飛鳥寺
日本最古の仏像・飛鳥大仏が残る、日本最初の本格寺院
仏教興隆の祈りが込められた寺
晴れた日には青空に本堂の甍(いらか)が映える飛鳥寺。物部氏と蘇我氏の仏教抗争で勝利した蘇我馬子が、戦勝祈願時の誓いにより、596年(推古4)に建立した。もともとは「法興寺」が正式名称だが、『日本書紀』にも「飛鳥寺」の名で書かれており、古代の人々もまた飛鳥寺と呼んでいたようだ。
車道のある東門の「飛鳥大佛」の標石の台座は、なんといにしえの工人に加工された、飛鳥寺創建時の礎石だ。その門をくぐると、すぐ右手に本尊・飛鳥大仏を安置した本堂が。江戸時代の再建だが、創建時の中金堂と同じ場所にある。境内の参拝は無料。観音堂のほか、鐘楼があり、参拝者は自由について、飛鳥にその音を響かせることができる。
創建当時と同じ場所、同じお顔の飛鳥大仏
本堂では、ていねいな説明を聞きながら本尊・飛鳥大仏(釈迦如来像)や聖徳太子像、寺宝を拝観できる。飛鳥大仏は推古天皇が鞍作止利(くらつくりのとり)に造仏を詔し、609年(推古17)に完成した。飛鳥大仏には補修の跡があり、長らく一部以外は後世に作り直されたものとされていた。しかし、2016年(平成28)の調査により、顔の部分はほぼ造仏当時のままで、体は溶けた銅を鋳直して作り直された可能性が高いという結果が出た。台座も創建当時の状態から一度も動かされていない。つまり、創建当時の推古天皇や蘇我馬子が参拝したのと同じ場所で、同じお顔で鎮座している飛鳥大仏を、私たちは参拝することができるのだ。
入鹿の首塚と槻(つき)の木の広場
飛鳥寺の境内を抜け西門を出ると、「蘇我入鹿首塚」といわれる五輪塔がある。塔自体は鎌倉時代のものだが、645年(大化元)に飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)で中大兄皇子・中臣鎌足らの計略で殺された蘇我入鹿の首が、ここまで飛んだなどの伝承が残っている。直線距離で600mほど。飛んだとすればなかなかの距離である。
飛鳥寺は入鹿の祖父・馬子が創建し、叔父の善徳が初代寺司を務めた蘇我氏の氏寺。首塚と西門の間にある広場は中大兄と鎌足が出会った「飛鳥寺の槻の木の広場」と考えられている場所。そして、五輪塔の背景に田園越しに見える甘樫丘(あまかしのおか)には蘇我氏の邸宅があったそうだ。古代飛鳥の地で起きた国家をゆるがす大事件の舞台を堪能しよう。
スポット詳細
- 住所
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奈良県高市郡明日香村飛鳥682
地図
- エリア
- 飛鳥エリア
- 電話番号
- 0744542126
- 時間
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[4月-9月]9:00-17:30(最終受付17:15)
[10月-3月]9:00-17:00(最終受付16:45) - 休業日
- 無休
- 料金
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【拝観料】
[大人]350円
[中高生]250円
[小学生]200円 - 駐車場
- あり(20台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 小さな寺ですが
- ご本尊の飛鳥大仏様は、造られてから1400年以上ずっとこの場所にいらっしゃるそうです。穏やかなお顔の大仏様ですが、いろいろなことを見ていらっしゃたことでしょう。この大仏様は間近で見学でき、写真撮影もできます。裏手50メートル先には、田畑の中にポツンと入鹿の首塚があります。
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- 日本最古の寺
- 飛鳥大仏で有名な日本で最古と言われる寺。蘇我氏の菩提寺で、大化改新で討たれた蘇我入鹿の首塚もすぐ近くにある。現在の伽藍は江戸時代の再建だが、静かで落ち着きがある。日本の原風景のような寺院。
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- 飛鳥大仏に逢いに行きました
- 日本最古のお寺とも言われる飛鳥寺。ご本尊の飛鳥大仏は、これまた日本最古の仏像なんです。 お寺の規模としてはちいさなお寺なんですが、この飛鳥大仏に逢いたくて、狭い道を通ってやってきました。この飛鳥大仏が作られたのは609年。今から1400年も前のことなんですね。やさしい、慈悲あふれるお顔が、とても印象的でした。
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