秋田市立赤れんが郷土館
ルネサンス様式とバロック様式が基調。明治の面影漂う文化財
左側にある窓の大きな白い建物が管理棟、右側が赤れんが館。受付は赤れんが館の正面入り口から
もとは銀行だった、明治時代を代表する洋風建造物
1912年(明治45)に、旧秋田銀行本店本館として建てられた赤れんが館。1981年(昭和56)に秋田銀行創業100周年および秋田市制施行90周年を記念して、秋田市に寄贈された。その後、明治時代の貴重な洋風建築を後世に残すために修復を行い、1985年(昭和60)に赤れんが郷土館(赤れんが館・管理棟・収蔵庫)として開館。ルネサンス様式を取り入れた赤れんが館の外観は、1階が白磁のタイル張り、2階部分は赤い化粧レンガといった造りで、白と赤のコントラストが美しい。バロックの手法を取り入れた内部は、花籠や月桂樹、唐草文様(からくさもんよう)の縁飾りなどを複雑に組み合わせた装飾が華やかだ。暖炉や階段、旧営業室のカウンターなどには、国産の大理石をふんだんに使用している。管理棟では、郷土秋田の歴史・民俗・美術工芸に関する企画展を行っている企画展示室と、秋田出身の木版画家・勝平得之(かつひらとくし)の記念館を併設、展示の充実を図っている。
窓には明治時代に造られた鉄製の国産シャッターが取り付けられており、現在も手動のハンドルを使って巻き上げている
2階まで吹き抜けになっている旧営業室。レトロなシャンデリアが室内を照らす
随所に感じる明治時代の職人技と、西欧文化の優雅な気品
正面入り口から中に入ると、2階まで吹き抜けとなった大空間に圧倒される。柱を1本も使わずに開放的な吹き抜けの空間を創出するため、屋根の梁は部材同士を三角形につなぎ合わせたトラス構造となっている。バロック様式の最大の特徴である、豪華で複雑な装飾にも注目したい。漆喰の白い壁には、楕円や長方形などの細かい模様が施されている。ロビーの床タイルにはイギリス製の色タイルを、カウンターと暖炉には福島県産のあられ石を使用しており、壮麗な装飾に目を奪われる。なかでも青白色(せいはくしょく)の漆喰で仕上げた天井の石こう彫刻は圧巻で、何種類もの装飾パターンや精緻な縁飾りがシャンデリアの光を反射して輝いている。2階部分に巡らされた回廊も見どころのひとつだ。部屋ごとに異なる手の込んだ装飾に、当時の設計者や職人の強いこだわりが感じられる。2階には秋田出身で人間国宝の鍛金家・関谷四郎(せきやしろう)の記念室がある。
白大理石を使用した階段に敷かれた赤い絨毯が上品な雰囲気を醸し出す
木材をふんだんに使用した、落ち着いた趣の旧頭取室(きゅうとうどりしつ)
館内で最もぜいたくな意匠を凝らした、格別の部屋
特別な客人をもてなすために使われた旧貴賓室は、床や壁、天井など、すべてにおいて格式の高さを表す手法が用いられた。色の異なる数種類の木を組み合わせた寄せ木細工の床。壁には柿渋塗料で仕上げたクロスに、月桂樹をデザインした手描きの模様があしらわれている。天井は風格のある格天井(ごうてんじょう)、ケヤキの扉には紫檀(したん)や黒檀(こくたん)を使った象眼(ぞうがん)が施され、これでもかというほどきらびやかに飾られている。埼玉県産の蛇紋岩(じゃもんがん)で造られた暖炉のほか、窓や出入り口の装飾も注目したいポイント。大事な話が交わされていた旧貴賓室や会議室の床下には、床板を支える横木の間にしっくいが塗られ、防音効果を高めている。細部までこだわり抜いた豪華絢爛な雰囲気の中で、貴客気分を堪能しよう。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県秋田市大町3-3-21
- エリア
- 秋田中央・男鹿半島エリア
- 電話番号
- 0188646851
- 時間
- 9:30-16:30
- 休業日
- 12/29-1/3、不定休(展示替え時臨時休館)
- 料金
- [入館料]一般210円、高校生以下無料
- 駐車場
- あり
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、楽天ペイ、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
このスポットを紹介している記事
クチコミ
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- 明治45年に建てられた旧秋田銀行本店
- 明治45年に建てられた旧秋田銀行本店で国の重要文化財なのだそう。立派な赤レンガ造りの建物は通りの中でも存在感があり、館内に入ると壁は漆喰の白壁、2階まで吹き抜けになっていて天井には大きなシャンデリアが吊るされています。巨大な金庫や贅を尽くした貴賓室などなかなか見ごたえがありました。
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- 赤れんが郷土館
- 秋田市内は見処が多いとは言えないが、秋田市内の観光を彩る観光地の筆頭となるのがこの赤レンガ郷土館だろう。元々銀行として建設された建物たが、今は博物館となっている。戦前の建物らしく建物はとてもレトロで当時の雰囲気がよく残されている。
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- 豪華な旧秋田銀行本店の建築を楽しむ
- 国の重要文化財に指定されている明治45年築の旧秋田銀行本店。旧書庫で秋田の伝統工芸品の展示や、併設の勝平得之記念館での企画展も開催。4月18日まで開催中の「郷土玩具と人形展」展が規模は小さいながらも良かったです。館内の建物は撮影可能。
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