十楽寺
縁結びや眼病治癒にも期待。第七番札所ならではのご利益
空海の作と伝わる阿弥陀如来坐像を本尊に
四国八十八ヶ所霊場の第六番札所、安楽寺から約1.2km。車で移動するのであれば、県道138号線経由で向かうのがわかりやすい。第七番札所である十楽寺の創建年代は、806年(大同元)から810年(大同5)までの間だと考えられているが、はっきりしない。現在地よりも少し離れた十楽谷の堂ヶ原を訪れた空海が、阿弥陀如来を感得(かんとく)し、クスノキの霊木にその坐像を刻んで本尊とし、堂宇(どうう)を建立して開基(かいき)したと伝えられる。元来、人が背負う生(しょう)・老・病・死・愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとくく)・五陰盛苦(ごおんじおく)という「八つの苦難」を阿弥陀如来の慈悲によって克服し、聖衆来迎楽(しおじゅうらいごうらく)をはじめとする「十の光明に輝く楽しみ」を得られるようにという願いが山号と寺号に込められているという。
四国八十八ヶ所では珍しい愛染明王も人気
かつては阿波北部でも有数とされる広大な七堂伽藍(しちどうがらん)を有していた十楽寺だったが、1582年(天正10)に長曾我部元親(ちょうそかべもとちか)率いる軍勢の兵火に遭い焼失。僧たちが本尊の阿弥陀如来などを運び出して避難しており、約半世紀後の1635年(寛永12)に現在地で再建されたという歴史がある。現在は四国八十八ヶ所霊場の第七番札所としてだけではなく、愛染明王(あいぜんみょうおう)を祀(まつ)った愛染堂も人気だ。あらゆる縁結びと縁切りにご利益があるとされ、特に女性の参拝客が目立つようになったという。縁を結びたい場合は左側、縁を切りたい場合は右側と、入り口が異なるため注意。そして、本堂は江戸時代のものではなく、1994年(平成6)に新築されたもの。空海の作と伝わる本尊の阿弥陀如来坐像は秘仏とされ、残念ながらふだんは非公開となっている。
失明した母の眼を治したという奇跡の石
本堂の左奥に大師堂へと至る石段があるのだが、その左側に緑色の屋根の小さなお堂が立っている。ここに祀られているのが、眼病の平癒(へいゆ)にご利益があるという治眼疾目救歳地蔵尊(ちがんしつもくきゅうさいじぞうそん)だ。数百年の昔、親孝行な息子が、失明した母の手を引いて四国を巡礼していた際、大師堂の下にあったこの石に心がひかれ、一心不乱に地蔵菩薩真言を唱えたところ、眼が見えるようになったという。以来、眼病に霊験あらたかな仏として信仰を集めている。誰にも知られることなく、弘法大師ゆかりの修行僧が置いた霊石なのではないかという説もあるそうだ。また、敷地内には80名が収容できるビジネスホテルスタイルの宿坊「光明会館」があり、多くのお遍路(へんろ)さんが利用している。周辺に宿泊できる施設が少ないため、旅程によっては積極的に利用したい。
スポット詳細
- 住所
- 徳島県阿波市土成町高尾字法教田58 地図
- エリア
- 脇町エリア
- 電話番号
- 0886952150
- 時間
- 7:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 駐車場
- あり
- 喫煙
- 不可
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- お地蔵様、全員集合!
- 十楽寺の売り文句は、やはり水子地蔵だと思います。大中小のお地蔵さんがあって赤い前垂れと混凝土colorの2色が冴えて見応えがあります!
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- 愛おしさがつのります
- 四国八十八ヶ所霊場第七番札所の十楽寺の朱と白のコントラストが美しい山門(鐘楼門)をくぐるとまず最初に目に飛び込んでくるのが水子地蔵尊です。幼子二人がすがる大きなお地蔵様が一体、中ぐらいのお地蔵様が一体、そして沢山の小さなお地蔵様が並んでいます。全部で70体程あるようです。赤い前垂れをかけた小さな可愛いお地蔵様が整然と並ぶ様に愛おしさがつのります。
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