将軍塚青龍殿

その他の史跡/建造物

平安京を守護する将軍塚から京都の大パノラマを堪能

東山の山頂に立つ青蓮院の飛地境内。平安時代の仏画の最高傑作のひとつ国宝「不動明王二童子像(青不動)」を祀り、大舞台からは眼下に京都市街地の大パノラマを望む。庭園では四季折々の風情を楽しむことができる。

市街地より約200m高い位置に立つ青龍殿では空や雲が近く感じる} 市街地より約200m高い位置に立つ青龍殿では空や雲が近く感じる

千年の都を守り続ける「将軍塚」に立つ

京都の東山に連なるなだらかな山並みを「東山三十六峰(ひがしやまさんじゅうろっぽう)」と呼ぶ。そのひとつ、華頂山(かちょうざん)の山上にある「将軍塚(しょうぐんづか)」は、794年(延暦13)に桓武天皇が平安京に遷都する際、甲冑を着せた将軍像に弓矢を持たせて埋め、都の平安を祈ったと伝わっている。鎌倉時代の軍記物語である「源平盛衰記」には、世の中に異変があるとこの将軍塚が鳴動するとも記されている。そんな歴史ある地に2014年(平成26)10月に落慶したのが、粟田口にある門跡寺院「青蓮院(しょうれんいん)」の将軍塚青龍殿だ。参拝へのアクセスは乗用車もしくはタクシーを利用するか、三条京阪や蹴上などを経由する循環バス、またはピストンバスに乗車すると門前まで行くことができる。運行日や運行時間が限られているので事前に確認しておこう。

健脚なら青蓮院や知恩院から林道を歩いて訪問することも可能。徒歩の場合は明るい間に参拝しよう} 健脚なら青蓮院や知恩院から林道を歩いて訪問することも可能。徒歩の場合は明るい間に参拝しよう

甲冑をまとった将軍像を埋めたという将軍塚。京都の歴史の始まりを知ることができる場所だ} 甲冑をまとった将軍像を埋めたという将軍塚。京都の歴史の始まりを知ることができる場所だ

由緒ある建物に秘仏「青不動」を祀る

受付を済ませ拝観順路に従って進むと、大きなお堂が見えてくる。こちらが「青不動」を祀る「青龍殿」だ。青不動はわが国の仏教絵画史上の最高傑作のひとつとして国宝に指定され、教科書でも紹介される仏画で、平安時代中期、11世紀頃の製作とされている。縦203cm、横149cmの絹地に、燃え盛る炎のなか、右手に剣、左手に羂索(けんさく)を持って岩座に坐す忿怒相の不動明王が童子とともに描かれている。その身体の色が青黒(しょうこく)であることから、通称「青不動」と呼ばれ、高野山の明王院(和歌山県)の「赤不動」、三井寺(滋賀県)の「黄不動」とともに「日本三大不動画」のひとつとされている。通常は秘仏として奥殿に安置されているが、精密な複製画を通して参拝することができる。また、お堂そのものも貴重なもので、元は大正天皇の即位を記念して建てられ、戦後は京都府警の武道場として使われた由緒ある建物を移築したもの。いったん解体した建物の部材を山上に移し再建したという技術も必見だ。

1913年(大正2)に建てられた建築に、青不動を祀る収蔵庫が新築された青龍殿} 1913年(大正2)に建てられた建築に、青不動を祀る収蔵庫が新築された青龍殿

不動明王は妄念や煩悩を焼き尽くしてくれる仏様だ} 不動明王は妄念や煩悩を焼き尽くしてくれる仏様だ

大舞台からの大パノラマと庭園を堪能

青龍殿のもうひとつの魅力は、大きく張り出した大舞台からの眺望だ。延面積1046平方メートルの木造大舞台からは眼下に京都市内を一望することができる。中央に鴨川がゆるやかに流れ、霊峰・比叡山から北山、西山の山々へと京都盆地が大パノラマとなって広がる光景は圧巻だ。京都御苑や平安神宮の大鳥居など、地図を片手に探してみるのもおもしろい。さらに西展望台からは、京都市内のみならず大阪のビルまで遠望できる。昼間、夕暮れに加え、夜間拝観シーズンにはきらめく夜景も見逃せない。展望台から続く庭園には桜が約200本、紅葉が約220本植えられ、フジやシャクナゲ、サツキなど四季折々に自然が織りなす光景は山上ならではの美しさ。平安京の安泰を願った将軍塚と、青不動の力で京都を守護する青龍殿。お参りをすることで強力なパワーをいただくことができそうだ。

圧倒的なスケールに参拝者からも大歓声のあがる大舞台} 圧倒的なスケールに参拝者からも大歓声のあがる大舞台

まちの様子や雲の動きなど、見飽きることがない風景が広がる} まちの様子や雲の動きなど、見飽きることがない風景が広がる

白砂に深緑が映える枯山水庭園。秋の紅葉は市内中心部より少し早めだ} 白砂に深緑が映える枯山水庭園。秋の紅葉は市内中心部より少し早めだ

スポット詳細

住所
京都府京都市山科区山科厨子奥花鳥町28 map map 地図
電話番号
0757710390
時間
9:00-17:00(最終受付時刻16:30)
休業日
無休
料金
[拝観料]大人600円、中高生400円、小学生200円(保護者同伴時は無料)
駐車場
あり(20台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(英語パンフレット)
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
備考: 夜は期間限定となります。
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(庭園等一部対応しておりません)
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 京都市内が一望できる大パノラマが圧巻
    4.0 投稿日 : 2022.11.09
    京都トレイルで清水寺から将軍塚を目指して。東山山頂まで登ると東山ドライブウェイと合流して展望が開けました。将軍塚は青龍殿の庭園に隣接しています。昔はこんなに立派な建物がなかったので少し戸惑いましたが。将軍塚とは桓武天皇が都を定める折、和気清麻呂と東山に登り、ここに甲冑を着せた将軍像を埋めて都の平安を祈り平安京を開いたと伝えられます。それ以来国家の大事が起こる時は、その前触れとして鳴動するといわ...
  • 京都市内を一望☆
    5.0 投稿日 : 2021.11.09
    ホテルのスタッフさんに教えていただき、訪れました。公共のバスは現在週末のみのようで、私たちはタクシーで行き、運転手さんのご厚意で、同行されて詳しく説明していただきました^^清水寺よりも大きな舞台は、視界が広がり、広々して気持ちがよく、京都市内が一望できます。まさに穴場のパワースポットです。本堂は、以前は道場として使われていたものが移築されたそうで、新しく改修されていて、きれいでした...
  • 大舞台
    4.0 投稿日 : 2020.04.26
    東山山頂公園の近くにある「将軍塚青龍殿」に訪問しました。バスでも行くことは可能ですが、少し不便なところにあります。見どころは、改築された本堂に付帯する大舞台と、青不動です。大舞台からは、京都を一望することができます。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました