千里浜なぎさドライブウェイ

日本で唯一、車両の走行が可能な砂浜の一般道

千里浜なぎさドライブウェイは国内で唯一、一般車両の走行が可能な砂浜の道路である。全長が約8kmあり、波打ち際をドライブする爽快さはここでしか体感できない魅力。能登観光に訪れたらぜひ立ち寄りたいスポットだ。

晴れた日は窓を全開にして潮風を頬に感じながら走ってみよう

通常、砂浜を自動車で走るとタイヤが埋まってスタックするが、千里浜なぎさドライブウェイはその常識が該当しない。秘密は砂の粒径が約0.2mmと微細な上、大きさも均一という点に隠されている。砂は毛細管現象によって常に海水を吸い上げて湿り、車が走行する重みで締め固められることにより、難なく走行できるというわけ。このような砂浜の道路は、世界でもアメリカのデイトナビーチ、ニュージーランドのワイタレレビーチと、ここだけ。ちなみに、魔法のような千里浜の砂は、約50kmも離れた手取川(てどりがわ)から流出した土砂のうち、軽い微細な砂が海流に乗ってたどり着くと見られている。まさに、自然がつくり出した芸術作品ともいえる道路だ。

青い空と白い雲、碧い海と白い波が抜群の爽快感を演出

波打ち際に愛車を寄せて、記念写真をパチリと1枚

千里浜なぎさドライブウェイは対面通行が可能で、出入り口は4つ。金沢からは、並走する「のと里山海道」の今浜ICで下りて「今浜口」から、能登から南下する場合は、千里浜ICで下りて「千里浜IC口」から入るとスムーズだ。車種の制限もなく、無料で季節を問わず24時間通行できる。ただ、海水浴客や散策を楽しむ歩行者が多いので、スピードの出し過ぎにはくれぐれも注意したい。また、海が荒れて波が高いと判断された場合は、通行規制が出される。「石川みち情報ネット」で随時発表されるので、出かける前の確認を忘れずにしておこう。

金沢方面からアクセスする場合は、のと里山海道の今浜ICで下りて「今浜口」から走行しよう

千里浜なぎさドライブウェイへ来たら、駐車ルールを守って車を停め、ぜひ歩いてみたい。訪れた日には青空が広がり、波が静かに寄せて引く音が心地良く響く。潮風に乗って鼻腔をくすぐる香りも届いた。ドライブウェイ南側の宝達志水町(ほうだつしみずちょう)にある貝焼き店で、創業50年の老舗など4店が3月から11月頃まで営業している。千里浜名物の白貝(万寿貝)やハマグリをはじめ、アサリ、サザエ、バイガイ串焼き、貝汁などメニューも豊富。基本、全店共通の価格設定になっており、新鮮な海の幸が手軽に食べられると好評だ。なお、千里浜なぎさドライブウェイ終点にも貝焼き店(浜茶屋)があり、こちらも11月まで営業している。

アットホームな雰囲気も人気となっている名物の貝焼き店

千里浜なぎさドライブウェイでゆっくり過ごしたい方には、ドライブウェイ北側、羽咋市(はくいし)の終着点に位置する「能登千里浜レストハウス」がおすすめだ。砂浜に面して海を一望できる広いウッドデッキがあり、オープンカフェになっている。レストランでは、七尾港直送の新鮮な魚介類のほか、館内の魚コーナーでみずから選んだ魚介類を焼いて食べることもできる。ショッピングゾーンには能登の旬の海産物や伝統工芸品、土産がそろう。2階はコワーキングスペースとなっていて、オフィスワークや読書などで7時から23時まで利用できる。高速Wi-Fi、多数の電源コンセントのほか、オンライン会議に便利な個室まで備えている。

リニューアルして魅力が増した能登千里浜レストハウス