兼六園

庭園

大名の美意識を集約した「日本三名園」のひとつ

城下町金沢のシンボル的な存在が兼六園である。加賀百万石の美意識を集約した江戸時代の代表的な大名庭園で、水戸の偕楽園(かいらくえん)、岡山の後楽園(こうらくえん)とともに「日本三名園」と称され、国の特別名勝に指定されている。

兼六園でいちばんの撮影スポットとなっている霞ヶ池と徽軫灯籠、虹橋} 兼六園でいちばんの撮影スポットとなっている霞ヶ池と徽軫灯籠、虹橋

四季を鮮やかに映す池泉回遊式庭園の傑作

兼六園は金沢市の中心部に位置し、お堀通りを挟んで金沢城公園と向かい合っている。金沢城石川門へと通じる石川橋最寄りの桂坂口から入園し、ゆるい坂を上ると真っ先に目に入るのが、静かに水をたたえる霞ヶ池(かすみがいけ)だ。春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、鮮やかに変わる四季を水面に映し出す鏡でもあり、琴柱を模した徽軫灯籠(ことじとうろう)をバックに虹橋で記念撮影する観光客でいつも賑わっている。前田家の歴代藩主が約180年かけて完成させた池泉回遊式庭園の傑作といえ、作庭で相反する「宏大と幽邃(ゆうすい)」「人力と蒼古(そうこ)」「水泉と眺望」の6つの景勝を兼ね備えていることからその名がついた。

堂々たる風格を見せる唐崎松(からさきのまつ)。冬の風物詩「雪吊り」の作業はいつも唐崎松から始まる} 堂々たる風格を見せる唐崎松(からさきのまつ)。冬の風物詩「雪吊り」の作業はいつも唐崎松から始まる

金沢の市街地を一望できる眺望台。ツツジが咲く頃は一段と華やぐ} 金沢の市街地を一望できる眺望台。ツツジが咲く頃は一段と華やぐ

飽きさせない数々の工夫と深山の演出

霞ヶ池の風情を十分に味わってから、園内散策を始めよう。園北側の眺望台からは借景となる卯辰山(うたつやま)の緑と陽光を反射する黒瓦の交じる市街地、遠くに戸室山(とむろやま)や加賀平野を望むことができる。歩いていると、せせらぎの音が心地良く響く。「曲水(きょくすい)」と呼ぶ浅くゆるく蛇行した小川で、5月に咲くカキツバタは一見の価値がある。曲水沿いに歩を進めるうち、緑の苔とカエデやトチノキなどの落葉樹が茂る山崎山に着く。その岩間から流れ出る水が曲水の源流だが、これも人工の技術というから驚く。山崎山の別名は「紅葉山」で、晩秋には一面が赤や朱、黄色に色づき、街中では珍しい紅葉スポットとしても知られる。

曲水にかかる「雁行橋(がんこうばし)」渡り鳥のガンが列をなして飛ぶ姿を11枚の赤戸室石でデザインしている} 曲水にかかる「雁行橋(がんこうばし)」渡り鳥のガンが列をなして飛ぶ姿を11枚の赤戸室石でデザインしている

高さ15mの豪快な「根上松(ねあがりのまつ)」。盛り土の上に植樹し、成長後に土を除去して根を露出させた} 高さ15mの豪快な「根上松(ねあがりのまつ)」。盛り土の上に植樹し、成長後に土を除去して根を露出させた

築山(つきやま)として造成された山崎山は高さ9m、周囲160m。山頂に茅葺き屋根のあずまやがある} 築山(つきやま)として造成された山崎山は高さ9m、周囲160m。山頂に茅葺き屋根のあずまやがある

地形の高低差を体感し、作庭技術にも注目

兼六園最奥の山崎山から、今度は園南側の梅林を通って金沢城方向に戻る。梅林は前田家の家紋「剣梅鉢(けんうめばち)」にちなみ、約20種、約200本の梅が2月中旬から3月中旬にかけ見頃を迎える。下りこう配を足に感じながらお堀通り近くまで来ると、瓢池(ひさごいけ)が出迎えてくれる。一帯は、5代綱紀(つなのり)が1676年(延宝4)に作庭に取りかかった兼六園の原点といえる場所。落差6.6mの翠滝(みどりたき)が岩に砕けて瓢池に流れ落ち、近くには日本最古といわれる噴水が勢いよく水柱を上げる。この翠滝も噴水も、霞ヶ池との高低差を巧みに利用したもので、噴水は高低差で生じる水圧差で水が噴き上がる仕組みだ。兼六園が傾斜地を上手に活用し、立体的な空間演出と江戸時代の高い作庭技術で造られていることがわかるだろう。

江戸末期の作と伝わる日本最古といわれる噴水。水の高さは約3.5mで、霞ヶ池の水位の変化によって変わる} 江戸末期の作と伝わる日本最古といわれる噴水。水の高さは約3.5mで、霞ヶ池の水位の変化によって変わる

スポット詳細

住所
石川県金沢市兼六町1 map map 地図
電話番号
0762343800
時間
[3/1-10/15]7:00-18:00
[10/16-2月末日]8:00-17:00
休業日
年中無休
料金
[入園料]320円
駐車場
なし
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい
備考
※電話番号は金沢城・兼六園管理事務所へ繋がります。
※ペットの入園は不可(盲導犬等の補助犬は除く)

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

らき☆すたの22話にて、泉こなたの両親がデートしていた場所のモデルであると言われている。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 七福神めぐり
    4.0 投稿日 : 2021.11.18
    七福神山のほぼ真ん中にある石塔です。石材は赤戸室石で、火袋や火口があるので灯籠のようにも見えます。七福神山は福寿山とも称され、七福神に見立てた7つの自然の石が置かれています。
  • 七福神山の塔
    3.0 投稿日 : 2020.04.23
    兼六園では私は5つほど塔を見ましたが、毘沙門塔は七福神山に立っていました。個人的には松や桜の方が好きですが、アクセントとしては良い石塔かなと思います。
  • 七福神山にあります。
    4.0 投稿日 : 2019.12.17
    兼六園の七福神山の真ん中あたりにある石塔です。なぜ毘沙門塔というのかわかりませんが、七福神のひとりが毘沙門天ということと関係があるのでしょうか? 兼六園内にはいくつか小さな塔があるので、それらと見比べていくのもおもしろいです。

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アクセス

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