今宮神社

神社

無病息災・疫病退散を祈願し、疫神を祀る洛北の古社

「健康」は、いつの時代にも共通する願い事。医療の発達していなかった昔は、神を祀り、社殿を建て、祭りを行うことで、疫病鎮静を祈願してきた。そうして、古くから地域の人びととともに歩んできた神社が洛北にある。

1926年(大正15)に建立された南参道の楼門} 1926年(大正15)に建立された南参道の楼門

京都・紫野の地に鎮まる荒ぶる神

今宮神社へは、京都駅から市バスで約40分。船岡山で下車し、右手に大徳寺の土塀を見ながら進むと、朱色の楼門が迎えてくれる。地元の人だろうか、神社の前を通り過ぎる際に、楼門の前で足を止め、社殿に一礼する姿が見られる。今宮神社は、そこで生まれた者を生涯守護してくれる産土(うぶすな)の神として、敬われ親しまれているのだ。

木々の緑が美しい正門。先には朱色の神橋} 木々の緑が美しい正門。先には朱色の神橋

神社の歴史は平安建都以前にまでさかのぼる。この地には、古くから疫神を祀る祠があった。ところが疫病が流行り、疫神が祟りをなしているのではないかと恐れた人びとは、この荒ぶる神を鎮めるために紫野御霊会を営む。のちに神殿が設けられ、元の疫社とともに新しい社という意味で「今宮社」と名づけられた。現在も、本殿隣の疫社には、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られている。

本殿。大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の三柱の神を祀る} 本殿。大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の三柱の神を祀る

西陣織にちなむ神様や、病気平癒を願う占い石も

今宮神社は織物の町として知られている「西陣」の氏子地域でもある。織姫神社には、織物の神である栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)が祀られている。七夕伝説の織姫に機織を教えた神とされ、その織物の巧みさと美しさから、技芸上達の神としても信仰があつい。

織姫神社の献灯台は、織物を織るときに用いる杼(ひ)という道具の形} 織姫神社の献灯台は、織物を織るときに用いる杼(ひ)という道具の形

神占舎に据え置かれている石は「阿呆賢(あほかし)さん」。石をなでた手で体の悪いところに触れると健康の回復が早まるという。また、占い石としても用いられる。まず手のひらで石を軽く3回叩いて持ち上げ、次に願い事をしながら3回なでて持ち上げる。このときに石が軽くなっていれば願いが成就すると伝わる。

重軽(おもかる)石の名で呼ばれることもある阿呆賢さん} 重軽(おもかる)石の名で呼ばれることもある阿呆賢さん

桂昌院ゆかりの玉の輿お守と、花傘の御朱印

授与所で目をひくのは、色とりどりの愛らしい「玉の輿お守」。江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の生母である桂昌院は、西陣の八百屋でお玉さんとして生まれ、3代将軍・徳川家光の側室となり、女性の最高位にまで登り詰めた。応仁の乱で荒廃したみずからの産土の社に心を痛め、社殿を修復し、神輿や祭鉾を寄進したといわれる。

運をひらき、新たな道がひらける玉の輿お守} 運をひらき、新たな道がひらける玉の輿お守

また、平安時代の紫野御霊会の流れを引継ぎ民衆が興した祭で、今も4月の第2日曜に行われているのが「やすらい祭」。散る桜の花に誘われて動き出す疫神を、美しい花傘に集め疫社へ送り込むことで無病息災を祈願する祭だ。お参り帰りには、厄除け菓子の「あぶり餅」も味わいたい。東門の参道で「かざりや」と「一和」の2軒が伝統を受け継いでいる。

やすらい祭のは花傘が押印された見開きの御朱印。花傘の中に入ると、その年は病気にかからないとされる} やすらい祭のは花傘が押印された見開きの御朱印。花傘の中に入ると、その年は病気にかからないとされる

スポット詳細

住所
京都府京都市北区紫野今宮町21 map map 地図
電話番号
0754910082
時間
9:00-17:00
休業日
無休
駐車場
あり(44台)
※有料
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 994年創建と言われています
    4.0 投稿日 : 2022.09.28
    創建が平安時代の10世紀末という、古くからこの地にある神社。有名なのは参拝帰りに立ち寄る、参道にある2軒の茶店(名物あぶり餅)かも知れません。私も2度ともそうでした。
  • おもかる石
    4.0 投稿日 : 2022.07.16
    あぶり餅を食べたくて今宮神社へ行きましたが、水曜日であぶり餅は2軒とも定休日でした。残念。じっくり今宮神社を参拝しました。今宮神社の楽しみは「おもかる石」です。しっかりたたいて撫でて願かけて、持ち上げましたが重くて無理。再度たたいて撫でて願かけて、持ち上げるとひょいと上がりました。ご利益あると信じたい。
  • ガイドブックベースですっかり観光神社になってしまいましたが、由緒は相当なものがあります
    5.0 投稿日 : 2022.07.16
    近くなので年間に平均10数回は参詣する神社です。ここはガイドブックにも詳細に記載されている今では「観光神社」みたいなもんです。但し、歴史は凄くて、判明しているだけでも約1200年前からの縁起を有する神社です。平安遷都以前からある(現在は今宮さんの摂社の)疫神社があった場所に建つ神社です。神社よりも有名な2軒の「あぶり餅屋」さんが西参詣道の左右にあります。京都が舞台のTVドラマ等のロケスポットでもあ...

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