大原美術館

美術館

印象派から国内外の近現代美術、民藝運動を主導した作家の作品、東洋古美術まで名品をそろえる

地方都市倉敷に1930年(昭和5)、日本最初の西洋美術中心の私立美術館として誕生した大原美術館。戦後も日本の近代洋画を展示する分館や民藝運動を主導した作家の作品を紹介する工芸館などが加わり日本を代表する総合美術館として成長している。

大原美術館本館の外観は古代ギリシャ・ローマ神殿風} 大原美術館本館の外観は古代ギリシャ・ローマ神殿風

実業家と画学生の友情から誕生した

倉敷美観地区の核となっている大原美術館は、倉敷紡績(現クラボウ)社長などを務めた実業家大原孫三郎(おおはらまごさぶろう)と洋画家児島虎次郎(こじまとらじろう)の信頼と友情から生まれた。孫三郎の支援を得て虎次郎は欧州へ渡り、「日本の芸術界のために」と、館の看板作品となるエル・グレコ『受胎告知』のほか、モネの『睡蓮』、マティスの『マティス嬢の肖像』といった作品を収集した。いずれも今では簡単には手の届かない名品ぞろい。47歳で早世した虎次郎を悼んだ孫三郎が1930年(昭和5)に収集品と虎次郎の作品を展示するために建設したのが大原美術館(現在の本館部分)だ。日本初の西洋近代美術館が東京ではなく地方都市倉敷に、しかも民間の力で誕生した意義は深い。

エル・グレコの『受胎告知』は美術館の顔。本館に特別な空間が作られている } エル・グレコの『受胎告知』は美術館の顔。本館に特別な空間が作られている

アリスティド・マイヨール『イル=ド=フランスのトルソ』} アリスティド・マイヨール『イル=ド=フランスのトルソ』

どの展示室も傑作ぞろい} どの展示室も傑作ぞろい

江戸時代の米蔵を利用、改装して中庭を取り巻くように工芸・東洋館は造られていった} 江戸時代の米蔵を利用、改装して中庭を取り巻くように工芸・東洋館は造られていった

美術の大海へと導く総合美術館

戦後、孫三郎の長男で倉敷絹織(現クラレ)社長だった大原總一郎(おおはらそういちろう)は、日本の近代洋画、民藝運動に携わる作家たちの作品、欧米の前衛芸術作品などを収集してコレクションを拡充した。その展示のため、本館を拡充したほか、敷地内に日本の近代洋画、彫刻や現代美術作品を展示する「分館」(2023年3月現在長期改修中につき休館中)、棟方志功(むなかたしこう)ら民藝運動に携わる作家6人にそれぞれ展示室を設けて作品展示する「工芸館」のほか、虎次郎の収集品を含めた中国やエジプトなどの古美術品を並べる「東洋館」を次々に開館し、ユニークな総合美術館へ成長した。「工芸・東洋館」はともに江戸時代の米蔵を再生したもの。「工芸館」に取り上げられた芹沢けい介(せりざわけいすけ)が内装のデザインを手がけており建物自体も作品として評価が高い。それぞれの館はコンパクトな展示だが、いずれも質の高い作品が並んでおり、館から館へ巡っていくと果てしなく広がる美術の大海へ導かれるようだ。

工芸館のなかの棟方志功室} 工芸館のなかの棟方志功室

より親しんでもらえる美術館を目指す

2021年(令和3)10月、美観地区内に新しい顔である「大原美術館 新児島館(仮称)」が暫定開館した。中国銀行から寄贈された倉敷本町出張所(市指定文化財)を改装したもの。2022年(令和4)11月には暫定開館を終了。正式名称を「児島虎次郎記念館」とすることが決定し、2024年度末のグランドオープンをめざしている。すぐ近くには国指定重要文化財の旧大原家住宅を一部改装した「語らい座大原本邸」もあり、こうした大原美術館とゆかりのある施設と連携して、より魅力を高めていくという。

暫定期間中は現代アーティストのヤノベケンジの大作『サン・シスター(リバース)』を展示していた} 暫定期間中は現代アーティストのヤノベケンジの大作『サン・シスター(リバース)』を展示していた

スポット詳細

住所
岡山県倉敷市中央1-1-15 map map 地図
電話番号
0864220005
時間
[12-2月]9:00-15:00(最終入館14:30)
[3-11月]9:00-17:00(最終受付16:30)
休業日
月(祝を除く)、7月下旬-8月・10月は無休、冬期休館あり
料金
【入館料】
[一般]2,000円
[高校・中学・小学生(18歳未満の方)]500円
駐車場
なし
車椅子での入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 見ごたえのある美術館
    5.0 投稿日 : 2023.02.27
    倉敷の美観地区にある日本を代表すると言っていいレベルの美術館です。絵画だけでなく陶器などの工芸品も色々と展示してあって見ごたえがあります。倉敷に行ったらぜひ立ち寄るべきところです。
  • 名画は傑作揃い
    4.0 投稿日 : 2023.02.16
    ギリシャ神殿風の本館には、名画が展示されていた。工芸館・東洋館には、高価そうな壺皿、石像の頭部などが展示してある。自分は工芸品には興味がなく、名画見たさに入館。名画は数は多くないが、傑作ばかりだった。特に出来が良いな、と思ったのは、ゴーギャンの「かぐわしき大地」あと、グレコの「受胎告知」は必見。グレコの作品は、日本にはとても少ない。それだけに貴重だ。
  • 近現代美術館
    5.0 投稿日 : 2022.12.17
    入館料1500円で見応えがあった。世界中けら集められた近現代美術の名作がずらりと並ぶ。エルグレコの受胎告知、モネの睡蓮、ゴーギャンのかぐわしき大地などなど。日本人画家では切手で見たことがある岸田劉生の童女舞姿。本当に素晴らしい!

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アクセス

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