中尊寺

寺院

開山から約1200年。平和への祈りを重ね続ける中尊寺

「この境内に入り詣でれば、ひとりも漏れなく仏さまに頭を撫でていただくことができる」。これは、奥州藤原氏の初代清衡(きよひら)公が書物に記した言葉。樹齢300年の杉林がやさしく誘う参道を進みながら、諸仏に手を合わせていくと、心に清らかさが満ちてくる。

1909年(明治42)に再建された本堂。本尊は釈迦如来。像の高さは約270cmもある(画像/中尊寺使用許可済) 1909年(明治42)に再建された本堂。本尊は釈迦如来。像の高さは約270cmもある(画像/中尊寺使用許可済)

樹齢300年の杉林が誘う月見坂

表参道から入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、荘厳な杉林と急な上り坂。「ここを歩いていくのか」と思わず口にしてしまうほどの坂道には理由がある。中尊寺が位置しているのは、標高130mほどの東西に長い丘陵地。中尊寺というのはこの山全体の総称であり、本寺である中尊寺と山内17ヶ院の支院(大寺の中にある小院)で構成される一山寺院だからである。参道を上り始めると、両脇には江戸時代に伊達藩によって植樹された樹齢300年を数えようかという杉が木かげを作り、参拝者を労ってくれているようにも感じる。陽が差し込んだり、霧が立ち込めたりと、季節や時間によって表情を変える「月見坂」。古杉からのパワーを感じながら、一歩一歩ゆっくりと進もう。

表参道入り口から本堂までは約550m、金色堂までは約800m(画像/中尊寺使用許可済) 表参道入り口から本堂までは約550m、金色堂までは約800m(画像/中尊寺使用許可済)

坂を上りきったご褒美は東物見台からの景色

月見坂を歩き続けて杉林を抜けると、一気に景色が開けてくる。ここは「東物見台」と呼ばれる場所で、平泉町の北東方面が眼下に広がる。展望台脇に建てられた石碑には「前九年後三年役 衣川古戦場跡(ぜんくねんごさんねんのえき・ころもがわこせんじょうあと)」とある。つまり、この景色の先にある衣川周辺は、奥州藤原氏の初代清衡公が争い事のない理想郷を目指すきっかけとなった前九年役・後三年合戦の戦場でもあるのだ。もともと中尊寺は、850年(嘉祥3)に慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開山された地。12世紀になってから、長い戦乱で亡くなった人々の霊をなぐさめ仏国土を建築するために、清衡公が多くの堂塔を造営。多くの堂は焼失してしまったが、3000余りの美術・文化品が残されている。

俳人・松尾芭蕉も、同じ景色を眺めたかもしれない(画像/中尊寺使用許可済) 俳人・松尾芭蕉も、同じ景色を眺めたかもしれない(画像/中尊寺使用許可済)

豪華絢爛の天井画、屋根を支える組物が見事

表参道沿いには諸堂があちらこちらに点在し、それぞれに異なる趣がある。ほとんどが江戸時代中期以降に再建・移築されたもの。「弁慶堂」は1827年(文政10)の建立で、ご本尊は勝軍地蔵。古くは「愛宕堂」との名があったが、源頼朝に追われて平泉に落ち延びた源義経と弁慶の木像を安置し、明治以降は「弁慶堂」と呼ばれるようになった。勇ましい弁慶と義経の表情も見どころだが、なにより堂内の天井画に目を奪われる。そこに描かれているのは、60種余りの草花。多彩な色づかいや生きいきとした描写に、美に対する豊かさを感じる。また、屋根を支える組物(くみもの)など、高い建築技術によって造られた堂を、内側からも外側からもじっくり堪能したい。

急な月見坂を上った先、東物見台の向かいにある「弁慶堂」(画像/中尊寺使用許可済) 急な月見坂を上った先、東物見台の向かいにある「弁慶堂」(画像/中尊寺使用許可済)

堂内の格天井と見事な草花の絵(画像/中尊寺使用許可済) 堂内の格天井と見事な草花の絵(画像/中尊寺使用許可済)

境内の最も奥にある、隠れ家的な食事処

中尊寺を訪れるいちばんの目的は「金色堂」かもしれない。それでも境内をじっくり歩き、諸堂を巡るうちに、金色堂以外にも中尊寺の奥深さを感じるだろう。時間に余裕があれば、赤い鳥居の先にも足を延ばしたい。中尊寺の北方を鎮守(ちんじゅ)するため慈覚大師円仁が勧請(かんじょう)した「白山神社」、伊達藩によって再建された国の重要文化財の「能楽堂」など、見どころはまだまだ尽きない。そして、その先に静かにたたずむのが、食事処「かんざん亭」。平泉で採れた自然薯(じねんじょ)を使った蕎麦、甘味やコーヒーなどを味わえる。店内奥にはテラス席もあり、天気が良ければ秋田県境の焼石岳も展望できる。ジャズを聴きながら、中尊寺の境内巡りの余韻に浸りたい。

自然薯を使ったモッチリ食感のティラミス(画像/中尊寺使用許可済) 自然薯を使ったモッチリ食感のティラミス(画像/中尊寺使用許可済)

店内西側の窓またはテラスからは遠くに山々が見える(画像/中尊寺使用許可済) 店内西側の窓またはテラスからは遠くに山々が見える(画像/中尊寺使用許可済)

スポット詳細

住所
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
電話番号
0191462211
時間
8:30-17:00
[11/4-2月末日]8:30-16:30
休業日
無休
料金
【有料拝観区域(金色堂・讃衡蔵・経蔵・旧覆堂)】
[大人]800円
[高校生]500円
[中学生]300円
[小学生]200円
駐車場
あり(490台)
クレジットカード

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 金色堂の向かい側に
    4.0 投稿日:2021.11.20
    広い中尊寺境内で、水に因むご本尊を現すように唯一池に囲まれたお堂です。18世紀初めに建立されたもので、時の伊達藩主正室仙姫により寄進された弁財天十五童子が安置されています。木造平屋、寄棟茅葺、高床式で向拝付きの造りになっており、陸地と島をつなぐ石造りの太鼓橋や、池に映り込む紅葉とお堂のコラボがとても風流でした。
  • 弁財天堂 ちょっと地味ですが
    3.0 投稿日:2020.07.29
    本尊の弁財天十五童子(べんざいてんじゅうごどうじ)は仙台藩主伊達綱村公(だてつなむらこう)の正室仙姫(せんひめ)によって1705年に寄進されたもので、堂は1716年に建立されました。また堂内には千手観音菩薩二十八部衆(せんじゅかんのんにじゅうはちぶしゅう)も安置されています。
  • 桜と茅葺屋根
    4.0 投稿日:2020.01.24
    旧・奥州街道をランニングで旅した際に立ち寄りました。桜の季節でしたが、桜の木々に囲まれた茅葺屋根のお堂がとても風情がありました。

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