金峯山寺

寺院

世界文化遺産に登録!飛鳥時代から続く日本独自の宗教修験道の根本道場

山岳信仰が盛んだった聖域・吉野山に道場を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)。信仰の中心地となるのが、日本最大秘仏である金剛蔵王大権現を祀る「金峯山修験本宗 総本山 金峯山寺(きんぷせんじ)」だ。

吉野山でひときわ大きい蔵王堂。1592年(天正20)に再建された国宝建造物} 吉野山でひときわ大きい蔵王堂。1592年(天正20)に再建された国宝建造物

神聖な奈良・吉野山に鎮座

奈良県の平地から吉野山へ向かうと、吉野川を渡ってゆるやかな登り坂に入っていき、次第に勾配がきつくなっていく。電車なら近鉄吉野線からロープウェイに乗り継いでさらに坂道を登り、ようやく金峯山寺の入り口へたどり着く。まず見えてくるのは国宝の仁王門だ。仁王門(2028年度まで解体大修理中)では、門の両側に高さ5mという巨大な仁王像(門修理期間中は、奈良国立博物館仏像館で展示公開)が睨みを利かせている。どちらも国の重要文化財に指定されている。さらに進むと右手に見えてくる蔵王堂は、まさに圧巻のスケール。高さ34m、屋根幅36mで、木造建築としては東大寺の大仏殿に次ぐ大きさだ。現在の本堂・蔵王堂は1592年(天正20)頃の再建。豊臣秀吉が天下を治めていた時代のもので、秀吉の寄進によって再建されたものと考えられ、豊臣一族や多くの大大名なども引き連れて花見にやってきたという。築400年以上になり、現在は国宝に指定されている。

金峯山寺を開山した役行者像。前鬼、後鬼という夫婦の鬼を従えている} 金峯山寺を開山した役行者像。前鬼、後鬼という夫婦の鬼を従えている

修験道の開祖・役行者が作った山岳信仰の本拠地

鬼神をあやつり、宙を駆けたという修験道の開祖・役行者。寺伝によると672年(白雉23)、彼が吉野の地で修験道の本尊・蔵王権現(ざおうごんげん)を感得し、その姿を山桜に刻んで祀ったことが、この寺の始まりといわれる。以来この山の霊力を信じる人々の手によって山桜は植えられ続け、いつしか春になると満開の桜が咲くようになったという。吉野山の桜はまさに信仰の象徴なのだ。古来、金峯山は聖地として知られており、力強いエネルギーがみなぎるパワースポットだ。ご利益は厄除けや開運招福と金運アップなど多岐にわたる。境内に愛染明王が祀られていることから縁結び、子宝のご利益もあるという。2004年(平成16)には本堂・蔵王堂と仁王門が世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして登録された。

蔵王堂内部の柱には、松やツツジなどの自然木が使用されており、歴史が感じられる} 蔵王堂内部の柱には、松やツツジなどの自然木が使用されており、歴史が感じられる

迫力の蔵王権現&体験できる山岳修行

国内最大の厨子内には、高さ7mの蔵王権現像が安置されており、毎年決まった時期に、蔵王権現像の特別拝観が行われている。怒りと慈悲を示す迫力のある姿・形相には畏怖さえ感じられる。境内にはほかにも観音様や明王を祀るお堂もある。さらに、蔵王堂から脇道を西へ入ると、珍しい八角形の三重塔「南朝妙法殿」が立っている。

本来は四方を守る四天王像があるはずだが、ここは持國天と増長天のみが立っている} 本来は四方を守る四天王像があるはずだが、ここは持國天と増長天のみが立っている

室町時代の十一面観音像を安置する観音堂} 室町時代の十一面観音像を安置する観音堂

金峯山寺では山岳修行の体験も実施しており、短期間の3日坊主コースから本格的なコースまで、自分にあったものを選べる。また、御守・念珠・御札・授与物なども種類が豊富で充実している。なかには、鏡のお守り「五嶽神鏡(ごがくしんきょう)」や邪気を吹き飛ばす「魔除けの法螺」(桐箱入り)のほか、奈良駅前のホテル日航奈良と金峯山寺がコラボした「くまぶしくん」というユニークなぬいぐるみがある。

