大山
四季折々に美しい景色を見せる中国地方の最高峰
場所によってさまざまな山容を見せる
大山隠岐国立公園にある中国地方の最高峰「大山(だいせん)」(剣ヶ峰1729m)は、登山家・作家として名を馳せた深田久弥(ふかだきゅうや)さんの随筆『日本百名山』に登場する名山のひとつだ。奈良時代に編纂された『出雲国風土記』では「大神岳」や「火神岳」と記された「大いなる神の在(ます)山」で、日本遺産の「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」の構成文化財にもなっている。大山は、その雄大な山容でも多くの人を魅了してきた。西側からは、すそ野が円錐状に広がり、「伯耆富士(ほうきふじ)」、すなわち伯耆地方の富士山という呼称にふさわしい美しい姿が見える。南側の江府町方面から見ると、切り立った険しい山肌があらわに見える。そして、北壁は、日本一の規模の溶岩ドームによって形成された屏風型の岩肌がすばらしい。このように場所によって、まったく違う表情を見せるのが特徴といえるだろう。また、西日本最大級のブナ林や、特別天然記念物に指定されるダイセンキャラボクなど、さまざまな植物や昆虫の生態系も知られ、時期によって多彩な風景を見せてくれる。景色を楽しみながらの大山ドライブは新緑や紅葉の季節に特に人気が高い。周辺各所に約10の展望駐車場が整備されているので、事前にチェックして出かけよう。
多彩な文化・レジャー施設が点在
大山登山は四季を通して親しまれ、年間約6万人が登山するという。毎年6月に安全を祈願するために開催される「大山夏山開き祭」を境に、夏の大山は多くの登山客や避暑客で賑わう。整備された登山ルートは、初級者でも比較的歩きやすい。最もポピュラーな「夏山登山道コース」は、登山口から頂上小屋を目指す往復6時間のコースで、途中、西日本最大級のブナ林や国の天然記念物ダイセンキャラボクを見ることができる。山頂付近からの日本海や島根半島のパノラマも見事。下山は、行者谷分かれから行者登山道に入り、大神山神社奥宮、大山寺に参詣して帰るのがおすすめ。ガイド付きのトレッキングもあるので事前に調べよう。そして、大山を背景にして魅力がいっそう増す名所も多い。日本最大級のフラワーパーク「とっとり花回廊」は、大山をバックにさまざまな花が映えて美しい。「植田正治写真美術館」は、大山の姿を建物に巧みに取り込んでいる。また、大山には、広大なブナ林にはぐくまれた豊かで良質な伏流水や湧水が多数存在する。大手飲料メーカーのミネラルウォーターの工場があり、また、環境省の「平成の名水百選」のひとつ「地蔵滝の泉」もある。
文学にも登場する大山
大山は文学作品にも登場する。志賀直哉は小説『暗夜行路』で物語の終着点に大山を選んでいる。自分の出生の秘密を知り、苦悩してきた主人公が、大山から見た壮大な夜明けの姿に解き放たれる場面が有名だ。「大神山神社奥宮」へ続く石畳の参道の途中には、自然岩に「暗夜行路 ゆかりの地」と刻まれた碑がある。志賀直哉は1914年(大正3)に現地を訪れ、宿坊に滞在していたそうだ。俳誌『ホトトギス』を主宰していた高浜虚子は大山吟行し「秋風の急に寒しや分の茶屋」という句を残している。この句碑は「大山寺」の参道にある。現在の伯耆町生まれの作家大江賢次の小説『絶唱』にも大山が登場し、桝水高原に『絶唱』の一節を彫った文学碑が設置されている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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