奈良文化財研究所 飛鳥資料館

資料/郷土/展示/文学館

「日本ではじめて」のものが生まれた飛鳥を体感する

今から1400年前、約100年にわたって都がおかれた飛鳥の歴史や文化を紹介する飛鳥資料館。これまでの発掘調査で明らかになった、「日本のはじまり」の姿を体感できる施設だ。飛鳥の地を巡るなら、最初はここを訪れてほしい。

明治時代に石神遺跡から発掘された石人像(せきじんぞう)。飛鳥時代の噴水で1階ロビーに実物が展示されている} 明治時代に石神遺跡から発掘された石人像(せきじんぞう)。飛鳥時代の噴水で1階ロビーに実物が展示されている

発掘調査で見つかった数々の遺構や遺物から紐解く飛鳥の歴史

592年(崇峻5)に推古(すいこ)天皇が即位し、694年(持統8)に持統(じとう)天皇が藤原京へ遷都するまでの約100年間、政治と文化の中心として栄えた飛鳥。飛鳥資料館では飛鳥の歴史と文化をわかりやすく紹介している。庭園内には、飛鳥に点在する石像のレプリカや高松塚(たかまつづか)古墳石室解体の実験用に造られた石室を展示。飛鳥資料館は有料だが、美しく整備された庭園は無料なので、のんびり散策するのもよい。1階のミュージアムショップでは展覧会図録や奈良文化財研究所のオリジナルグッズなどを販売。資料館の展示品をかたどったピンバッジが出てくる1回200円の「なぶんけん応援ガチャ」は「文化財保存修復研究基金」への寄付になるそう。入り口すぐ左には図書コーナーも。飛鳥の歴史に関する本を自由に見たり、調べたりすることもできる。

飛鳥資料館の外観。観覧料は一般350円、大学生200円、70歳以上・高校生および18歳未満は無料。中に入ると、とても充実した展示内容を楽しめる} 飛鳥資料館の外観。観覧料は一般350円、大学生200円、70歳以上・高校生および18歳未満は無料。中に入ると、とても充実した展示内容を楽しめる

広大な敷地に芝生が広がり、飛鳥の石造物があちこちに点在している。吉備姫王墓にある猿石と呼ばれる4体の石造物はレプリカ} 広大な敷地に芝生が広がり、飛鳥の石造物があちこちに点在している。吉備姫王墓にある猿石と呼ばれる4体の石造物はレプリカ

飛鳥資料館で情報を入手し、それから現地へ

第一展示室では、「仏教伝来と蘇我氏」「飛鳥の宮殿」「律令国家への歩み」「飛鳥の古墳」「飛鳥の寺院」という5つのコーナーからなり、高松塚古墳などからの出土品、キトラ古墳石室の陶板模型、飛鳥寺や川原寺などの出土品と模型などを展示している。飛鳥資料館を訪れた人の多くは、「こんなに資料館が充実しているとは思わなかった。既にいろいろとまわってしまったが最初にここへ来ればよかった」と口にするそう。たとえば、日本初の水時計・漏刻(ろうこく)があった飛鳥水落遺跡(あすかみずおちいせき)などは、飛鳥資料館で原寸大復元模型や出土品を見てから行くとさらに理解も深まるし、より興味をもてるに違いない。最初に飛鳥資料館で飛鳥についての歴史や情報を頭に入れて、それから現地に行くのがおすすめだ。

500分の1の飛鳥地域の復原模型。日本の政治の中心だった飛鳥の全体像をつかもう} 500分の1の飛鳥地域の復原模型。日本の政治の中心だった飛鳥の全体像をつかもう

キトラ古墳壁画を原寸大の陶板で忠実に復元したもの。玄武(げんぶ)や白虎(びゃっこ)など四神像を実物大で再現している} キトラ古墳壁画を原寸大の陶板で忠実に復元したもの。玄武(げんぶ)や白虎(びゃっこ)など四神像を実物大で再現している

1000年以上、地中に眠っていた山田寺

第二展示室では、山田寺の歴史や発掘調査の内容について紹介。圧巻なのは1982年(昭和57)に発掘された部材を組み立て、もとの構造がわかるように再現した巨大な東回廊。また、地下では高松塚古墳の発掘調査でわかった石室内部の様子や発掘に使用された機械などを紹介。想像以上に小さな石室で、この中で壁画を描くのは大変だったと想像できる。再現展示室では壁画を見やすいように、天井石を取り払った状態で展示している。主任研究員の清野陽一(せいのよういち)さんは、「土の中に埋まっているものを取り出すには掘らなければなりませんが、一度掘ってしまった土は元には戻せないというジレンマがあります。そのため、慎重に記録を取りながら発掘をしています。発掘調査は華々しい部分だけが取り上げられがちですが、責任やプレッシャーを感じながら行っています」と語る。そんな苦労と緊張のなか行われた発掘調査の成果をぜひ見てほしい。

倒れたままの状態で見つかった山田寺東回廊を展示。法隆寺よりも古い飛鳥時代の建築物として注目されている} 倒れたままの状態で見つかった山田寺東回廊を展示。法隆寺よりも古い飛鳥時代の建築物として注目されている

地下では、高松塚古墳の発掘調査によって明らかになった石室や修理のための石室解体作業について紹介している} 地下では、高松塚古墳の発掘調査によって明らかになった石室や修理のための石室解体作業について紹介している

ミュージアムショップの「土器てぬぐい」800円や「山田寺てぬぐい」800円、「瓦てぬぐい」1300円はお土産として人気がある} ミュージアムショップの「土器てぬぐい」800円や「山田寺てぬぐい」800円、「瓦てぬぐい」1300円はお土産として人気がある

スポット詳細

住所
奈良県高市郡明日香村奥山601 map map 地図
エリア
飛鳥エリア
電話番号
0744543561
時間
9:00-16:30(入館は16:00まで)
休業日
月(祝の場合は翌平日)、年末年始(詳細は公式Webサイトをご覧ください)
料金
[観覧料]一般350円、大学生200円
※高校生・18歳未満と70歳以上は無料
※障がい者の方とその介護者1名無料(要手帳)
駐車場
あり(10台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 古代にタイムスリップ
    4.0 投稿日 : 2023.03.03
    キトラ古墳と高松塚古墳を中心に 発掘品や石碑が展示されていて 静かに鑑賞できました。 古代からの飛鳥の地が 1400年経った今でもここに続いていると思える古墳群の中に 資料館がありました。
  • 山田寺東回廊の復元は必見。
    4.0 投稿日 : 2021.12.07
    奈良文化財研究所の展示施設で、昭和50(1975)年に開設されました。庭にある石造物は、レプリカでした。入って直ぐの、明日香村のジオマテで全体像が分かります。よくできていました。第一展示室の主な展示品としては高松塚古墳をはじめとする古墳の出土遺物、日本最初の水時計である水落遺跡や飛鳥寺・川原寺など、飛鳥を代表する遺跡の出土品と模型です。第二展示室では、山田寺の展示です。山田寺は、大化の改...
  • 庭のオブジェが素敵でした
    4.0 投稿日 : 2019.11.16
    建物に入る前に復元した石人像の噴水があります。松本清張の説では1500年前に渡来したイラン人だとか。後ろから奥さんが前の旦那さんの腰にそっと手を添えてるのが微笑ましいかったです。ちなみに資料館に入ってすぐに同じ石人像が展示されてます。こちらは本物だそうです。明日香村には土木技術の雰囲気がしますね。とても興味深い資料館でした。

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アクセス

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