薬師寺

寺院

人々の心に仏教の種をまき続ける、奈良時代を今に伝える寺院

古都奈良の文化を今に伝える史跡として、世界遺産の一部になっている薬師寺。歴史的価値があるだけでなく、ユーモアにあふれた親しみやすい法話やお写経などで知られ、わかりやすく楽しく仏教を感じられる寺院だ。

国宝・薬師三尊像を安置する金堂} 国宝・薬師三尊像を安置する金堂

よみがえった白鳳伽藍が訪れる人々を迎える

世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産のひとつに数えられる薬師寺。南駐車場から参道を抜け、休ヶ岡(やすみがおか)八幡宮を参拝して身を清めてから南門に向かうと、白鳳伽藍の東塔(とうとう)・西塔(さいとう)の姿が見えてくる。ひと目見ると、「世界遺産なのに新しいな」と感じるかもしれない。薬師寺の諸堂はたびたびの災害で失われているため奈良時代のものは東塔しか残っておらず、多くの堂は1976年(昭和51)以降に再建したもの。とはいえ見た目は新しくても、これらの堂は古社寺建築の調査研究に基づいて古代の工法に則って再建されたものだ。薬師寺大伽藍がよみがえり、約1300年前の人々が目にした鮮やかさで、そこにある。

中門から見た金堂もまた荘厳だ} 中門から見た金堂もまた荘厳だ

天皇家ゆかりの平城京の大寺を見る

680年(天武天皇9)、天武天皇が皇后・鵜野讃良皇女(うのさららのひめみこ)の病気平癒を祈願し、現在の橿原市にある本薬師寺跡の場所に薬師寺は建立された。しかし、天武天皇は病で完成前に亡くなってしまい、皮肉にも病気平癒を祈願された皇后(即位後は持統天皇)が伽藍整備を続けることになる。藤原京の遷都にともなって薬師寺が現在の場所に移転したのは718年(養老2)のこと。移したのは元明天皇(当時は譲位し太上天皇)となっている。訪れたらまず、天皇家ゆかりの寺であり、南都七大寺に数えられる官寺でもあった大寺院ならではの、今なお圧倒される大きさと壮麗さを感じたい。

金堂と、創建当時から残る高さ約34mの東塔} 金堂と、創建当時から残る高さ約34mの東塔

見どころ満載の白鳳伽藍

鎌倉時代の南門(重要文化財)横で拝観受付を済ませると、仁王の待ち受ける中門がある。中門に立ったとき、正面に見えるのが本尊・薬師三尊像を祀る「金堂(こんどう)」、やや手前の右にあるのが創建当時から残る白鳳時代の「東塔」(国宝)、そして左にあるのが再建された「西塔」だ。この配置は薬師寺が最初で、薬師寺式伽藍配置と呼ばれ、ほかには金堂や大講堂、食堂、僧坊、回廊の一部などが復元されている。回廊の外にある東院堂は、吉備内親王が母の元明天皇の供養のために発願建立したもの。本尊の聖観世音菩薩立像は白鳳時代のもので国宝。堂は鎌倉時代の再建だが、日本最古の禅堂として国宝に指定されている。

2020年(令和2)に約12年に及ぶ解体修理が完了した東塔} 2020年(令和2)に約12年に及ぶ解体修理が完了した東塔

回廊から見た、国宝「東院堂」} 回廊から見た、国宝「東院堂」

お坊さんの名法話で、仏様がもっと身近に

薬師寺は「お坊さんの法話がおもしろいお寺」としてもよく知られている。この法話が有名になったのは、災害や廃仏毀釈の影響で荒れた薬師寺を、太平洋戦争後に復興した薬師寺元管主・高田好胤(こういん)和上の影響が大きい。「仏法の種をまく」と、修学旅行生を対象に力を入れた法話は、親しみやすく、わかりやすく仏様の教えを伝えるもの。その精神は今も受け継がれ、薬師寺に修学旅行で訪れた学生たちが、家族で再訪することもあるという。法話や講座のスケジュールはウェブサイトに掲載されているので、予定を確認しておきたい。なお、高田和上はお写経勧進を始めたことでもよく知られるが、「お写経道場」では予約不要でお写経できる。

「お写経道場」は本坊内にある} 「お写経道場」は本坊内にある

スポット詳細

住所
奈良県奈良市西ノ京町457 map map 地図
電話番号
0742336001
時間
8:30-17:00(受付16:30まで)
休業日
無休
料金
[通常拝観券]大人1,100円、中高生700円、小学生300円
※玄奘三蔵院伽藍拝観可
※拝観料金は季節により異なります。公式ホームページをご確認ください。
[共通拝観券]大人1,600円、中高生1,200円、小学生300円
※通常拝観に加え、食堂・西僧坊拝観可
駐車場
あり(120台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
可(金堂、お写経道場可)
乳幼児の入店
ペットの入店
可(堂内は不可)
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 薬師寺参り
    4.0 投稿日 : 2023.06.08
    西の京駅から5分ほど、参道も静かで落ち着いている。薬師縁日に出かけたので、金堂の中で読経に合わせてお参りができた。写経道場ではコロナ禍で中止されていた接待が再開され、おうどんをいだきました。お堂は50年かけて復興されてきたものなので、古の寺を期待して行かれるとちょっと違うかも・・・でも1300年前に創建された時はこんなだったのかなぁ、と思いながら歩くのも良いと思います。一つだけ疑問。写経...
  • 木々が無く整然と建っている薬師寺
    4.0 投稿日 : 2023.06.06
    最近再建してきれいになったこともあって、お堂などが整然と建っている印象があり、近隣で木々に囲まれている唐招提寺とは趣が異なります。近鉄西ノ京駅からの道は狭く往来する車に気を付けなければならないですが、駅からのアクセスは非常に良いです。
  • 2つの塔が印象的
    5.0 投稿日 : 2022.12.10
    二つある三重塔が遠くからでも目立ちます。駐車場から向かう参道の両側は松並木になっています。東塔は創建当時から残っている塔です。再建された西塔はまだ新しく、色鮮やかです。こちらの塔は、木の縮や地盤沈下を考え、2メートル高く造られたそうです。この50年で50センチ縮んだとか。金堂には薬師三尊が、東院堂にはイケメンといわれる聖観世音菩薩様がいらっしゃいます。

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アクセス

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最寄り

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