おがの化石館
日本と世界の古生代から新生代の化石を展示する
埼玉の奇獣「パレオパラドキシア」と出合う
小鹿野町が位置する秩父地域は、1700万-1500万年前は古秩父湾という海中にあり、各地で海洋生物の化石が発見されている。「埼玉の奇獣」とも呼ばれるパレオパラドキシアは、およそ1500万年前に日本と北アメリカ西海岸の海辺で生息していた、一見カバのような哺乳類。1981年(昭和56)、おがの化石館と同じ地層が分布する町内の般若(はんにゃ)地区から、パレオパラドキシアや新種として認定された「チチブサワラ」などの化石が発掘された。
玄関を入ると、1階ホールの中央で、パレオパラドキシアの骨格標本模型が迎えてくれる。展示されている模型は4つの足で大地を踏みしめているように見えるが、実は海中を泳いでいる様子を復元したものだ。小さな生体復元模型も置かれていて、太古の秩父の景色を想像する手助けになる。パレオパラドキシアとはラテン語で「古代の矛盾生物」という意味で、骨格をはじめ古生物学的に不明な部分が多いそうだ。
古生代から新生代まで、数多くの化石を展示
1階にはほかに、小鹿野町や世界各地で収集された三葉虫やウミサソリ、アンモナイト、サンゴなどの化石が展示されている。特にウミユリの不思議な姿は、この世の生き物とは思えないほどだ。また「ようばけ」や「秩父ジオパーク」に関する展示、1916年(大正5)に地質学調査のためこの地を訪れた宮沢賢治にまつわる資料も見学できる。
2階フロアにも、日本や世界各地で見つかった多数の化石が展示されている。なかでも目を奪われるのは、するどい牙が並ぶ大きな口を開けてこちらに迫る「モササウルス」の骨格復元模型。約9000万年前-6500万年前の海に生息した爬虫類で、当時の海に繁殖していたアンモナイト類を食していたと考えられる。ガラス越しに一周して見学すれば、その迫力に圧倒されるだろう。また2階には東に「ようばけ」を観察できる望遠鏡も設置されている。
約1500万年前の地層が見られる「ようばけ」
「ようばけ」とは、おがの化石館の近くを流れる赤平川(あかびらがわ)の右岸に、高さ100m、幅400mにわたって岩肌を見せている巨大な崖のこと。秩父地方では古くから崖のことを「ハケ」と呼び、夕陽が白い岩肌にあたってオレンジ色に輝く姿から、「太陽のあたるハケ」が名前の由来になったそうだ。この崖は、秩父盆地に厚く堆積している新生代新第三紀の地層が赤平川によって浸食されてできたもので、古秩父湾の海棲哺乳類化石群(パレオパラドキシアの化石を含む)とともに国の天然記念物に指定されている。
おがの化石館から「ようばけ」へは徒歩5分ほど。川原から崖を見上げると、約1500万年前に水深50m以下の浅い海で堆積して形成された、砂岩と泥岩の互層の様子がよくわかる。周辺ではサメ、カニ、貝類などの化石が数多く発見されており、休日にはハンマーを持って化石探しをする人を見かけることも。ただし崖崩れや落石が多発し危険なので、川を渡って崖下へは行かないこと。対岸から見学しよう。
スポット詳細
- 住所
- 埼玉県秩父郡小鹿野町下小鹿野453 地図
- エリア
- 秩父周辺エリア
- 電話番号
- 0494754179
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 火(祝の場合は翌日)、12/29-1/3
- 料金
- [入場料]大人300円、小人(中学生以下)200円
- 駐車場
- あり(20台程度)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
-
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円 - 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(一部利用しにくい箇所あり)
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
-
- 三葉虫やアンモナイトの化石が見られます
- 小鹿野周辺で発掘された化石や世界各地の動植物の化石が展示されています。教科書で見たことがある三葉虫やアンモナイトの化石も見られます。圧巻は「パレオパラドキシア」の骨格標本です。玄関を入ると正面に展示されています。入場料は300円、小鹿野町の中心から歩くとかなり距離がありますので、車の利用がお薦めです。
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