大阪市立東洋陶磁美術館

美術館

世界第1級の質と量を誇る東洋陶磁の聖地

中国や韓国、日本など東洋陶磁の所蔵品数は5732件という、世界第1級の質と量を誇る東洋陶磁に特化した美術館。国宝2件をはじめ、見ごたえのある作品が並び、自然光あふれる心地いい空間とともに訪れる人の目と心を満たしてくれる。

周囲の緑に映える建物は陶磁器の美術館らしく外壁はレンガに} 周囲の緑に映える建物は陶磁器の美術館らしく外壁はレンガに

東洋陶磁に特化。コレクション展も見ごたえアリ

大阪のリバーサイド・中之島公園にたたずむ「大阪市立東洋陶磁美術館」は、中国や韓国、日本などアジアの陶磁を一堂に集め、展示する東洋陶磁に特化した美術館。中国・韓国の陶磁の収集では世界屈指の「安宅コレクション」を住友グループが大阪市に寄贈したことを記念して1982年(昭和57)に同館を設立。所蔵品5732件には国宝2件、重要文化財13件を含み、東洋陶磁のコレクションとしては世界第1級の質と量を誇る。そう聞くと、それ相応の知識がないと楽しめないようにも思えるが、ここは自然光を取り入れた展示室があったり、回転台で展示品が360度鑑賞できたりと、工夫を凝らした展示も多く、陶磁器初心者でも気構えることなく、その魅力に触れることできる。しかも、「美術品の美しさをより身近に感じてもらいたいから」と、美術館では珍しく、すべての作品は撮影が可能。定期的に特別展が開催されるが、コレクション展が充実しているので、いつ行っても見ごたえのある作品を見られるのもうれしい。

吹き抜けの光の庭ホールにも絵になる空間。すべての作品が撮影可能} 吹き抜けの光の庭ホールにも絵になる空間。すべての作品が撮影可能

国宝を世界初の自然採光展示ケースで楽しむ

2階のコレクション展示室では、陶磁器を中国、韓国、日本の国別・時代別で展示。「中国陶磁室」は後漢から明時代まで、長い歴史を有する陶磁器が展示され、そのなかには国宝の『油滴天目 茶碗』や『飛青磁 花生』も。独特の丸い斑紋と虹のような光彩をたたえた曜変で知られる『油滴天目 茶碗』は、伝世する油滴天目茶碗の最高峰で、関白・豊臣秀次が所持した品としても名高い名品だ。また、『飛青磁 花生』は豪商・鴻池家に伝来したもの。ふくよかな胴からほっそりとした引き締まった首など究極の造形美と、単純な緑色ではない独特の色合いが美しい飛青磁の最高傑作であり、中国国内でもこれほどの形で残っているものは少ないといわれる。しかも、その作品を自然光をとりこんだ自然採光展示ケースで鑑賞できる。往時の美術品を電気がなかった時代と同じ条件で楽しめるなんて感動ものだ。

元~明時代の中国陶磁室は特に色彩が鮮やかな作品が充実する} 元~明時代の中国陶磁室は特に色彩が鮮やかな作品が充実する

自然採光展示室で展示されているため、陶磁器本来の色合いを鑑賞できる (C)国宝『飛青磁 花生』元時代(14世紀)大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)} 自然採光展示室で展示されているため、陶磁器本来の色合いを鑑賞できる (C)国宝『飛青磁 花生』元時代(14世紀)大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

