武家屋敷「石黒家」
今も直系子孫が暮らす角館武家屋敷通りに現存する最古の主屋
上級武士ならではの格式あるたたずまい
JR角館駅から徒歩25分ほど。角館のなかでも特に身分の高い武家屋敷が軒を連ねる表町に、のぞき窓付き黒板塀に囲まれた、一見簡素な武家屋敷が現れる。門は1806年(文化6)に建造された薬医門で、上級武士のみが構えることを許された門構えだ。薬医門をくぐると茅葺き屋根の主屋を囲むように築山、巨石、樅の大木、東屋があり、上級武家の格式を示しながら簡素なたたずまいを呈している。特に樹齢300年以上の樅の巨木は、黒板塀の外から眺めても威厳を感じ取れる。所どころが苔むす坪庭を有し、茅葺き屋根の主屋は、武家屋敷通りのなかでも現存する最古の木造建築で、江戸末期に建造されたと伝えられる。
佐竹北家を支えた角館の名家
角館における石黒家の歴史は、1656年(明暦2)に佐竹北家初代義隣(よしちか)に召抱えられ、越中(現在の富山県)から角館に移り住んだことに始まる。1853年(嘉永6)に現在の敷地に移転した。佐竹北家の財政を取り仕切る勘定役として活躍し、佐竹北家が江戸や京に登る際にはお供を勤めていたという。江戸後期に造られた主屋は外観からは華美な装飾を見受けられないが、賓客用と家人用の2つの玄関があるなど、簡素ななかにも家の格式を感じさせる造りだ。
茅葺き屋根が美しい江戸後期建造の主屋
主屋の入り口を入ると常時数人のガイドが待機しており、石黒家の歴史的背景や鑑賞のツボなどをわかりやすく解説してくれる。歴史が詳しくなくても由緒ある武家のしつらえや、格式のなかに隠された遊びを発見することができる。ガイドによる説明は5~10分ほどで、料金は入館料金に含まれ別途不要だ。手作りの解説ボードを活用しながら、難聴者や訪日外国人へ英語や中国語など多言語で対応。また車いすの方や足腰が弱い方には、段差のない土間から室内を見渡しつつ、見どころを写真付きボードで解説してくれる。昔ながらのおもてなしの心を感じられるうれしいサービスだ。
明治大正期の内蔵に代々の物品を展示
敷地内には1892年(明治25)に建てられた文庫蔵と1919年(大正8)に建てられた味噌蔵があり、冬場も雪の心配をせずに往来できるようにと、建屋で覆った内蔵造りになっている。藩政が終わったあとの明治から昭和初期には石黒家は地主として地域の発展に貢献しました。現在の展示室は、その頃に米の品質検査や計量などができる作業スペースだったという。文庫蔵と味噌蔵を改装した展示室には、石黒家に代々伝わる武具や西洋解剖学書の訳本『解体新書』の初版本の写し、江戸末期の角館町割絵図など、貴重な歴史資料を展示。藩政時代の武家の暮らしから現在につながる、雪国のリアルな風土や暮らしを体感できるスポットだ。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県仙北市角館町表町下丁1 地図
- エリア
- 角館・田沢湖・乳頭エリア
- 電話番号
- 0187551496
- 時間
-
[4-11月]9:00-17:00
[12-翌年3月]9:00-16:00 - 休業日
- 不定休(特に定め無し)
- 料金
- [入館料]大人(高校生以上、16歳以上)500円、子供(小中学生、6-15歳)300円
- 駐車場
- なし(近隣の仙北市営『桜並木駐車場』などをご利用下さい)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(Senboku City Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
-
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円 - 滞在目安時間
- 0-30分
- 車椅子での入店
- 可(但し、畳の上で車椅子の利用(走行)はできません)
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(抱くかバッグ等に入れて下さい)
- 雨の日でも楽しめる
- はい
- 備考
- 随時スタッフが5-10分程度案内説明をいたします。
情報提供: ナビタイムジャパン