都立 芝公園

4号地にある人気の撮影スポット

環状になった広大な公園

徳川家の墓所があることで知られる増上寺と、戦災で焼失した徳川家霊廟跡地に建てられたホテルを取り囲むように、環状形に広がっているのが芝公園だ。東京タワーの東に位置し、趣のある写真の撮れるスポットとしても人気を集めている。上野恩賜公園などとともに長い歴史をもつ公園でもある。園内には児童遊園や有料のスポーツ施設もあり、家族連れでいつも賑わっている。約200本の桜が植えられているほか、新宿から移植された梅林もあり、可憐な花で園内を彩る。

「銀世界」と称されていた梅林を明治時代に移植。2月中旬から3月にかけて見頃となる

日本で最も古い公園のひとつ

1873年(明治6)、太政官布達(だいじょうかんふたつ、明治維新政府による交付)によって、上野、浅草、深川、飛鳥山、そして芝の5つが、日本で最初の「公園」として指定された。当時は、増上寺の境内を含む広大な公園で、総面積は現在の3倍ほどあったという。戦後の政教分離により、増上寺境内の敷地が除かれたことで、リングのような形態をもつ公園となった。また、1902年(明治35)、園内に運動器具が設備された芝公園は、東京で初めて運動施設を備えた公園とされている。

林のようになった一角もあり、都心にいながら自然に親しめる場所

1700年前の古墳が園内に

環状になった芝公園は、1-25号地に区画が分けられている。東京タワーの人気ビュースポットがあるのは4号地。街灯の並ぶプロムナードの先に東京タワーがそびえ立ち、タワーがライトアップされる夜景もまたフォトジェニックだ。地下鉄芝公園駅から近い1号地には、4世紀後半に築造されたと考えられる「芝丸山古墳」がある。全長100mを超えるといわれる都内最大級の前方後円墳で、現在は上部が広場となり、散策を楽しむことができる。このほか、2020年(令和2)に景観の復元工事が完了した「もみじ谷」(19号地)、2021年(令和3)に完成した「おもてなしの庭(日本庭園)」(6・8号地)などがあり、公園に新たな魅力を加えている。

頂上に上ることのできる芝丸山古墳

古墳の上にある伊能忠敬測地偉功表。測量の起点が芝公園近くにあったことに由来し1889年(明治22)に建てられたが、戦災で失われ、1965年(昭和40)再建