円山公園

自然いっぱいの公園を散策してリフレッシュ

八坂神社に隣接する歴史ある公園

円山公園は、八坂神社と知恩院をちょうどつなぐようなかたちで存在する。東山のふもとに広がる回遊式の公園だ。開かれたのは1886年(明治19)で、以来京都の人たちの憩いの場として長く愛され続けている、京都市最古の公園でもある。

国の名勝にも選ばれる公園

見どころはなんといっても桜で、公園の中央部にある大きなしだれ桜は「祇園しだれ桜」と呼ばれて親しまれている。美しい花びらが降り注ぐように咲き誇る姿に、心を奪われることだろう。ライトアップされる姿も美しく、昼間とはまた違った表情を楽しめる。

樹齢90年を超えるしだれ桜は2代目

新しく生まれ変わった庭園

円山公園の庭園は、7代目小川治兵衛の作庭によるもので、ひょうたん池を中心に小川が流れ、花々が咲き誇る回遊式の庭園になっている。開園からおよそ130年経った2021年(令和3)には再整備され、開園当時の美しさを維持しながら、より過ごしやすい公園へと生まれ変わった。特にひょうたん池北側の広場はくつろぎやすい空間へと整備され、土や石が溜まり水量が少なくなってしまっていた小川は、開園当時の流れを復活。また、木々の剪定により見晴らしの良い美しい眺望を楽しめるようになった。

きれいになったひょうたん池でここち良さそうに過ごすカモたち

さりげなく「京都」を感じさせる像や石碑

円山公園には、敷地内に料亭や甘味処など飲食店が点在する一方、像や石碑なども多く存在する。なかでも有名なのは、幕末に活躍した坂本龍馬・中岡慎太郎像だ。立ち姿の坂本龍馬とその横で片膝をつく中岡慎太郎が、遥か未来を見つめているような姿が印象的だ。

園内の東奥側にたたずむ

ほかにも、ひょうたん池のすぐ側には、芸舞妓さんが舞を披露する際の歌として知られる『祇園小唄』の歌碑が立っていたり、昭和初期の「ラジオ塔」が残っていたり。さらには、祇園祭の山鉾を収蔵する倉庫などもある。四季折々の風景とともに、京都の文化や歴史を知ることができるモニュメントが随所にあるのがおもしろいところ。八坂神社や知恩院へのお参りの際に、ぜひ立ち寄って京都の魅力を感じてみよう。

『祇園小唄』の歌碑は、花街・祇園にある公園ならでは

タイムスリップしたような気分を味わえるラジオ塔