養源院

寺院

武士の魂を供養する「血天井」と俵屋宗達の絵画で有名

豊臣秀吉の側室・淀殿が父・浅井長政の菩提を弔うために創建し、妹の江が再興。伏見城落城の際に自刃した鳥居元忠らの血に染まった廊下の板を寺院の天井板として供養する「血天井」や、俵屋宗達筆の杉戸絵で有名。

徳川家の家紋「三つ葉葵」が入った白い幕が掛かる本堂玄関} 徳川家の家紋「三つ葉葵」が入った白い幕が掛かる本堂玄関

父の菩提を弔うために娘が建立した寺院

市バス停・三十三間堂前から南に歩いて行くと「血天井」と書かれた看板が見えてくる。通りに面した門をくぐり、ゆるやかに続く坂道を進んだ先が本堂(客殿)の拝観受付だ。養源院は1594年(文禄3)に豊臣秀吉の側室・淀殿が父・浅井長政の追善供養のために建立した寺院で、長政の戒名「養源院」がそのまま寺名となっている。その後、火災によって焼失するが、淀殿の妹・江が夫である江戸幕府2代将軍・徳川秀忠に願い、伏見城の遺構を移して再建された。以来、浅井家とともに、豊臣家、徳川家の菩提所であり、歴代将軍の位牌を安置する寺院として法灯を守っている。拝観受付を済ませると随時、お寺の方と録音テープによる案内を聞くことができる。

三十三間堂の東側に位置する} 三十三間堂の東側に位置する

伏見城の遺構を移した本堂に血天井を祀る

現在の本堂は再建時のもので廊下は歩くとキュッキュッと音がする「うぐいす張り」になっているのが特徴だ。さらに天井を見上げると各所に飛び散った無数の血痕が見られ、なかには血で染められた足の形や手の形がはっきりと確認できるものもある。これが門前に掲げられていた「血天井(ちてんじょう)」だ。1600年(慶長5)、関ヶ原の戦いの前哨戦・伏見城の戦いで伏見城は落城。このとき徳川家康の忠臣・鳥居元忠(とりいもとただ)をはじめとする数百名が城でみずから命を絶ったが、その武将たちを供養するために血痕が残る床板を天井に上げて供養している。家康はこの床板を京都の数か寺に移したのだが、ほかには宝泉院、源光庵、正伝寺、興聖寺(宇治)などがある。

血天井を拝観できる貴重な寺院} 血天井を拝観できる貴重な寺院

俵屋宗達の代表作「白象図」を間近で鑑賞

養源院は日本美術ファンにとってはたまらない宝物を所蔵している。京都が生んだ琳派の天才絵師・俵屋宗達(たわらやそうたつ)が描いた襖12面と杉戸8面だ。なかでも2枚の杉戸に描かれた『白象図(はくぞうず)』は教科書でもおなじみの作品だ。琳派の絵師らしい大胆さと奇抜さが魅力的な2頭の象は母子だとか。なるほどそういわれてみれば、母象(向かって右)が子象(向かって左)に何か語りかけているようにも見える。勇ましくもほのぼのと描かれたこれらの杉戸絵もまた血天井の英霊を慰めるためのもの。描かれた往時の場所で当時のまま拝観できるのは貴重な体験となるだろう。町衆に愛された絵師の傑作を鑑賞しに足を運んでみよう。

春は桜、秋は紅葉が美しい} 春は桜、秋は紅葉が美しい

ダイナミックに描かれた杉戸絵『白象図』} ダイナミックに描かれた杉戸絵『白象図』

スポット詳細

住所
京都府京都市東山区三十三間堂廻り町656 map map 地図
電話番号
0755613887
時間
10:00-15:00
休業日
不定休
料金
【拝観料】
[大人]600円
[小人]300円
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 俵屋宗達と血天井
    5.0 投稿日 : 2022.08.01
    一般的には、関ヶ原の前哨戦の伏見城で自刃した徳川方の侍の血のしみた床板を天井に上げた血天井で有名ですが、俵屋宗達の白象や麒麟の絵も見逃せません。お寺の職員の方が丁寧に説明してくれます。閉門時間が早いのでご注意ください。三十三間堂のほうが閉門が遅いので、こちらを先にされることをおすすめします。
  • 山門から入ってから本堂まで続く参道のお庭の緑がいい感じでした
    4.0 投稿日 : 2020.11.30
    三十三間堂の東となり、東大門から道路を挟んだ向かいに建っていたのが、養源院です。 血天井や俵屋宗達の絵が有名らしいですが、山門から入ってから本堂まで続く参道のお庭の緑が素晴らしかったです。また、時間帯によっては、血天井や絵についての説明を受けながら見学ができるようですよ。
  • 浅井家ゆかりのお寺
    4.0 投稿日 : 2020.11.06
    三十三間堂の南側から南大門を通り抜けて進むと、道の左側は3三十三間堂の朱色が鮮やかな回廊が続いていました。右側には法住寺があり、さらに進むと、こちらの養源院の門がありました。門から境内に入ってみると、奥の建物には、徳川家の家紋である「三つ葉葵」の幕が下がっています。徳川家ゆかりのお寺なのかと思い調べてみると、浅井家ゆかりのお寺であることがわかりました。 もともとこのお寺は、浅井長政の長女・茶々...

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アクセス

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最寄り

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