宝泉院

寺院

立ち去りがたい美しさ、額縁庭園を彩る自然の絵画

仏教音楽である天台声明の発祥の地・大原に創建された宝泉院では、自然の景色を絵画のようにして鑑賞する額縁庭園が見どころ。水琴窟の音色に耳を傾ければ、いつのまにか心もほどけてゆく。

京都市の天然記念物に指定されている五葉松 京都市の天然記念物に指定されている五葉松

山あいの地に現れる樹齢700年の名木

宝泉院へはバス停・大原から三千院へと続く参道の細い坂道を上がっていく。のどかな田園風景は、ほどなくして木々が覆う山麓の景色となり、お土産店が並ぶ坂道に沿うように流れる呂川(ろがわ)のせせらぎが涼やかだ。三千院の入り口を過ぎ、律川(りつがわ)を越えた先に見えるのが勝林院。その手前を左に折れれば宝泉院に到着する。バス停から歩いて約20分、緑陰に導かれるようにしてたどり着いたお寺は、山門をくぐると立派な五葉松が迎えてくれる。樹齢約700年とされるこの名木は、近江富士(滋賀県の三上山)をかたどったものなのだとか。拝観料には抹茶と茶菓子代が含まれていて、書院で庭園を眺めながらお茶をいただける。

静けさのなかでゆっくりと参拝しよう 静けさのなかでゆっくりと参拝しよう

外から五葉松を見ると「近江富士」をかたどっているのがわかる 外から五葉松を見ると「近江富士」をかたどっているのがわかる

大原の里に響きわたる天台声明の調べ

天台声明(てんだいしょうみょう)の根本道場・勝林院の僧坊として、鎌倉時代に開かれたという宝泉院。声明とは仏教声楽のことで、経文や陀羅尼(だらに:仏様に唱える祈りの言葉)などに旋律を付けて歌唱するもの。旋律には呂旋法(ろせんぽう)と律旋法(りつせんぽう)があり、このふたつをうまく使えないことを「呂律(ろれつ)が回らない」といい、一説に舌が滑らかに動かず話しにくい「ろれつが回らない」の語源とされる。呂川や律川もこれらの旋法にちなむ。声明の起源はインドの宗教音楽にあり、天台声明は大原の地で900年にわたり受け継がれている。

お抹茶とオリジナルのお菓子で一服を お抹茶とオリジナルのお菓子で一服を

戦国武将を供養する血天井と、心癒やす水琴窟

江戸時代中期に再建された書院の廊下の天井は「血天井」だ。1600年(慶長5)、関ヶ原の戦いの前哨戦・伏見城の戦いで伏見城は落城。このとき徳川家康の忠臣・鳥居元忠(とりいもとただ)をはじめとする多くの武士が城でみずから命を絶ったが、その魂を供養するために血痕が残る床板を天井に上げて供養している。家康はこの床板を京都の数か寺に移したのだが、ほかには養源院、源光庵、正伝寺、興聖寺(宇治市)などがある。さて、宝泉院は全国でも珍しい二連式の「水琴窟(すいきんくつ)」がある。水琴窟とは地中に伏瓶(ふせがめ)を埋め込んで空洞を作り、そこにしたたり落ちる水が反響して、琴のようなきれいな音色に聞こえるというものだ。軒下には竹の筒が2本あり、耳を当てて聞いてみると左右で音色が少し違うのがおもしろい。

戦国時代の歴史を物語る血天井 戦国時代の歴史を物語る血天井

癒やしの音として参拝者に親しまれている水琴窟 癒やしの音として参拝者に親しまれている水琴窟

抹茶とともに楽しむ自然が織りなす庭園美

宝泉院の見どころのひとつが額縁庭園だ。鴨居と敷居、そして柱を額縁に見立てて眺める庭園は江戸時代に作庭されたという盤桓園(ばんかんえん)。京都市内の松のなかでも特に有名な五葉松が悠々と枝を張り、西側では竹林がすがすがしい景色を作り出している。盤桓園とは「立ち去りがたい庭」という意味があるそうで、まさにいつまでも見ていたい庭園だ。緋毛氈の上で抹茶と茶菓子をいただき、心ゆくまで絵画のような庭園を堪能しよう。ほかには鶴亀庭園、平成に造られた宝楽園があり、趣の異なる3つの庭園を楽しめる。宝泉院の近くには「証拠の阿弥陀」と呼ばれる阿弥陀如来を安置する勝林院、天台声明の道場である来迎院、そして門跡寺院の三千院があり、どれも徒歩圏内だ。

大きく三本に分かれた五葉松の枝が美しい樹形をつくり出している 大きく三本に分かれた五葉松の枝が美しい樹形をつくり出している

スポット詳細

住所
京都府京都市左京区大原勝林院町187
電話番号
0757442409
時間
9:00-16:30(受付終了)
休業日
無休
料金
[拝観料(お抹茶付)]大人800円、中高生700円、小学生600円
※イベント時は都度異なる
駐車場
なし(近隣に有料パーキングあり)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
可(要介助者)
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • これぞ、the京都
    5.0 投稿日:2021.02.16
    拝観料がお抹茶代なんです。なるべく教えたくない場所です。大原に来たら、まずはここでしょう。拝観者も少ないと聞きました。
  • ゆったりとした時間ありがとうございます。
    5.0 投稿日:2020.11.21
    三千院の奥にあります。 こじんまりとした感じでしたが 解放されたお庭をを見れるお部屋で、お抹茶を頂き素敵なお庭をのんびり眺めて コロナのストレスが、すこしの時間で、放たれひと時を過ごせました ガイドさんから血天井を案内され びっくりしましたが、。。より良い時間が、いただけました
  • 額縁庭園・宝楽園
    5.0 投稿日:2020.11.16
    お抹茶とお菓子をいただきながらの額縁庭園は風情がありますね。頭上には血天井。説明を聞いて見上げていたら、他の方の菓子皿に足が当たりそうに!宝楽園は、紅葉を思い切り堪能できました。どこを見てもあまりの美しさにため息が漏れるほど。

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アクセス

最寄り

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