大坂城築城にも大量に使われた歴史がある。そうした備讃諸島の「石の島」のストーリーが2019年(令和元)に日本遺産に認定され、備讃諸島の1つである小豆島でも、石の文化や歴史に注目が集まっている。石に「矢」と呼ばれる鉄製のくさびを打ち込んで割り取ることを「石を切る」といい、石切りをしていた採石場のことを「丁場(ちょうば)」と呼ぶ。小豆島にはその丁場跡が数多く残っており、諸大名が大坂城築城のためにこぞって瀬戸内の島々に丁場を開いたことがわかる。
小豆島の石切りの歴史がわかる資料を展示
1614年(慶長14)に起こった大坂夏の陣により、大坂城は落城。その後、江戸幕府2代将軍徳川秀忠により大坂城再建が命じられ、小豆島では豊前小倉藩主細川家、肥後熊本藩主加藤家、豊後竹田藩主中川家らが石丁場を開いたと伝えられている。切り出された石は船で海を渡って遠く大坂城まで運ばれたが、その際に使われることなく放置された40個の石を中心に整備されたのがここ残石記念公園だ。公園内の資料館には、石丁場や残石に関する写真や古文書のほか、実際に使われていた道具類、石の加工工程などがわかる資料が数多く展示されている。木製の道具を使い、人力で、どうやって大きな石を切り出し、運搬していたのか。それを想像すると、当時の丁場の活気とともに石工たちの苦労も伝わってくるようだ。
石に穴を開けるノミも、工程によってさまざまな種類を使い分けていたことがわかる
山から海へと石を運ぶ際に用いられた木製の道具なども展示されている
南側とは違う、小豆島の北側の景観を楽しむ
小豆島といえば青い海とオリーブ畑のイメージが強いが、残石記念公園がある小豆島の北側の景観は対照的。切り立ったむき出しの山肌に大きな石が並ぶ丁場は、まさに古代遺跡といった雰囲気だ。車でおよそ1時間で1周できる小豆島。1時間のドライブで、小豆島が実に多様な島だということが感じられるだろう。道の駅としての機能も備えたこの公園は、24時間利用できる駐車場とトイレが完備されていて、島の北側の観光拠点としてはずせない場所。島内の特産品を販売している売店や軽食コーナーがあるほか、予約をすれば石割り体験もできる。公園周辺の小海(おみ)地区だけでなく、福田地区や岩谷(いわがたに)地区にも丁場跡が数多く残っているので、ぜひ訪れて400年前の石切りの技術を感じてみてほしい。
スポット詳細
- 住所
-
香川県小豆郡土庄町小海甲909-1
地図
- エリア
- 小豆島エリア
- 電話番号
- 0879652865
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 駐車場
- あり(18台、バス3台)
- クレジットカード
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン