金子みすゞ記念館

記念館

若くして逝った「幻の童謡詩人」をしのぶメモリアルミュージアム

大正時代、童話童謡雑誌が隆盛を極めていた頃、詩壇に彗星のように現れた童謡詩人・金子みすゞ。若くしてこの世を去ったみすゞの、清らかな心とやさしさあふれる作品に触れてみよう。

復元された「金子文英堂」。みすゞが店の奥から顔を出しそうな雰囲気がある} 復元された「金子文英堂」。みすゞが店の奥から顔を出しそうな雰囲気がある

西條八十も認めたみすゞの作品と生涯に触れる

童謡詩人・金子みすゞ(本名テル)は、1903年(明治36)、大津郡仙崎村(現在の長門市仙崎)の生まれ。成績優秀でおとなしく、やさしい性格だったという。幼い頃は母が営む仙崎の書店「金子文英堂」で過ごし、大人になると親戚が下関で営む「上山文英堂」の支店で店番をするという、いつも近くに本がある環境だった。そして、大正時代中期から『赤い鳥』『童話』などの童話童謡雑誌が続々創刊されると、みずからも童謡を書き始める。20歳の時「金子みすゞ」のペンネームで詩を投稿すると、すべての作品が雑誌に掲載されるという鮮烈なデビューを果たした。当時『童話』の選者であった西條八十(やそ)から「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛され、その後も活躍を見せた。しかし結婚、出産後に夫から詩作を禁じられて以降、病気、離婚と不幸が続き、26歳の若さで自ら命を絶つ。それは、前夫に娘を奪われてしまうことを阻止するための決断だった。その後、みすゞは「幻の童謡詩人」として語り継がれるようになった。

本館に飾られているみすゞの大きなタペストリー} 本館に飾られているみすゞの大きなタペストリー

タペストリーはみすゞファンの顔写真を集め構成されている} タペストリーはみすゞファンの顔写真を集め構成されている

みすゞが過ごした書店「金子文英堂」を再現

金子みすゞの生誕100年に当たる2003年(平成15)に、彼女が幼少期を過ごした書店「金子文英堂」の跡地に「金子みすゞ記念館」が誕生した。没後50余年、長い年月埋もれていたみすゞの作品を再び世に送り出したのは、童謡詩人であり、この記念館の館長でもある矢崎節夫氏の尽力による。記念館はよみがえったみすゞの作品と生涯を紹介するとともに、みすゞファンの交流拠点にもなっている。「みすゞ通り」に面した建物は当時の店を模したもので、名称もそのまま「金子文英堂」として再現。1階はみすゞが3歳から20歳までを過ごした書店、2階は「みすゞの部屋」が復元され、窓からは、彼女が眺めていたと思われる風景が感じられる。書店の店先から入り、2階の「みすゞの部屋」を見学し中庭へと順に進めば、当時の彼女の暮らしぶりをしのぶことができる。館内の随所に、みすゞの詩が刻まれた木の詩碑が置かれているので、彼女のやさしさあふれる作品の世界に浸ってみよう。

書店のスペースで展示されている本などは当時のものをイメージしている} 書店のスペースで展示されている本などは当時のものをイメージしている

左上から時計回りに、「みすゞの部屋」、のちに劇作家になる弟・上山雅輔が集めていたレコード、実際に使っていた中庭の井戸、書店で実際に使っていた本棚} 左上から時計回りに、「みすゞの部屋」、のちに劇作家になる弟・上山雅輔が集めていたレコード、実際に使っていた中庭の井戸、書店で実際に使っていた本棚

みすゞゆかりの品や資料を展示した本館「常設展示室」

奥にある本館の「常設展示室」では、彼女の没後、時を経て見つかった直筆の遺稿集『三冊の手帳』(レプリカ)や着物の端切れなどの遺品をはじめ、残された貴重な資料とともに、みすゞの作品や生涯を紹介。検索室では、全作品512編をデータベース化、パソコンで検索し鑑賞できる。彼女の詩のなかには、地元仙崎のことがよく登場するので探してみよう。「みすゞギャラリー」では、手のひらに光で詩を写し出す「手のひらのページ」や、詩の朗読が聞こえる椅子を設置。自然の風景や生き物をやさしく見つめ、この世のすべてに温かい眼差しを向けたみすゞの詩の世界を、光や音で体感してみよう。

みすゞの年表や作品に関する資料などが並ぶ「常設展示室」} みすゞの年表や作品に関する資料などが並ぶ「常設展示室」

みすゞの直筆の詩が飾られている「みすゞギャラリー」} みすゞの直筆の詩が飾られている「みすゞギャラリー」

手をかざすと、詩の文字を受け止められる「みすゞギャラリー」内の「手のひらのページ」} 手をかざすと、詩の文字を受け止められる「みすゞギャラリー」内の「手のひらのページ」

スポット詳細

住所
山口県長門市仙崎1308 map map 地図
エリア
長門エリア
電話番号
0837265155
時間
9:00-17:00(最終入館16:30まで)
休業日
無休
料金
【入館料】
[一般]500円
[小・中・高校生]200円

【団体入館料(20名以上)】
[一般]450円
[小・中・高校生]150円
駐車場
あり(10台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(nagato free wifi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(本館のみ)
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 内部には金子みすゞの部屋が再現されていました
    4.0 投稿日 : 2023.01.30
    長門市の仙崎の町中にある金子みすゞ記念館。この記念館がある場所は、金子みすゞが幼少期を過ごした書店、金子文英堂の跡地建てられているそうです。ですから、記念館の上に掲げられている看板には、「金子文英堂」と書かれていました。 入館料はかかりますが、内部には金子みすゞの部屋が再現されていたり、みすゞギャラリーなどがありました。
  • 「金子文英堂」の看板が掲げられています
    4.0 投稿日 : 2023.01.04
    金子みすゞは、明治36年に仙崎で生まれました。小学校の国語の教科書に掲載されて、脚光を浴びるようになった童謡詩人です...
  • 童謡詩人金子みすゞの記念館ですね
    3.0 投稿日 : 2022.02.07
    大正時代の後期に彗星のように現れた童謡詩人金子みすずの記念館です。入場料350円。波乱万丈の人生。26年の短い人生ですがそれが「幻の童謡詩人」と言われる所以でしょうか。詩人西条八十に見いだされたことがこれほどの人気を得るきっかけでしょうか。

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アクセス

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