瑞巌寺

寺院

政宗が建立した伊達家の菩提寺

松島にある瑞巌寺は臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院。伊達政宗が5年の歳月をかけて完成させた奥州随一の古刹。本堂・庫裡(くり)および廊下が国宝に指定されている。絢爛豪華な襖絵は必見。

入母屋造の本瓦葺きで造られた本堂} 入母屋造の本瓦葺きで造られた本堂

桃山文化の粋を尽くした瑞巌寺

最寄り駅は松島海岸駅。ここから松島のメインストリート・松島海岸通りを歩いて、約7分で瑞巌寺に着く。瑞巌寺の前身は828年(天長5)に慈覚大師円仁(じかくたいしえんにん)により開創された天台宗延福寺と伝わる。13世紀中頃、鎌倉幕府5代執権・北条時頼(ほうじょうときより)の手により臨済宗円福寺が建立された。関ヶ原の戦いのあと、仙台藩初代藩主・伊達政宗(だてまさむね)が神社仏閣の造営を積極的に行っていたなかで、衰退していた円福寺の復興に尽力。畿内から130人ほどの名工を招き、最高の用材と最新の技術を用いて、1609年(慶長14)5年の歳月をかけて完成させている。
桃山美術を現在に伝える貴重な建築物であることから、1953年(昭和28)に本堂、1959年(昭和34)に庫裡および廊下が国宝に指定。2018年(平成30)には、10年におよぶ「平成の大修理」が完了し、創建当初の姿がよみがえった。

見る者を圧倒する「室中(孔雀の間)」} 見る者を圧倒する「室中(孔雀の間)」

襖絵と天井が部屋ごとに異なる10室

瓦の大屋根が美しい本堂は、1609年(慶長14)に建造された全10室からなる建物。各部屋には目的にあったテーマで襖絵障壁画が配されている。本堂の中心となる「室中(孔雀の間)」(しっちゅうくじゃくのま)は、部屋全体が黄金に輝く豪華絢爛な部屋。襖には、仙台藩のお抱え絵師・狩野左京(佐久間修理)が手がけたといわれる孔雀の絵が描かれている。孔雀と四季を描いた襖絵は、時の流れと逆行するように反時計回りで冬、春、秋となっていて、世俗的な時間を超越した場所ということを表現。この部屋全体が目に見える極楽浄土であることを示している。天井の造りにも注目。天井をさらに上に折り上げた二重折上小組格天井(にじゅうおりあげこぐみごうてんじょう)という、格式の高い部屋に施す古い日本建築様式が用いられている。

長谷川等胤(はせがわとういん)が「上段の間」の襖絵を手がけた} 長谷川等胤(はせがわとういん)が「上段の間」の襖絵を手がけた

さまざまな部屋が往時の姿のまま残る

室中(孔雀の間)の左手奥には、他の部屋より畳面が一段高くなる藩主御成の部屋「上段の間(じょうだんのま)」、さらに一段高い天皇や皇族を迎える「上々段の間(じょうじょうだんのま)」がある。
上段の間の襖絵「四季花卉図」は、平和と豊かさ、床の間の「梅竹図」は藩主の資質として理想とされる高潔と清操、正面右手にある帳台構の「牡丹図」は富貴を表している。上々段の間は、1876年(明治9)明治天皇東北巡幸の際に行在所となり、一夜をお過ごしになられた。
ほかには、茶道衆の詰め所として使われた「松の間(まつのま)」、御典医の詰め所として使われた「菊の間(きくのま)」、住職・僧侶の控えの部屋「墨絵の間(すみえのま)」などがある。菊の間には薬草として重宝された菊を、墨絵の間には水墨画で禅をテーマにした「龍虎図」など、部屋の役割に合った襖絵が施されているのが興味深い。

本堂唯一の水墨画で構成された「墨絵の間」} 本堂唯一の水墨画で構成された「墨絵の間」

台所の役割を担っていた建造物

本堂とともに国宝に指定されている庫裡は台所の役割を担っていた建物。切妻造の本瓦葺で、大屋根の上には入母屋造の煙出しをのせている。通常、庫裡は実用的な建物であるためあまり装飾はないが、瑞巌寺の庫裡は複雑に組まれた豪快な梁や妻飾に唐草彫刻が施されているのが珍しい。境内には、重要文化財の本堂障壁画や伊達家から寄贈された絵画、美術工芸品などが収蔵・展示されている「宝物館」もある。常設展示室の見どころのひとつは、政宗の正室・愛姫(めごひめ)が制作させた、ほぼ等身大の木像「伊達政宗甲冑倚像」。政宗といえば失明した右目を隠す眼帯をイメージするが、政宗は自分の肖像画には両目を入れるように遺言したと言われている。この像は右目が細く開いており、実際の姿により近いと考えられる。

高さ13.8m、奥行きが23.6mある「庫裡」} 高さ13.8m、奥行きが23.6mある「庫裡」

入り口すぐの天井の重厚な梁} 入り口すぐの天井の重厚な梁

常設展示室のほか企画展示室もある} 常設展示室のほか企画展示室もある

スポット詳細

住所
宮城県宮城郡松島町松島字町内91 map map 地図
電話番号
0223542023
時間
[4-9月]8:30-17:00
[3・10月]8:30-16:30
[2・11月]8:30-16:00
[1・12月]8:30-15:30
※最終受付は閉門時間の30分前
休業日
無休
料金
[拝観料]大人700円、小・中学生400円
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(本堂内への車椅子の乗り入れは不可)
乳幼児の入店
ペットの入店
可(本堂内・宝物館内は不可)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 庫裡側から本堂へ
    3.0 投稿日 : 2021.11.13
    瑞巌寺境内で国宝に指定されている建物の一つでした。有料拝観エリアに立ち、本堂の拝観には庫裡から内部に入るようになっていました。猶、たまたまなのでしょうが、参拝当日は仏前結婚式が執り行われるようで案内が設置され、観光客以外の参列者が本堂方向に集まっていました。

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アクセス

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