南朝の四天皇の霊を祀っている南朝妙法殿。寺院ではあまり見られない造りになっている} 南朝の四天皇の霊を祀っている南朝妙法殿。寺院ではあまり見られない造りになっている

蔵王権現・蔵王堂の御朱印。右は本尊特別御開帳の時期のもの} 蔵王権現・蔵王堂の御朱印。右は本尊特別御開帳の時期のもの

発売以来、新聞やテレビで取り上げられ大人気のくまぶしくん。座高約37cmという特大サイズも用意されている} 発売以来、新聞やテレビで取り上げられ大人気のくまぶしくん。座高約37cmという特大サイズも用意されている

古代を感じられる奈良南部

金峯山寺のすぐ近くには、後醍醐天皇が勅願所としたと伝わる「如意輪寺」や後醍醐天皇が祀られている「吉野神宮」や「吉水神社」など、歴史を感じられる名所が点在している。後醍醐天皇は如意輪寺の裏山に葬られており、吉野山は後醍醐天皇のゆかりある地として知られている。そのほか、吉野山は飲食店や土産物店などが立ち並ぶ。「柿の葉ずし」はさばや鮭を柿の葉でくるんだ押し寿司で、吉野を代表する郷土料理。手軽に食べられておいしいので、吉野に来た際にはぜひ食べていただきたい。さらに、奈良平野の南部には日本最初の寺院「飛鳥寺」、巨大な観音様とアジサイで知られる「長谷寺」。葛城方面には中将姫伝説で有名な「當麻寺(たいまでら)」もあるので、あわせて立ち寄りたい。

スポット詳細

住所
奈良県吉野郡吉野町吉野山2498 map map 地図
エリア
吉野エリア
電話番号
0746328371
時間
[拝観時間]8:30-16:00
休業日
無休
料金
[拝観料]大人800円、中高生600円、小学生400円
※ご開帳時は別途
駐車場
なし(吉野山観光駐車場を利用下さい)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

咲-saki-阿知賀編 エンディングに登場。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 秘仏本尊 特別開帳
    3.0 投稿日 : 2023.04.22
    金峯山は吉野山から大峯山までの山岳霊場一帯のことで、金峯山寺は山下の蔵王権現ををまつる修験道の寺院です。仁王門が修理中でその勧進として秘仏の本尊が特別公開されていました。青い肌を持つ大きな蔵王権現三体は上から参拝者を見下ろし、かなりの迫力です。右側の本地千手観音菩薩と左側の本地弥勒菩薩の前には腰高の障子で区切られ一人ずつご本尊と対峙してお参りできるスペースが設けられています。満開の桜と秘仏...
  • 国宝仁王門勧進、蒼き秘仏公開
    5.0 投稿日 : 2023.04.14
    何度目かの金峰山寺ですが、初めて春に来ました。吉野のシンボルの一つ、日本最大の秘仏の青い3体の金剛蔵王が仁王門の大修理の勧進公開されており初めて拝むことができました。巨大な金剛蔵王のすぐ前に一人一人両脇と後ろを仕切られたスペースが設けられ告悔室にいるかのような気持ちで落ち着いて拝ませていただくことがができ、独特のブルーが沁みました。
  • 古刹と桜
    5.0 投稿日 : 2023.04.11
    日本一の桜の名所と称される吉野ですが、金峯山寺はその象徴的な場所です。今年の桜は開花が早かったので、本堂前の四本桜はスッカリ散っていました。重厚で堂々とした蔵王堂と華やかな桜のコントラストが見たかった。

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アクセス

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最寄り

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