阿伏兎観音

寺院

美しい海と荒々しい岩肌に調和する岬の突端の観音堂

沼隈半島の南端にある阿伏兎観音は海面から高さ約15mの断崖の上にあり、朱色に輝く建物は自然と見事に調和している。航海の安全のほか、子授けと安産の祈願所として有名だ。

海からせり上がったような崖の上に建つ姿は迫力がある} 海からせり上がったような崖の上に建つ姿は迫力がある

海に突き出した断崖の上に建つ

磐台寺の観音堂は、瀬戸内海に面する沼隈半島の阿伏兎岬にあるので「阿伏兎観音」と呼ばれ、国の重要文化財になっている。西側の沖には田島、横島が浮かび、東の海岸線は鞆の浦へと続いている。本尊は十一面観音石像。平安時代、花山天皇(かざんてんのう)が十一面観音石像を安置して、航海の安全を祈願したのが始まりという歴史ある寺院だ。その後、戦で海に沈んだこの石像を地元の漁師が引き揚げて祀り、参拝者が相次ぐようになったといわれる。戦国武将の毛利輝元(もうりてるもと)が1570-73年(元亀年間)に、観音堂を再興し、のちに福山藩主の水野勝種が石垣を築き、回廊を付けた。

阿伏兎観音の客殿(県指定の重要文化財)} 阿伏兎観音の客殿(県指定の重要文化財)

観音堂へ続く石段} 観音堂へ続く石段

階段は急なので注意が必要} 階段は急なので注意が必要

人々は航海の安全や子授け、安産を祈願

入り口から境内の朱色に包まれた細い石段を登り、観音堂へ参る。お堂の周りにぐるりと回廊をめぐらせている。回廊の床が多少海のほうへ傾いているように感じる。少し足がすくむが、真っ青な海の景色がすばらしい。観音堂は、禅宗伽藍としては珍しい和様建築。内部の天井には福山藩の絵師藤井松林(ふじいしょうりん)が描いた百花図がある。航海の安全や子授け、安産の祈願所として有名で、女性の乳房の形をした絵馬が数多く奉納されている。安藤広重は浮世絵『六十余州名所図会(めいしょずえ)』のなかに阿伏兎観音を描いた。また、志賀直哉の小説『暗夜行路』、山本薩夫(やまもとさつお)監督の映画『荷車の歌』(1959年)などにも登場している。

下を見ると少しこわいが、観音堂からの風景は最高だ} 下を見ると少しこわいが、観音堂からの風景は最高だ

安産祈願をした女性たちの思いが伝わってくるような絵馬の数々} 安産祈願をした女性たちの思いが伝わってくるような絵馬の数々

瀬戸内クルーズも楽しめる

その独特の立地、海、空の青に朱色が映える光景は感動的。阿伏兎観音の近くにある割烹旅館「あぶと本館」が運航する船でクルージングを楽しむこともできる。阿伏兎観音を海から見てみるのもおもしろい。阿伏兎観音、鞆ノ浦港、田島・横島、常石造船所沖を巡るコースなどがある。約10人からの予約制となっている。潮の香りに包まれて、瀬戸内の穏やかな風を感じながら、のんびり海の散歩を満喫するのがおすすめだ。

スポット詳細

住所
広島県福山市沼隈町大字能登原1427-1 map map 地図
電話番号
0849873862
時間
8:00-17:00
休業日
無休
料金
[拝観料]中学生以上100円、小学生50円
駐車場
あり(10台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分
ペットの入店
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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