吉野山

山裾から奥へ咲き競う、約3万本の桜の山

日本有数の桜の名所・吉野山。吉野山の桜の歴史は約1300年前にさかのぼることができる。山麓から山の上の奥深くに向けて、次から次へ咲き上っていく見渡す限りの桜は、その数約3万本という。花見を楽しめるのは例年4月上旬~下旬で、そのほか新緑や紅葉の時期もそれぞれの美しさを見せる。

春の吉野山。花矢倉展望台から桜と金峯山寺(きんぷせんじ)を望む} 春の吉野山。花矢倉展望台から桜と金峯山寺(きんぷせんじ)を望む

下千本、中千本、上千本、奥千本

開花時期には、余すところなく桜の見どころとなる吉野山。ビューポイントはいくつもあるが、大きなくくりとしてふもとから山上に向かって順に、「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と呼ばれるエリアに分かれる。「下千本」は吉野山の中心エリアに直結するロープウェイのふもと駅である「下千本」駅周辺。「中千本」はいくつもの歴史ある社寺が集まる吉野山中心部一帯で、なかでも吉水神社からの眺めが有名だ。「上千本」は中千本より高い標高となり、花矢倉展望台からの金峯山寺蔵王堂を中心とした絶景は吉野を代表するランドスケープ、「奥千本」は観光客が足を延ばすことのできる吉野山の最奥部となる。

山の斜面が桜と新緑のパッチワークに} 山の斜面が桜と新緑のパッチワークに

歴史上の人物も愛でた吉野山の桜

吉野山の桜の多くはシロヤマザクラという品種で、例年3月下旬~4月上旬にふもとから咲き始め、徐々に山を登るように開花していく。1か月ほどかけて楽しめるときもあれば、下から奥まで短期間に集中して開花する年も。咲いている桜の見事さはもとより、散った桜の花びらが谷間からフワリと空に向かって吹き上がる様子もまた、吉野山の地形と3万本という桜の木があってこそ体験できる圧巻の光景だ。
修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)を桜の木に刻んだという伝説が、吉野山の桜が神聖なものとして守り伝えられるようになった由縁だとされ、源義経、後醍醐天皇、豊臣秀吉、西行、松尾芭蕉、本居宣長ら、歴史上の人物も多く訪れた。

花と一緒に葉も出るヤマザクラ} 花と一緒に葉も出るヤマザクラ

世界遺産であり日本遺産

奈良、三重、和歌山の三県にまたがる吉野山を含む一帯は「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録された。奈良県内の構成資産は、吉野山、金峯山寺、吉水神社、吉野水分神社、金峯神社、大峰山寺で、奈良県天川村にある大峰山寺以外は吉野町に存在。金峯山寺と吉水神社は食事処や土産物店などの並ぶ道筋を歩いて約4~5分の距離、吉水神社から吉野水分神社へは山道を約50分、吉野水分神社から金峯神社へさらに山道を登って約30分。また、日本遺産「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地''吉野''~」での構成文化財となった地域食「吉野葛」や「柿の葉寿司」は、吉野山の参道にある複数の店舗で食べたり、テイクアウトしたりできる。

構成資産のひとつ、吉野水分神社} 構成資産のひとつ、吉野水分神社

柿の葉寿司は店によって味や包み方が異なり、食べ比べるのも楽しい} 柿の葉寿司は店によって味や包み方が異なり、食べ比べるのも楽しい

ハイシーズンは交通規制に要注意

行楽シーズン以外は、車が便利。吉野山観光駐車場(下千本駐車場)を利用し、そこから徒歩で吉野山の社寺や店などを巡るのがわかりやすいだろう。ただし主に観桜期は注意が必要だ。同駐車場は完全予約制になったり、山中のルートは一方通行になるなどの規制が行われる。車はふもとに駐車するか、公共の交通機関を利用する前提でのおでかけが安全。徒歩で登る場合は、最寄り駅の吉野駅から吉野山の中心エリアまで1時間ほどの軽登山となる。また1929年(昭和4)開業の現存する日本最古のロープウェイを利用することも可能で、車窓からの眺めも一見の価値ありだ。なおロープウェイの運行は時期によって条件が異なるので、こちらも事前に確認を。

軽登山とはいえ、服装や足元には気をつけ、安全に!} 軽登山とはいえ、服装や足元には気をつけ、安全に!

スポット詳細

住所
奈良県吉野郡吉野町吉野山 map map 地図
エリア
吉野エリア

情報提供: ナビタイムジャパン

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