出島(国指定史跡「出島和蘭商館跡」)

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鎖国時代、日本と西洋を唯一結んだ人工島

江戸時代に唯一、ヨーロッパとの貿易を許されていた出島。扇形の小さなこの島には蘭学と呼ばれた西洋の学問や、コーヒーや香辛料といった食文化などが持ち込まれた。当時の最先端が集まった人工島を散策しよう。

19世紀初頭の出島をモデルに復元整備が進められている} 19世紀初頭の出島をモデルに復元整備が進められている

130年の時を超え、出島に再び橋が完成

日本史の教科書でもおなじみの出島。その名のとおり、海に突き出すように造られた扇形の小さな人工の島だ。周辺は幕末以降に埋め立てられたため、かつてのように海に突き出してはいないが、復元整備が進められ、当時のオランダ商館員の暮らしぶりが再現されている。2017年(平成29)には出島表門橋が完成。ここは発掘調査をもとに特定された旧出島橋があった位置。昔の出島の時代よりも出島側の一部が削られているため、石造りの往時の橋の復元はかなわなかったが、新しい橋もモダンでかっこいい。大切な史跡である出島側に負担がかからないよう、てこの原理のような絶妙なバランスで橋を支えているという。ちなみに江戸時代と同じように海を渡り、正面から入場できるようになったのは約130年ぶりとのこと。出島の対岸である江戸町側からの眺めは海に囲まれたかつての出島を彷彿とさせる。

長さ38.5m、幅4.4mの鉄製のシンプルなデザイン} 長さ38.5m、幅4.4mの鉄製のシンプルなデザイン

贅を尽くしたハイカラなカピタン部屋

出島の築造は1636年(寛永13)。ポルトガル人の居住地として造られ、1641年(寛永18)には平戸のオランダ商館が移転。それ以後、1859年(安政6)の開国までの218年間、出島はオランダの貿易基地となり、鎖国時代における西洋に開かれた日本唯一の窓口として大きな役割を果たしていく。住居や調理室、蔵に詰所。かつては49棟もの建物が並んでおり、そのうち25棟を復元させるための整備が現在も進められている。なかでも圧巻なのがオランダ商館長の事務所兼住居である「カピタン部屋」。迎賓館として利用された「大広間」や執務室と考えられる「17.5畳の部屋」、オランダ船の入出港を眺めた「涼所(すずみどころ)」など見どころがいっぱいだ。畳の部屋にテーブルと椅子、天井にはシャンデリア。和洋折衷な空間は、今の時代にも通用するほどのおしゃれっぷり。きっと、招かれた日本の役人も目を丸くして驚いたことだろう。

日本伝統の建物に窓枠のグリーンが映える} 日本伝統の建物に窓枠のグリーンが映える

35畳の大広間。クリスマスを祝ったとされる「阿蘭陀冬至(おらんだとうじ)」の祝宴風景を再現} 35畳の大広間。クリスマスを祝ったとされる「阿蘭陀冬至(おらんだとうじ)」の祝宴風景を再現

江戸時代に盛んに作られていた「唐紙(からかみ)」を使用した壁紙} 江戸時代に盛んに作られていた「唐紙(からかみ)」を使用した壁紙

長崎の文化を作った砂糖も出島から伝来

ビードロと呼ばれるガラスの器に、毛織物や更紗。出島にはオランダ船に乗せてさまざまな舶来品が運ばれてきた。ほかにも薬品やゾウなどの動物、コーヒーといった食料品など数え上げればきりがない。なかでも長崎の文化に強い影響を与えたのが「砂糖」である。今でこそ菓子作りや料理に欠かせない砂糖だが、当時は薬としても重宝されるほどの貴重な品。オランダ船が運んだ砂糖は出島に荷揚げ・計量され、砂糖専用の蔵「一番蔵」「三番蔵」などに収められていたという。その一部が長崎~小倉を結ぶ長崎街道にももたらされ、それぞれの町で砂糖をふんだんに使ったお菓子が誕生した。そのため長崎街道の別名は「シュガーロード」。長崎土産の定番であるカステラもその1つである。

おもに輸入した砂糖を収めた「三番蔵」。砂糖袋に見立てた麻袋が積まれている} おもに輸入した砂糖を収めた「三番蔵」。砂糖袋に見立てた麻袋が積まれている

「バンザイサイダー」270円。長崎は日本におけるサイダー発祥の地。ヘトル部屋1階にある「ミュージアムショップ」で購入できる} 「バンザイサイダー」270円。長崎は日本におけるサイダー発祥の地。ヘトル部屋1階にある「ミュージアムショップ」で購入できる

出島散策のあとは、隠れミッフィー探し!

そのほか15分の1サイズのミニチュアの出島があったり、1878年(明治11)に建てられた、現存する日本最古のプロテスタント神学校「旧出島神学校」などが点在。出島で江戸時代にタイムスリップしたあとは、出島表門橋のたもとに整備された「出島表門橋公園」へ。公園内には出島とゆかりのあるオランダの絵本作家ディック・ブルーナによる絵本の主人公ミッフィーが隠れています。1〜9までナンバリングされているので、よく目を凝らして見つけてみて!

公園内のベンチの横で見っけ!} 公園内のベンチの横で見っけ!

スポット詳細

住所
長崎県長崎市出島町6-1 map map 地図
エリア
長崎エリア
時間
8:00-21:00(最終入場20:40)
休業日
無休
料金
[入場料]大人520円、高校生200円、小中学生100円
駐車場
なし
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club、J-Debit)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY、エヌタスマネー、ゆうちょPay)
コンセント口
なし
喫煙
不可(園内は火気厳禁となっております)
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
可(ペットクレートやペット用カートなどをご利用のお客様のみ)
雨の日でも楽しめる
はい
備考
※電話番号は出島案内所へ繋がります。

情報提供: ナビタイムジャパン

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※ナビタイム調べ

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