中国の小さな芸術品「鼻煙壺(びえんこ)」にうっとり

館内2階にある「韓国陶磁室」では、高麗時代(918〜1392年)から朝鮮時代(1392〜1910年)にかけて作られた陶磁器を展示する。青磁や粉青沙器(ふんせいさき)、白磁などの展示品のなかでも、特に目をひくのが高麗青磁の美しさだ。透明感のある艶やかな翡色をたたえ、精緻な象嵌(ぞうがん)技術を特徴とするその美しさをとくと味わいたい。また、3階には韓国陶磁の名品が並ぶ「李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクション」がある。再び2階に戻れば、「日本陶磁室」では信楽や備前、有田など、主要な産地の作品を鑑賞することができる。そして、同館を訪れる来館者のなかでもファンを集めるのが「沖正一郎コレクション 鼻煙壺室」だ。鼻煙壺とは嗅ぎタバコを入れる小さな容器のことで、1200件あるコレクションから内容を変えながら随時150件ほどを展示。陶磁やガラス、金属など材質の違いをはじめ、技法や文様なども多種多様で、中国の小さな芸術品は見飽きることがない。

「鼻煙壺室」は鼻煙壺の世界的なコレクターとして知られる沖正一郎氏から寄贈され開設。「韓国陶磁室」では高麗青磁など至玉の名品が展示される} 「鼻煙壺室」は鼻煙壺の世界的なコレクターとして知られる沖正一郎氏から寄贈され開設。「韓国陶磁室」では高麗青磁など至玉の名品が展示される

作品以外にも楽しみたいスポットが満載

企画展やコレクション展以外にも、館内にはアートを感じさせるところが数多くある。2階のフロアで天井を見上げると、鳥のオブジェ(こちらも安宅コレクション)を発見。また、階段や休憩スペースは壁一面に大きなガラス窓が配され、爽やかで気持ちいい水辺の景色が眺められる。

天井に飾られた名品もお見逃しなく (C)『鴨型土器』朝鮮・三国時代(4-6世紀)大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)} 天井に飾られた名品もお見逃しなく (C)『鴨型土器』朝鮮・三国時代(4-6世紀)大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

スポット詳細

住所
大阪府大阪市北区中之島1-1-26 map map 地図
電話番号
0662230055
時間
9:30-17:00(入館は16:30まで)
休業日
月(祝の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間
※2024年春頃まで改修工事のため長期休館
料金
展覧会ごとに定める
駐車場
なし
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、銀聯)
電子マネー/スマートフォン決済
可(iD、WAON)
Wi-Fi
あり(FreeーWifi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 陶磁器はお好きですか? 古代 or 現代?
    4.0 投稿日 : 2022.12.15
    大阪のビジネス街のど真ん中にある憩いの空間。梅田や北新地にほど近い場所ですが、興味のある人しか訪れないので、知的好奇心と静かな散策にはもってこいの場所です。二本の川に挟まれた中洲に立つ落ち着いた現代建築の陶磁器専門の美術館で、古代のアジア陶器の常設展示や、季節毎の企画展示があり、訪れた時はヘレンドのアンティーク展示だっけかな。近くには大阪市庁舎・レトロな中央公会堂(現在活躍中の漫画家達も同人誌即売...
  • 大阪の中心で国宝を楽しもう
    5.0 投稿日 : 2021.07.09
    安宅コレクションが多数楽しめる陶磁美術館。天目茶碗の他にも見るべき作品が多数あります。落ち着いた雰囲気で見学の途中に外の景色の楽しめる椅子に座れるスペースが何カ所があるのでゆっくり見学することができます。 また、ここの喫茶室がバツグンに美味しい! ビーフシチュー大満足でした。
  • 大阪の宝物です安宅コレクション
    4.0 投稿日 : 2020.10.21
    10月21日に訪問地下鉄淀屋橋駅から大阪市役所沿いに東へ歩いて5分ほど中之島公会堂の対面にあります今日は、天目茶碗の特別展を見に来ましたかつて十大商社にあげられていた、安宅産業のオーナーが収集した、朝鮮王朝や南宋、元、明、などの歴代中国の一級品の陶磁器が展示されています。国宝、重文、多数保有していて、安宅さんの目利きの凄さを感じます。残念ながら、カナダの石油会社に騙されて倒産してし...

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アクセス

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