湯西川ダックツアー

青空を映す湯西川ダム湖を遊覧するダックツアー

日本初の水陸両用バスで出発！

2007年(平成19)、日本で初めて水陸両用観光バスによる営業を始めた「ダックツアー」。現在では湯西川を含め計8つの地域でツアーを提供している。湯西川コースは「道の駅 湯西川」または「湯西川・水の郷」からスタートし、いずれも湯西川湖を周回して湯西川ダム施設を経由しスタート地点へ戻るもの。湯西川ダム湖は2012年(平成24)に鬼怒川上流ダム群で4番目の湯西川ダム完成にともない誕生した。山里の秘境ムードも相まって、神秘的な雰囲気がただよう絶景の湖だ。流域に存在する小さな集落は、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落人が築いたものと伝わっており、温泉も発見され宿泊施設も軒を連ねている。バスは陸上用エンジンと水上用エンジンを搭載し、運転手は小型船舶とバスの運転免許を有している。窓がなく開放的な車内からは秘境の景色を一望。なんといっても湖にスプラッシュインする瞬間のドキドキがたまらない。このツアーでしか味わえない爽快感を堪能しよう。

発着場所となる道の駅湯西川

バス内の様子。最大乗車人数は38名、いすゞ車製

迫力満点のスプラッシュイン！

乗車中は移り変わる景色を眺めながら、ツアーガイドによる湯西川の歴史や自然についての話に耳をかたむける。ツアーの所要時間は70-80分ほど。「道の駅 湯西川」から乗車した場合、10分ほど陸を走行したあと、湯西川ダム湖へインとなる。水陸両用バスのいちばんの醍醐味は、このスプラッシュインの瞬間。乗客の歓声とともに大量の水しぶきが舞い、非日常の感動を味わえる。ドキドキの瞬間を終えたら、湖上からしか眺められない感動の景色が続く。

一般の人は立ち入れない入水ポイントからスプラッシュイン

湖上からさまざまな湯西川の日常をとらえられる

湯西川ダム湖ならではの幻想的な水没林

湖上からは、湯西川ダムの裏側や岸でたたずむ野生の鹿など、船でしか見られない眺めのオンパレード。まれにツキノワグマの姿が見られることもあるのだとか。便によって見える景色が微妙に変化するため、その都度異なる便で楽しむリピーターもいるそう。沢風が穏やかなときは湖が鏡のように辺りの景色を映し出し、神秘的な光景を見せてくれる。さらなる見どころは、ダム湖の建設によって森が水中に沈んだことで形成された水没林。これは湯西川ダム湖岸を車で走行している際にもしばしば見られるが、船だからこその近さから見学できる、湯西川ダックツアーならではの醍醐味だ。

鏡のような景色にうっとり。紅葉の時期がベストシーズン

はかなくも美しい、立ち枯れた水没林

湯西川ダム施設を見学して道の駅へ

湖上遊覧を終えたら湯西川ダム施設の見学へ。湯西川ダムは鬼怒川上流ダム群で最も新しい、堤高119mの重力式コンクリートダムで、天端から湯西川へ放水される光景も見学できる。ダム見学を終えたらスタート地点の道の駅へ戻り、ツアー終了。道の駅内には日帰り温泉施設や足湯施設、食事処もあるので、ツアーの余韻を感じながらのんびりしていきたい。

湯西川ダム天端から湯西川下流を望む